会社を超えて、自分の人生を生きる
成熟層向け異業種混合型社会課題解決プロジェクト「REVIVE」。2019年のテーマはアート。その答申先の一つ、世界で一番小さい美術館すどう美術館の須藤館長の講演が7月10日にあった。
すどう美術館
http://www.sudoh-art.com/exhibition/2021/infomation_07.html
一流企業の油がのった46歳で、たまたま出逢ってしまった菅創吉という画家。この現代アートとの出会いが私費を費やしたコレクションにつながって、現代アートを生活の場で多くの人に体験してもらいたいという想いが自宅の開放につながり、NHKの日曜美術館でも取り上げられるような「世界で一番小さい美術館」として知られる存在になっていった。
46歳までの社業に邁進する日々からは想像もつかなかった人生。満員の聴衆に語るお姿には、会社以外でも自分の人生に重要なものに出会った充実した一人の人生の歩みが映し出されていた。
2年前のREVIVEでは、すどう美術館と湘南アートベースを答申先に、西湘エリアでのアーティスト・イン・レジデンスをどのように継続していくかについてを考えた。
企業の成熟層からは、仕事からも生活からも縁遠いアート。全く想像もつかないものであった。
そこに、須藤館長が語るアートが生活の糧になるという想いや、湘南アートベースの朝比奈代表のアートに人生をかけている様に触れるにつれ、企業人からは分断されていたアートが少しづつ自分に関係のあるものになってくる。
この経験は、会社という当たり前から一歩踏み出した時にアートというものに出会ってしまった須藤館長の人生にも重なり、一つの会社での当たり前に染まっていた自分が一歩外に出た時にまた違う役割に挑戦できる存在であることを、REVIVE参加者が気付くきっかけとなった。
今年のREVIVEも10月にキックオフする。テーマは、またまた企業人には少し縁遠かったかもしれない、盲重複障害の介護とB型就業支援の施設「みのり」。盲重複障害者の母親が中心となって設立され、盲学校の先生と地元の名士が参画することで実現できた温かいオープンな施設を、次代にどうつなぐか。企業から一歩出たところでの企業で培ったものを活かすことが、参加者自身の新しい人生を生きることにつながっていく。
NPO法人みのり http://ageo-minori.or.jp/