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【のりたま物語】 のりたま、かけたら 四ふり目
この物語は、主人公の のりたまくん の日常を描いているフィクションです。
公園で、小学校低学年くらいの男の子が泣いている。
男の子「うわぁーん。えーん。」
そこに、のりたまくんがたまたま通りかかった。
のりたま「ん?どうしたの?」
男の子「…誰?」
男の子は不審に思っている。
のりたま「秘密だよ。」
何ちゅう返しだ。
男の子「えええー!うわぁーん!えーん!」
そりゃそうだろ。
のりたま「分かった!何で泣いているかが、おじさんには分かってしまったよ!」
男の子「え?なんで?」
のりたま「泣いている理由はぁ〜。お昼ごはんに、『丸美屋ののりたま』がかかっていなかったからでしょ!?」
何でそうなるんだ。
ヒント無しで、その答えはおかしいだろ。
男の子「………うわぁーーん!うわぁーん!えーん!」
ほら、子供がパニックになったじゃん。
のりたまくん、早く謝りなさい。
男の子「凄いよぉーー!当たってるよぉー!!」
!!!え?
のりたまくんの顔を確認すると、目をまんまるにして動きが止まっている!
自分でビックリしてんのかい!!!
男の子「ん?おじさん?当たってるよ?」
のりたま「………でしょ?」
嘘つけ!!!
男の子「おじさん、今、ビックリして…」
のりたま「してない!…よ。」
誤魔化すの優先して、怒鳴るんじゃないよ。
男の子が、震えている。
ほらぁ〜。
男の子「違うんだね。分かった。」
キミ、かなりタフだね。
のりたま「もちのろんだよ。」
古っ。
男の子「それで、何で分かったの?ごはんに『丸美屋ののりたま』がかかって無かったって。」
のりたま「それはぁー。あのー…顔を見たら分かるよ!のりたまを食べると、ちょっとだけ、顔色が明るくなるっていうか…たまご色になるっていうか!ていうか!個人差があります!」
怖っ
完全に狂ってるやん。
男の子「やっぱり…。」
え!?知ってたの?
男の子「最近、うちの『丸美屋ののりたま』が、違う『のりたま』のことがあるんだ。」
のりたま「違う『のりたま』…。」
男の子「素人には分からないかも知れないんだけど、僕には分かるんだ!たまごのバランスが違うんだよ!あれは、違う会社の『のりたま』だよ!許せないよね!」
のりたま「少年………こぉーわっ!怖っ!こだわり強くて引くんですけどぉ〜!」
オマエだけは味方につかんかい!
男の子「へ?」
のりたま「あ、いや、すまない。…それはいけないね!ボクも『のりたま』は『丸美屋ののりたま』以外買わないよ。」
男の子「そうだよね!分かってくれるんだ!」
のりたま「あぁ!もちろんだよ!だって、あれだけだよね。あの、その、のりたまの中でも…えーっと、『のり』が『たま』してるっていうか、なんか、そんな感じなのは…ね!」
男の子「ちょっと何言ってんのか分かんない。」
のりたま「今のはボクも分かんない。」
ホラーやん。
こんなもんサスペンスや。
のりたま「でも、どうする?どうしたら、満足できる?」
男の子「うーん。そりゃあ、やっぱり、『丸美屋ののりたま』をかけたごはんを食べたい。それだけだよ。」
随分とシンプルだね。
簡単に解決できるんじゃない?
のりたま「そうか。じゃあ、食べる?おじさんのウチが直ぐそこだから、それだけ食べて直ぐに帰りなよ。」
男の子「いいの!?」
のりたま「あぁ。いいよ!おじさん『丸美屋ののりたま』が大好きだからね、キミみたいな少年に出会えて嬉しいよ!むしろ、ご馳走させてくれ!」
男の子「おじさん、ありがとう!」
おぉ、なんだか、良いことしたね!
のりたまくん、偉いぞ!
のりたま「じゃあ、行こうか!」
男の子「うん!」
てくてく てくてく
二人は、のりたまくんの家に歩いて行った。
サササ
電信柱の影から、サングラスとハットを被った、怪しい人がその様子を見ていた。
のりたまくんの家に着いた二人。
小さなアパートの2階だった。
のりたまくんは、早速ごはんを炊き始めた。
男の子「窓開けて良い?」
のりたま「まぁ、いいけど。」
男の子「ありがとう。」
しばらくして、ごはんが炊けた。
炊きたての白ごはんをお茶碗によそって、たっぷり『丸美屋ののりたま』をかけて男の子に出してあげた。
のりたま「よし!食べてよ!美味しいよ!」
男の子「ありがとう!」
男の子は、がっついた。
バクバク食べて、おかわりもした。
男の子「おかわりぃ!」
のりたま「いいねぇ!はいよ!」
三杯目を食べた頃、何やら遠くから聞こえてきた。
男の子「ん?」
のりたま「どうしたの?」
男の子「いや、なにか聞こえるなぁ。と思って。」
のりたま「え?そう?…」
よーく、聞いてみるとサイレンだ。
こっちに近づいてくる。
……。
止まった。
のりたま「なんだろね。」
ピンポーン。
男の子「え?ここ?」
のりたま「……。はーい。」
ガチャ。
警察官「あのー。誘拐の通報があったのですが。」
のりたま「誘拐ですか?大変ですね。ねぇー!ねぇー!誘拐があったんだって!何か知ってる?」
のりたまくんは、男の子に聞いた。
男の子「んー。僕じゃない?」
のりたま「なるほどね。僕ね。え!?僕!?」
警察官「だろうね。だって、君の子供じゃないだろ?」
のりたま「はい!違います!あ!そうなっちゃいます!?」
警察官「まぁ、そうなっちゃいます。」
男の子「ご苦労様ですぅー。パトカーでお家までお願いしますー。あー、怖かったー。ゲプっ。」
のりたま「食べ過ぎてゲップ出てるやん。あれ?違うって言ってくれないの?」
男の子「言うわけないじゃん。誘拐なんだから。」
警察官「はい。それじゃあ手錠をしますよー。」
のりたまくんは警察官に手錠をかけられた。
そのまま連れられていく。
のりたま「え?なんで?え?」
警察官「キミもね、知らない人に着いていっちゃダメだよ。ところで、お名前は?」
男の子「僕の名前は…のりたまだよ。」
のりたま「な!?ボクものりたまだよ!キミもそうなの!?」
警察官「ん?二人とも、同じ名前なの?あれ?のりたま?あー!オマエ、確か駅でのりたまのことを演説してたやつか!話題になってたぞ!」
のりたま「そうなんですか!?のりたま、買ってください!」
警察官「え!?あ、あぁ、買う買う。」
小さいのりたま「やめろぉぉぉぉぉぉ!」
シーーーーン。と静まり返った。
警察官「ど、どうした?」
小さいのりたま「僕がのりたまなんだよ!コイツは偽物!僕の方がのりたまを好きなの!コイツは誘拐犯なんだから、サッサと連れて行けよ!」
警察官「あ、あぁ。そうだな。じゃ、行くぞ。」
のりたまくんは、警察に誘拐犯として捕まった。
のりたま、かけたら
四ふり目 完食
#のりたま怪奇譚 #のりたま愛が止まらない #予想外の展開にびっくり #のりたま事件簿
エンディングテーマ
KeepWalking
のりたま
作詞 のりたま
作曲 のりたま