我が家の橙酢作り
実家の庭にできる橙をいつも年末に送ってもらっている。
実家の庭にある一本の橙の木には毎年たわわな橙の実をつける。父はだしガラのいりこを、細かく刻んで、庭に肥料として土に混ぜる。水まきも欠かさない。
「生命力にみなぎる植物には虫はつかない、弱った途端に虫がつく」それが父の持論。だから実家の庭の木は全てがものすごい生命力にみなぎっている。葉っぱ持つやつやだ。
その一方で枯れてしまう木もある。
「きっとこの場が合わなかったんだ」と父はいう。
なんとなく人間の世界に似ている。
そんな実家から年末に毎年届く橙。
最初は実家から送られるお餅を大根と和えた橙酢用にお餅と一緒に入っていた。
そのうち私が橙酢をなんとなく作ってみたら美味しかったので、熟成させてみた。そうしたら年々すごく美味しいものになるので、橙を沢山送ってもらうようになって今日に至る。
几帳面な父が詰めた段ボールは1段目に橙がぎっしりと隙間なく埋まっている、その上に実家でついたおもちやお節が入っている。
さて、きょうは今日は橙酢を仕込もう。
橙の汁と同量のお醤油と羅臼昆布と鰹節をたっぷり入れて瓶に詰めるだけ。
後は床下で一年間以上熟成すれば出来上がり。
とてつもなく簡単だ。
今、我が家で使っている橙酢は四年熟成の2019年に作ったもの。深みのある出汁とまろやかな酸味がたまらなく美味しい。
2020年の3年前は張り切って3本分仕込んだので、大瓶にひと瓶分は小瓶に取り出す。
開いた大瓶を熱湯消毒して、今年の分の橙酢を仕込む。今年分は欲を張らずに2リットル瓶一つだけ仕込む。
さぁて今年はどんな風に仕上がるだろうか。