2013/1/10 のりたま物語 西田敏行さん、ほっしゃんさんと出会った日
2013/1/10の出来事を2021/9/6に思い出しながら書いたものです。
2013/1/10 気持ちの良い目覚め。
それもそのはず、今日はS先生に会える日だ。
S先生とは、ボクがリーマンショックで無職になり、ファイナルシャルプランナーの勉強をするために職業訓練学校に通っていたときの先生だ。
2010/10/15 ボクはその先生からの紹介で、ある第二地方銀行に派遣社員として勤め始めた。
それから2年と少し経った2013/1/1。
ボクは派遣社員から銀行の直接雇用である契約社員になったのだ。
今日はそのお祝いを兼ねて、先生がお住まいの下北沢で2人で飲むことになっている。
いつものように仕事を終わらせて、職場の西新宿から下北沢へ急ぐ。
ひさしぶりに会えた先生は、以前と変わらず力強い握手で迎えてくれた。
一軒目から しこたま飲んで、これでもか!とお祝いしてくれた。
本当にありがたかった。
最高に嬉しい気分で自宅がある世田谷区の大蔵に帰ろうかと思ったが、今日はそうはいかない。
先生「サコちゃん!もう一軒、付き合ってくれない?」
ボク「その言葉、待ってましたよ!」
先生が連れて行ってくれた先は、"うちわ"という小さなスナックだった。
ボクはスナックに行ったことがほとんどなく、少し抵抗があったが入ってみると家族経営のアットホームなお店で直ぐに馴染んだ。
お店を営んでいるのは、さちこママと娘さんのひとみさん、お料理は主に息子さんが作ったものを持ってきて提供してくれている。
お料理の専門学校を卒業されていて、流石の腕前。とにかく美味い。
さちこママとひとみさんに、ボクが先生にお世話になったことを話していた時に事件が起きた。
ちゃりちゃりーん(スナックのドアが開く音)
男の人1「こんばんはー。西田敏行と申しまーす。2人なんですけどよろしいですかー。」
男の人2「え?言っちゃうんですね?いいんですか?」
さちこママ「あ、あぁ、どうぞ、奥のテーブルにぃ。」
ボクと先生に、
さちこママ「…え?モノマネの人かしらね?」
ボクと先生「………嘘でしょ…ママ…本物だよ。西田敏行さんだ。」
さちこママ、ひとみさん、先生、ボク
「えええええええええ!!!!!」
西田敏行さん「そうですよー。本物ですよー。今日はね。ほっしゃんとお話ししたくてね。来たんですよー。」
なんだこの展開は…。
え?ということは、隣にいるのは"ほっしゃん"ってこと?
西田敏行さんの隣に座っている男の人は、ほっしゃんさんだった。
ほっしゃんさんは、だいぶ緊張されている様子で、口数も少ないように感じた。
さちこママ「あ、あ、あの、サ、サインをお願いしたりしても大丈夫ですか?」
ボク(ですよね!欲しいよね!でも、プライベートで飲みに来てる時に、いきなりそんなこと聞いても大丈夫なのー!?)
西田敏行さん以外、全員ソワソワしている。
西田敏行さん「もちろん良いですよー。みなさんのぶん書きますよー。」
な、なんだ!このお方は!なんて言ったらいいんだ!こういうとき!えーっと!えーっと!
ボク「優しいっ!」
おい!そのままじゃないか!まぁいい。この光景を目に焼きつけるんや!
西田敏行さんとほっしゃんさんがお酒を飲み始めて少ししたころ、
西田敏行さん「そちらのお二人は、よくいらっしゃるのですか?」
先生!ボクらに西田敏行さんが話しかけてくれてますよ!
先生「まぁ…この辺に住んでるんでね…」
おい!話が終わってしまうでしょーが!今日、ボクのお祝いよね?それ、なんで言わないの?
先生「それと、今日はこの子のお祝いでもあるんです。派遣社員で銀行に勤めてたのですが、1月1日に正式に銀行員になったんです。だから2人で飲もうかって。」
ナーイス!これだから先生好きだわー!
西田敏行さん「あらー。それはおめでたいですねー!おめでとうございます!嬉しいなぁー。こういう話が聞けるのはー。」
ボク「ありがとうございます!まさかこんな日になるなんて!ボクもホントに嬉しいです!」
西田敏行さん「なんか、歌を聴きたいですねー。何か歌ってくれますか?」
あたす?あたすに言ってますぅ?あたす、「もしもピアノが弾けたなら」の西田敏行さんの前で歌うの?
ボク「西田さんが知らない曲かも知れませんが、歌わせていただきます!」
ボクはMr.ChildrenのHEROを歌った。
ほっしゃんさん「うわ、なんか上手いですね!声も大きいし!いいですねー!」
西田敏行さん「いや、ホントに上手ですよ。君、いいねー。一緒に飲みましょうよ。」
なにー!たった今、ボクはHEROになりましたー!
西田敏行さんの隣に行こうとするボクに先生が小声で、
先生「サコちゃん。もし言えそうだったら、『もしもピアノが弾けたなら』を歌ってほしいって言ってもらえるかな。」
ボク「分かりました!言ってみます!」
西田敏行さんとほっしゃんさんの間に座ってお酒を飲むことに。最高だ。
ボク「あ、あのー。あとで写真を撮ってもらえますか?ダメなら全然良いんです!」
西田敏行さん「もちろん良いですよ。写真もたくさん撮りましょうね。」
ボク「え!良いんですか!やった!」
西田敏行さん「良いですよ。写真撮ってネットに上げてくれても良いですよ。私はね。人に観てもらうのが仕事ですから。ネットでもなんでもどんどん載せてくれて良いですよ。」
ほっしゃんさん「…すごすぎる。」
ボク「か、神様だ。…ワガママついでにお願いがあるのですが。『もしもピアノが弾けたなら』を歌っていただけませんか?」
西田敏行さん「えぇえぇ。歌いましょう。お祝いも兼ねて何曲か歌いましょう。」
お店の中の全員が感動。
うわー。完全に神様だ。生きてるタイプの神様っているんだー。
と、みんな放心状態。
ちょうどこの頃、西田敏行さんの娘さんも合流。
なんでも、この近くに住んでいるとのこと。
なんだか今日は盛り沢山すぎて、脳みそがついていかないぞー。
しばらくみんなでご飯を食べたり、写真を撮ったりサインを書いてもらったりして過ごす。
そして、いよいよ西田敏行さんが歌ってくれる!
ボク「動画で撮ってもいいでしょうか?」
西田敏行さん「もちろん!」
マイウェイなど何曲か歌ってくれたあと、最後に「もしもピアノが弾けたなら」
全員感動。
もう死んでもいい。
でも死にたくない。
西田敏行さん「じゃあね。楽しかったですよ。本当にね…」
とお話ししているところに音楽が…
ボク(え?なに?なに?もう終わりでしょ?)
先生「サコちゃん、歌って歌って。」
ボク「え、え、えーーーー!(ヤケクソだー!)…ガッツだぜ!パワーフルー魂ぃー!」
ほっしゃんさん「ええええー!!!西田敏行さんの『もしもピアノが弾けたなら』のあとに『ガッツだぜ』ぇーーー!?こわーーーー!」
終わった…
良い一日でした…
なんか…最後…申し訳ございません…
タクシーに乗り込む西田敏行さんとほっしゃんさんをお見送り。
こうしてボクの奇跡の一日は終わったのでした。