メモ #003 M-1グランプリ 2018
1.僕がお笑いが好きなので題材にします。
でもお笑いの話ではないです。コトバと人間観察の話。
Amazon Primeでも見れます。2018年は霜降り明星が優勝しました。
ツッコミの粗品とボケのせいや。彼らの漫才スタイルは非常にキャッチー。せいやがコミカルな動きで舞台を動き回り、粗品が合間あいまに鋭く切ります。動くフリップ芸みたいなイメージ。
2.ではさっそく第1ラウンド。
出番9番の霜降りの爆笑かっさらったネタ。ネタの終了後は審査員のたちの寸評が入ります。今回の問題のシーンは、立川志らくのコメント。では一部始終。
①今田(司会):さあ、志らくさん!いかがでしたか?(志らくに話を振る)
②立川志らく:まぁあの、一番、あの、現代的でほどがいい、あの、漫才なんでしょうね。ええだから、もう会場もひっくり返ってウケてて。で、あとは、あの、うるさがたのひとが、たとえば、あの、お笑いに関係ないような、とんがった芸能界のひとや、文化人が、えー、彼らに食いつくかどうかっていう勝負でしょうね。もう、大衆はもう、彼らを、君たちを、ものすごくあの支持するとは思います。
③今田:漫才では。なるほどー。(せいやにマイクを向けて)さあ、どうですか?うるさがたの方!
④せいや(ボケ):いや、うるさがた!?…という意識はなかったんですけども。
⑤今田:いや、せーよ!
…(以下略)
3.なじみのない言葉
僕はコトバを扱います。だからパワーワードを聞いたら常に調べて、いつか使ってやろうと思ってます。「うるさがた」っていうワードが聞いたことなかったので面白いな!と。
きっとボケのほうを、つまりコミカルな人間を、落語の世界では「うるさがた」というのかな?と思って調べました。
…さっそく結論をいうと、落語用語じゃなかったです。「うるさ型」とは「何にでも口を出し、文句をつけずにはいられない人」。なので、芸能界の保守的なご意見番、みたいなことになります。
4.志らくさんのコメント抜粋、再掲
「あとは、あの、うるさがたのひとが、たとえば、あの、お笑いに関係ないような、とんがった芸能界のひとや、文化人が、えー、彼らに食いつくかどうかっていう勝負でしょうね。」
というわけで文法用語でいうと、「同格」でした。
「うるさ型」は小難しくで抽象的な言葉です。皆んなが知っているテイでしゃべっちゃった。だから話している途中で、「芸能界のひとや文化人」というふうに言いかえました。
ただし、司会の今田は「うるさ型」というボキャブラリーがなかったので、「うるさがた」イコール「せいや」という風に受け取って進行しました。
5.演者のこころのうちは?
僕はこういうことをひとしきり調べたうえで、何回か巻き戻して観察しました。おもしろい画が観れないかなと。
結局のところ1人ひとりの演者の表情から、内面まではみれなかったけど。
①コメントをする志らくさん。
②それを静かに聞きいる霜降りの2人。
③今田から「どうですか?うるさがたの方」とマイクを差し向けられたときのせいやの反応。
④それを横で見る粗品。
⑤そして最後に笑って見守るような志らくさんの顔。(それとも苦笑??)
僕はそんなところを、いろいろ想像しながらみました。
気になったらあなたも見て下さい。時間があれば。Amazonプライムでも見れます。
以上、コトバと人間観察でした。
おわり