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市民育成プログラムの展開プロセスに「地域性」をどう埋め込むか?

こんにちは、斎です。

今日もPIECESについてのお話です。
そこで、本題に入る前に一つだけ・・・

多くの方に応援・ご支援いただいたクラウドファンディングですが、本当にありがたいことにネクストゴールの250万円を見事達成しました!

今日の話の中心でもある育成プログラムの他地域展開が、これにより幸先よくスタートできます。応援・ご支援いただいた皆さま、本当にありがとうございます!

他地域展開を水戸から始める理由

さて、前回のnoteでは、PIECESが育成プログラムを他地域に展開していくにあたって、「なぜ水戸から始めるのか?」ということについて書きました。その理由の一つは、この取組を全国に広げるにあたっては、現地のどんな団体(事業者)とパートナーを組むのかが重要であること。そして今回、NPO法人セカンドリーグ茨城さんというパートナーと巡り会えたことについて触れました。

今日書くのはそのもう一つの理由についてです。

異なる地域特性

水戸から始める2つ目の理由は、東京などの都市部とは異なる地域特性を有しているという点が挙げられます。

PIECESが取組む「子どもの日常を支える人の不在」という課題は、東京や水戸に限ったことではなく、全国的な課題であると捉えています。これまで都内で行ってきた育成プログラムを他の地域で行っていくのはそのためです。

この他地域展開のプロセスで重要なのは、「プログラムの汎用性」と「プログラム設計ツールの汎用性」をいかに検証していくかという部分にあります。当然、各地域に応じて柔軟にカスタマイズしていくことが大前提。その際に、特にプログラムの設計段階において、地域のニーズやキャパシティを評価する地域アセスメントのツールや、そのアセスメントから導き出された仮説と実際の打ち手となるプログラム内容とが適切なつながりを帯びているのかを検証していく必要があります。

これらを検証していく上で、これまで取り組んできた都内の実情といくつかの共通点を持ちながらも、異なる地域特性を有することが、汎用性を検証する最初の地域には求められました。

その点において、水戸地域には適切な「地域性」を見出すことができます。
そのすべてをここで列挙することはできませんが、今回は「人口規模」と「関心層」という2点について触れてみたいと思います。


◆人口規模

水戸市の人口は約27万人。
東京23区でいえば、目黒区(27万6千人)、墨田区(26万8千人)とほぼ同じ規模です。また、これまでPIECESが主なフィールドとしてきた豊島区(28万7千人)もほぼ同水準といえます。
※各地域の人口は、いずれも2018年現在。

一方で、全国の県庁所在地における人口を高い順に並べてみると、水戸市は47都道府県のうち39番目に位置します。
もちろん、県庁所在地となる地域だけでプログラムを実施していくわけではありません。ですが、今後様々な人口規模の地域に展開していくことを考えると、規模感にある程度のイメージを持つことができ、かつ人口の密集具合や、社会資源の偏り具合などが、いわゆる大都市とは異なることが考えられます。


◆関心層

関心層、つまり育成プログラムを実施することを打ち出したときに、相対的にどのような方々が関心を持ちやすいのかということです。

これまで3年にわたって都内で実施してきた中では、世代でいうと20代~30代が説明会への参加・実際のエントリー共に大半を占めました。学生と社会人がおよそ半々くらいの割合です。

一方で、昨年末にセカンドリーグ茨城さんに招いていただいて水戸市内で実施した講演会では、30代~50代くらいの層の方々が比較的多かったようです。
現在まさに、今期のプログラム実施に向けて説明会を行い、応募エントリーを受け付けているところですが、ここでもやはり30代~40代がボリュームゾーンとなっています。

子どもたちとのかかわりを考えた際には、年齢が近いことで関係を築きやすいということはあるかもしれません。しかし、自身の子育てや仕事を通じて、子どもたちの“いま”の姿を見る中で「何とかしたい」「何かできるんじゃないか」という強い気持ちを持った方々のエネルギーは、地域における大事なキャパシティであると考えています。

プログラムに参加するメンバーの年齢や経験にバラつきが生じるということは、チームビルディングやリフレクションの設計に工夫が加わることになり、汎用性に関する仮説検証がここでも行われることになります。

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前回に続いて今回も、PIECESが取組む育成プログラムの他地域展開がなぜ水戸から始めるのか、というニッチすぎるテーマでお届けしてきました。

SNSやメルマガなど、組織としての情報発信はどうしても場面場面を切り取った形になってしまって、運営するメンバーの意図や葛藤などは伝えにくいものでもあります。なので、このnoteではこれからも、組織としての情報発信とは違った切り口で、事業活動や組織運営のことについて書いていきたいと思います。

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Sai
読んでいただきありがとうございます。子どものウェルビーイングのために事業を行う「認定NPO法人PIECES」の事務局長をしています。いただいたサポートはNPOの活動資金にさせていただきます。