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フリーランス2年目ノマド、海の近くへ短期移住する
海が見えるところに住みたい。
そう思った私は、2025年1月から岡山県瀬戸内市牛窓に短期移住をしている。これまで住んだことのなかった西日本での生活が始まった。
海の見えるところに住みたいと、私に思わせた要因は、これまでの人生の中できっとたくさんある。
まずは祖母の家だ。高台の上から、海が見下ろすことができた。大きな船が出入りするときには、汽笛が聞こえる。たまに家族で泊まりに行けば、翌朝早くから、母の好物のシャコを買いに、港の中にある漁師小屋を練り歩く。網に引っかかったシャコを素早く仕分ける海女さんの器用さには、舌を巻いた。
自分の家系のルーツには、どうも近くに海があるようで、その遺伝子が自分の中に確かにあるのだと感じる。
昨年は、バリ島にワーケーションをしに行き、夕方にはビーチにサンセットを見に行った。滞在中、バイクタクシーを使って、何度も見に行った。ノマドの聖地と言われるバリは、現地の人だけではなく、ヨーロッパから来た観光客もたくさんいた。人種も年代も全く異なる人たち。ましてや野良犬すらも、夕暮れのビーチに佇んでいた。みんなで同じ方向、太陽を見つめた。
今でもあの時間は、たまらなく豊かだったなと思う。大事な人と過ごしている人たちも、近くに住んでいるらしい子供たちが波と戯れているのを見るのも、直接関係のない私までなんだか幸せになってしまう空気が、あそこにはある。
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私が牛窓で滞在している場所は、海の目の前、とまでは言えないが、家と家の合間から海が見えるようなところだ。朝ゴミ捨てに赴けば、朝の澄んだ空気と柔らかな陽光が当たる海が見られる。そして夕暮れ時には、日本の夕日百選に選ばれた景色が眼下に広がる。
瀬戸内海の近くに住んでみたいと思ったのは、あの穏やかな海の美しさに惹かれたから。ここ数年で仲良くなった友人に会うために訪れた瀬戸内。海の美しさはもちろん、地元の人の温かさにも恵まれて、また行きたい大好きな場所になった。
そんな思いで訪れた牛窓も、違わず地元の人があたたかく優しい。歩いていると、老若男女を問わず、挨拶をして。自分の畑で獲れたからと野菜をくれたり、美味しいご飯屋さんを教えてもらえたり。私も地方出身の1人だが、私がいた場所よりもずっと人と人の距離が近い。あまり踏み込むのが得意ではない私も、この場所ではまるで海外のように気軽に誰かに話しかけることができた。
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牛窓に滞在して約2週間。たった2週間でも、この場所が素敵だなと思える瞬間には何度か立ち会ってきて、私もこの地に私がいた意味を残したいと強く思うようになった。どうしたら、私が受け取った、このなんてことない毎日の尊さを返してあげられるだろう。