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【弓道】錬士に合格しました【名古屋】
先日名古屋で実施された錬士の中央審査会を受審しました。
今回はその審査でのことを備忘録的に書きたいと思います。
今後名古屋で審査を受ける方や錬士審査を受ける方の参考になるように書きますので、そういった方の参考になれば嬉しいです。
質問等あればコメント欄を開放していますので、そちらにどうぞ。
審査について
会場のこと
まず今回受けた審査は「【東海地区】錬士臨時中央審査会」で、会場は日本ガイシスポーツプラザ弓道場です。近的射場、遠的射場が併設されている県内で最も大きい弓道場で、入り口前に駐車場も完備されています(前払い500円、キャッシュレス未対応)。近的射場を第一、第二射場に分け、遠的射場に仮設安土を立てて第三射場とし、合計3射場での実施でした。
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控え室は弓道場とは別の宿泊棟という建物の2階にある大部屋が確保されていました。この大部屋ですが、人が増えてくると足の踏み場が無くなるほど混み合うため考えものです。更衣室は控え室と別に用意されており、弓道場内の更衣室を利用可能となっていました。混み合っているときはこちらを利用するのが良いと思います。
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この会場で注意が必要なのは雨天時でしょう。控え室と弓道場が離れているため移動時には一度外に出る必要があり、その際屋根がない場所を通ります。雨のときには雨具が必須です。また巻藁についても同様で、外に3台設置されていましたがこちらも屋根がないため雨の際には利用できません。巻藁をせずに最初から当てられるよう日々の稽古で調整する必要があるかもしれません。
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話を弓道場に戻します。
弓道場のある建物内では第四控えまで待機する運営方法をとっていました。控え場所ではストーブが焚かれており真冬でしたが待っている間も快適でした。クーラーがあるかどうかは未確認です(ご存じの方いれば情報提供お願いします!)。
入退場は扉からではなく、道場内に引かれた白線を基に行ないます。この白線の存在を忘れて退場してしまう方が後を絶たないようですので注意しましょう。礼(揖)をしてから五歩まで歩いて曲がり、自分の立ち位置で曲がり三歩歩き四歩締めが丁度よいです。第一射場の落の退場時、近的射場を隔てるパーテーションはかなり余裕をもって設置されているため、後退時にぶつかる心配はないでしょう。床は滑りすぎず、滑らなさすぎず。程よい状態でした。
錬士の審査について
錬士の審査は一次審査、面接、二次審査があり(学科審査がレポート課題の場合)、一次審査を通過した者のみ面接と二次審査を受けます。
一次審査
↓
一次審査通過者発表
↓
面接
↓
二次審査
という流れです。
一次審査は一手坐射、二次審査は持的射礼です。面接については私のときは1対1ないしは2対1(審査員が2)で行われ、一人当たり大体3~5分程度の短いものです。
~面接~
私が受けたときに行なったことや問答を以下に書きます(誤ってる可能性が十分にあるため、普段師事している方等によく確認することを推奨します)。
・自分の番になると運営の方に呼ばれるため、入場。
・「失礼します。」と声をかけ左足から入場し国旗に揖をする。
・自分が座る椅子の下座側に向かって一直線に歩いていく。
・椅子の下座側についたら審査員に受審番号と氏名を伝える。
・審査員の合図で「失礼します。」と断りを入れてから着席する。このとき椅子が倒れないように椅子の背を軽く押さえながら着席するとよいとされています(弓道教本第一巻より)
・椅子になるべく深く腰掛け、両手は指先を広げず、軽く曲がるようにふんわりとさせて脚の付け根に置き、指先を両膝を結ぶ線の真ん中あたりに向くようにする。
私のときは終始和やかな雰囲気で行われました。質問内容は、
①普段は週に何回ほど練習するか?
②弓を他の人に教えることはあるか?
③弓を教えるときに最も気を付けていることは何か?
④持的射礼の練習はしてきたか?
⑤持的射礼の間合いを3つ答えてください。
の5つでした。
・質問が終わると面接終了の旨を告げられるので、お礼を言って椅子の背を押さえながら下座側に立ち上がり「失礼します。」とあいさつをして退場口に一直線に向かい退場する。
~二次審査に向けて~
面接が終わると程なくして集合がかかり、持的射礼の間合いが発表されます。その後二次審査の開始時間が告げられ、その時間までに位取りを済ませるように指示を受けました。位取り(くらいどり)とは一緒に射礼をする方々と話し合いながら、定めの座までの歩数などを確認することです。先日の審査では15分ほどしか時間がありませんでしたので、面接が終わった後に話をしておおよその歩数や歩いてるときの人と人の間の間隔など話し合っておくことで、位取りの時間に慌てることなくスムーズに進めることができました。中央審査会は全国各地から様々な方が来られるため、こういった場であらゆる動きについて共通の認識を持つことがとても大切です。特に身体の大きな方と小さな方が同じ立になった場合など、位取りやその前の時間で動きを確認しておくことが射礼を成功させる秘訣です。
~合格率について~
これはあまり意味のない話ですが、受審者数と合格者数から計算しました。
受審者数:572名(欠席者含む)
一次通過者数:33名
一次通過率:約5.8%
合格者数:17名
合格率:約3.0%
受審者数には欠席した方も含んでいるため実際の一次通過率、合格率は微増します。
一次通過をした方の半分程度が合格という結果になりました。
ちなみに、私と同じ立だった方々は4名中3名が片矢、1名が白中でしたが片矢の方々は全員合格されていました。少なくとも1本は的中させなければ合格は難しいのかもしれません。
審査を受けた感想
ここからは私の話です。
昨年の9月に錬士審査を初めて受審したので、今回は2回目でした。前回は本座で揖をしてから肌脱ぎをするために開き足で脇正面に向く際、弓を起こし忘れ(肌脱ぎすることを失念していた)たため激しく動揺し、1本しか当たらず一次審査にて不合格となりました。今回はそのようなミスを犯すことなく無事に束中することができたため、一次審査は通過することができました。この一次審査で束中できるかどうかが合格のカギだと思っていただけに、通過したとわかったときにはとても安堵しました。
面接は色々な方に対策法をご教授いただいていたのでそれほど不安はありませんでした。どんな雰囲気でどんな質問が来るのかやや不安ではありましたが、昔からそれほど苦手意識はなかったため程よい緊張感で受けられました。二次審査の持的射礼についてもみっちりご指導いただく機会がありましたので、とにかくミスをしなければ大丈夫と思っていました。また私は二次審査では大前でしたので、息合いに気を付けて動けば周りに過度に合わせる必要がないため比較的楽に受けられると思っていました。そう思って油断していたのです。
二次審査は主観的に見てほとんどミスなく進められていたのですが、甲矢を引き終えてから大失態を犯します。甲矢を的の10時方向にわずかに外してしまった私はどうすれば当てられたか考えてしまいます。そのせいで本座に戻らなければならないところを、なんとただ足踏みを閉じてしまったのです。初めは審査員の見る目というか、雰囲気が変わったのをなんとなく感じ取ったのですが、自分が間違っていることに気づきハッとしました。すぐさまもう一度足をすぐに開き本座に戻る動作をやり直しましたが、的正面に向いたときの視界に入った二的の方の戸惑った様子は今でも忘れられません・・・。こんなミスは練習中に一度も犯したことはなかっただけに大変ショックでした。私の奇妙な動きのせいか、同じ立の4人は甲矢を全員外していました。本当に申し訳ございません・・・。
乙矢は何とか的中させたのですが、「持的射礼でミスしたら合格は厳しいと思うよ」という某教士の方の話を覚えていたので、帰り道はお通夜でした。妻に片道380kmの道のりのほとんど運転してもらい、大きな負担をかけてしまいました。運転ありがとうございました。
翌日、鬱々とした気持ちで仕事をして何とか気を取り直して今日も練習行くぞ!と思っていたところに同じ支部の方から合格おめでとうのご連絡が。手放しでは喜べなかったのですが、合格していて本当によかった。
最後に
今回の審査、実は当初受ける予定はありませんでした。しかし前回の審査が終わった直後、妻からの提案でこの審査を受けることになりました(受審の決意が固まる前に宿を予約してくれた)。何度もnoteに妻への謝辞を書いてきましたが、今回の合格の立役者は間違いなく妻です。毎度毎度ありがとうございます。これからもよろしくお願いいたします、何卒。
こんなミスをしてしまう錬士がいてもいいのかという疑問は残りますが、恐らく「錬士になっても調子に乗るなよ」という審査員の方々からの戒めのお言葉だと思っています。色々な方からお褒めの言葉をいただいたり、大会で結果がよく出ていることから無意識のうちに慢心してしまったことでこのミスが起こってしまったのだと反省しました。元来自己評価が低く自信がない性分だったので、慢心できるまで自信をつけることができたといえば聞こえはいいですが、今後先生と呼ばれる身分になったからにはそのようなことではいけません。的中だけでなく普段の生活や行動で同じ弓道をしている方々の見本とならなければいけないので、今一度自分のことを見つめなおしさらに精進していこうと思います。
次は六段、浜松で受審予定です。より一層気を引き締めて稽古に励みます。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。