お金持ちが本気で作ったラグジュアリーが自然と出会う場所。The Newtへ遊びに行こう。イギリスのバッファローミルクのお味は?
The NEWTとは
The Newtとは?ホテル、だけどそれだけじゃない。
2019年にイギリスはサマーセットにオープンしたThe Newt。世界ベストホテル50で37位をとったこともある豪華ホテルです。このときのランキングでイギリスは16位ロンドン「Claridge's」、22位「The Connaught」に続いて3番目にランクイン。46位「NoMad London」、47位「The Savoy」よりも高評価だったのです。
南アフリカのビリオネアー(ミリオネアーよりお金持ち)が建てたこのホテルは全40室と少ないながら、敷地自体は約東京ドーム87個分もあるらしい!!。
こんなところですから宿泊となると大人二人一泊でも最低でも£800(15万円くらい?)かかってしまう。
ところが、このThe Newt、泊まらなくても存分楽しめることができるのです。ここはホテルであると同時に、ガーデンとしても開放しています。The Newtのメンバーになれば、ガーデン、レストラン、ツアーなどホテル以外は全て楽しむことができるのです。
敷地内には素敵なガーデンはもちろん、サマーセットの特産、りんごのお酒(サイダー)蒸留所がありサイダーの試飲ツアーが行われたり、ローマ時代の遺跡博物館、ミツバチとハニーについてのツアーなど楽しそうな催しもたくさん。レストランのメニューは敷地内で育てられた野菜や果物、それに興味深いのは、ここで育てている水牛のミルクから作られる乳製品が使用されていること。イギリスのバッファロー、気になります。
メンバーになる。
このThe Newtのメンバー、年会費が一人£95、二人だと£160(三万円くらい?)となかなかのお値段。しかし提携している他のガーデンの入場料も無料になり、キューガーデンやエデンプロジェクトなど一回の入場料が高いところも含まれていたので「これからここのガーデンに行きまくれば元は取れるはず」と自分に言い聞かせてメンバーに。
イギリスのガーデンやパークなどはこういった年会費を払ってメンバーになる制度が多いのですが、RHSだのNational Trustだの組織が多すぎて、困惑することがよくあります。
自分がどこのメンバーなのかしっかり把握しておかないと、年会費を回収できません。
RHSのガーデンなどは会員にならずとも入場料をその場で払えば中に入れるのですが、The Newtは会員のみ入場可能。メンバーと一緒ならゲストはゲスト料金を払って一緒に入れます。
オンラインで申し込みは完了。メンバー証はアプリの中に。これで準備は完成です!
ランチはThe Creameryへ。
行く場所が決まっているのなら、どこでも事前に予約を入れておきます。このクレマリーレストランはキャッスル・カリー駅の真横にある新しいレストラン。しかもここはメンバーでなくても利用可能です。
私は車で訪れたのですが、レストランの駐車場が見つからず、駅のパーキングを利用。(しっかり駐車料金取られました)
ここは1912年に作られたチーズ工場を改築したものだそうで、建物は中も外もとても綺麗。1912年といえば「ラ・ベルエポック」と「鉄道旅行大ブーム」の時代。ここに運ばれたミルクで作られたチーズが電車に乗ってロンドンまで運ばれたそうです。
そのチーズ作りの伝統はそのまま、今はバッファローミルクでモッツァレラチーズが作られています。レストランではそのチーズ作りの機械もガラス越しに見れます。
もちろんモッツァレラチーズ、頼みました。
チーズは大好きで、モッツァレラも本場イタリアで食べてきたはずなんですが、ここのチーズを食べて初めて知りました。
モッツァレラチーズって、しっかり皮があるんだ。
皮といっても、それ自身もチーズ。モッツァレアチーズが薄く伸ばされて、中の丸いチーズを包んでいるのです。
この丸いチーズを包んでいるのはもっと薄くて硬めの膜だと思っていたのに。例えるなら、私の知っているモッツァレラの皮はシュウマイの皮、ここの皮は手作り餃子の厚みのある皮、くらいの厚さの差がありました。
中のチーズはさっぱりめ。オリーブオイルの少し苦味かかった草味と合わさって、草食動物の乳と植物油との相性は本来こうあるべきなんだとまで思わせてくれます。
メインはステーキ。レアで。日本のサシの入った牛肉も美味しいけれど、鉄分たっぷりの程よく弾力のある赤身を噛み締める美味しさもいい。硬さは感じさせません。口の中でとろけない、噛みしめる度に口の中で変化する旨み。牛さんの命が私の血となり肉となり、これから私はまた頑張ります、そんな気持ちになる旨さでした。
さあ、ガーデンへ。
ガーデン自体はこのクレマトリーレストランから車で15分ほど。宿泊を少し遠いところに決めていたので、ガーデンは翌日に訪れることにしました。
受付場所では、ガーデンツアーやローマ遺跡ツアーの申し込みができます。今回は初めてなのでゆっくりガーデンを見たいので、ツアーは申し込みはせず。
ガーデンを見て回る前に、やることは一つ。腹ごしらえです。
朝はGarden Cafeを予約してあります。
私はEstate Kitchen Breakfast。魚がライ麦パンに乗っています。
テラス席もあるので、のんびり外を眺めながらお茶もできそうです。
ウェルカムのオレンジジュースまでついてきて、ちょっと嬉しい。
カフェから出て、そのまま下に降るとキッチンガーデンがありました。大きなアンティチョークがポコポコ顔を出して花を咲かせています。私がいただいたサラダなんかはここで育ったのかな、なんて思いながら歩きました。
地図を見ると下の方に大きな果樹園とガーデンがあります。ここは2024年春にオープンしたフォーシーズン・ガーデン。名前の通り四季を通じて楽しめるガーデンだそうです。
メインのガーデンからは10分ほどの道のりです。
トイレにいもりを発見。The Newtとはイモリのこと。近くにはイモリの形をした池もありました。
満開の百合の香りに夏を感じながらぐるっと一回り。その後、ドラゴンの洞窟へ。
小さな洞窟ですが、中にドラゴンがいます。
小さな子供たちは結構本気で怖がって中に入ろうとしない子もいました。
洞窟を出たらそのままカフェの方へ戻り、そこから空中歩道橋(Viper)
へ向かいます。緩やかながら上り坂なので遠く感じました。木陰ですずむ鹿の群れをすぎると、木立ちの中に見える歩道橋。
歩道橋の高さくらいなので怖くはありません。クネクネと森の木の間を通り抜けるのはとても気分がいい。あちこちで下をのぞいたり、遠くに見える景色を楽しんでいるとガーデンミュージアムに到着します。
ガーデンミュージアムはその名の通り庭についての小さな博物館なのですが、小さな子供も楽しめるアクティビティとなっています。予約制ではないので空席があればいつでも参加可能。私がついたときは満席で中に入れませんでした。
ちょっと疲れたので、アイスクリーム。
ヨーロッパ人は大人も子供もアイスクリームが大好き。
イギリス人も夏は大人も子供もベロベロ、アイスを舐めながら歩いています。
ここのアイスはバッファローミルクを使用しているとのこと。牛乳特有の匂いがなく、フローズンヨーグルトよりも濃厚。
暑さもあって、このアイスクリームがこの旅で一番美味しかったかも。
アイスクリーム売り場の目の前にあるコテージ・ガーデンのテーブルで一休み。ジャスミンの花の匂いがふんわり包み込むとても幸せな場所でした。
結局、メインガーデンのParabolaは最後に。ここは地図を見てもわかるようにりんごの木の迷路になっています。イギリス中のりんごの木の種類を集めたそう。
地図を見るとすぐに抜け出せそうな迷路ですが、実際歩いてみると広すぎて自分がどこにいるのかわからなくなります。しかもリンゴの木ばかりで「あれここ、さっき通った?」とデジャブ現象ばかり。
私はさっきのコテージ・ガーデンでゆっくりする方が好きかも。
もうあとはファームショップでお買い物だけです。
今回はツアーなど参加しませんでしたが、次回はサイダー試飲、挑戦してみたいと思っています。
今日もいい花が摘めました。carpe diem.
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?