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イギリス バイリンガル子育て終了宣言 子育てに成功も失敗もないけれど。今頑張っているみんなに伝えたいこと。

生まれも育ちも日本でしょと言われるくらい

子供の可能性は無限、ですか?

 イギリス人の旦那様と結婚し、子供も二人も大きくなりました。上の子はもう大学生です。イギリスの大学生ですが、日本の大学で研究生として数ヶ月暮らすことがありました。大学の寮に滞在して日本を満喫し、将来はこちらに住みたいといい出すくらい。彼は自分がイギリスから来たと言わなければ日本育ちと思われたのが嬉しかったようです。顔はハーフですが、今の日本でハーフちゃんはそう珍しくもありません。英語の訛りなどない普通の日本語、咄嗟に出る「ヤバい」とかも日本語。逆に英語話せるの?と驚かれたそう。
 それまで彼は日本といえば夏休みに一時帰国するだけで、長期滞在というのは大学生になってからが初めてです。
 ではイギリスでは日本語をどれくらい使っていたのかといえば、大学生になって家を出るまでは私一人もしくは兄弟と会話するだけでした。夫は日本語は全くわかりません。
 こんな話をすると、「子供の可能性は無限だから、小さい時から二カ国語環境なら完璧バイリンガルになるよね」と言われます。
 しかし、
 声を大にしていいます。
 子供の可能性は無限ではありません。
 人生の選択は無限です。医者になろう、警察官になろう、優しい人になろう、お金持ちになろう。選択先は無限にあります。つまり本人が「なりたい」と思う「可能性」は無限です。
 でも例えば親が「子供の可能性は無限だからピアニストになってほしい」と思っても、本人がピアノを好きでなかったら子供はピアニストにはなりません。バイリンガルも同じ。親がどんな願っても、子供本人が二カ国語を身につけるという厳しい修行を続けるかどうかは本人次第なのです。
「日本語好きじゃない。現地語だけ使いたい」
と白旗振られたら、親は引き下がるしかありません。

どこまで求める?海外育ちの日本語力

 ここまで気軽にバイリンガルと話してきましたが、それぞれ親が自分の子供に求めるバイリンガル力は違っていると思います。また、例えば子供が幼稚園前で、読み書きもできればいいなあと思っていても、6歳くらいでひらがなとカタカナで挫折、その後とにかく日常会話ができればいいと思っていたら8歳ぐらいから現地語しか話してくれなくなった。など、年齢別、学校のステージ別でも直面する問題が変化していくことでしょう。
 私も色々と子供達とはぶつかり、喧嘩もし、泣かされたり、泣かしたり、本当にたくさんの経験をしてきました。でも一つだけ、貫いた鉄則があります。
「お母さんと話すときは日本語」
 シンプルに、これにつきます。鉄則ですから、例外はありません。
 子供が英語を話したら、全部それを日本語に直して言い直してもらいました。これだけは習慣しておかないと日本語は現地語にすぐに駆逐されてしまうでしょう。日本語でないとお母さんとは話ができないと、生まれた時から習慣にしておくのです。
 子供が面倒くさがって拗ねる、母と話してくれなくなるというのは、これはテクニックの問題です。親の権限丸出しで日本語を押しつけるのでなく、当たり前のルールとして日本語を使う。
 日本語でお母さんと話すのが楽しい。
 ここからバイリンガル子育ては始まるのだと思います。
 これから、一応日本語を話せるようになった子の母として、私の子育て忘備録を綴っていきたいと思っています。


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