![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/148743912/rectangle_large_type_2_571bf8cfe694114a05725a72ecfb605d.png?width=1200)
のりたま物語 かごんまのやま 第五話
この物語は、フィクションです。
入院生活も6ヶ月が過ぎた。
のりたま は左足にギブスをして、松葉杖を突いていた。
のりたま「オラオラ〜。」
看護師「のりたま くん、いよいよ退院ね。」
のりたま「え?そうなの?残念。」
看護師「残念じゃないよ!まったく!早く荷物まとめなさい!あ、いや、もう、私がまとめる!お母さん来る前に綺麗にまとめる!早く出て行ってほしいからね!」
のりたま「え?いいの?やったー。」
看護師「せいせいするわ!」
のりたま「ありがとう!」
看護師「じゃあ、また、あとでね!大人しくしときなよ!言っても無駄だけどね!」
のりたま「うん!分かった!」
スタスタ…
看護師(ん?今、ありがとうって言ったな。なんだよ。まったく…。)
退院の時間。
母が迎えに来て、のりたま は退院して行った。
看護師「もう戻ってきちゃダメだよー!」
母(出所か!)
それだけモンスターだったということだろう。
家に着いてから、のりたま はやろうと決めていたことがあった。
のりたま「ちょっとお散歩してくる!」
のりたま は、母の返事も待たずに外に出た。
近所だし、良いと思ったのだ。
母「あ!今度轢(ひ)かれるときは、分かってるわね!…あら…もういない…」
T字路の先の大通りを渡ったところ…着いた。
南さんの家だ。
南さんの家のずっと先の方には、桜島がそびえ立っている。
ピンポーン。ピンポーン。
のりたま「ピンポーン!南さーん!退院できたよー!もう大丈夫だよー!」
…
のりたま(あれ?なんか、誰もいないというか…)
いつの間にか後ろに母がいた。
母「引っ越したよ。…南さんなら引っ越したよ。」
のりたま「えー!そうなんだ!退院したから、大丈夫だよー!って言いたかったのに。」
母「何言ってんの!向こうは、そんなの喜ばないよ。もう、南さんのことは忘れなさい。あんた、迷惑かけすぎ。」
のりたま(?よく分かんないな。)
のりたま「南さんに、もう退院したから大丈夫だよって、電話で連絡しといてよ。」
母「連絡先も告げづに引っ越したんだよ!あんたや私達とはもう関わりたくないってことよ!今、忘れろって言ったばっかりなのに、本当に馬鹿だね!」
のりたま(…なにを怒ってんのかな。んー。)
違和感を感じながら退院の日は終わった。
エンディングテーマ
KeepWalking
かごんまのやま(2024 Remastering)
作詞 のりたま
作曲 のりたま