本彼節を最後まで削り切る
#金七商店
#クラシック節
もう何年前になるか、
枕崎へお伺いして工程やこだわりを学ばせていただいた。
これまで、考えたこともなかった、市販に出回る鰹節の存在。昔ながらの工程を知ると、これが市販であの金額で出回ることが不思議になる。
コストを掛けないとはどういうことか?
コストが掛かるとはどういうことか?
改めて深く考える機会になった。
今日も本彼節でお出汁をとる。
前日夜水につけた昆布出汁をそのまま火にかける。
ふつふつしたら昆布を取り出し沸騰させる。
沸騰したら、削りたての本彼節をばっと入れる。
私はそれから3分ふつふつと程よくかつお節が舞う状態で加熱する。
火を止めてしばらく落ち着いてから濾す。
これだけでじわっと旨み溢れる出汁になる。
このお出汁があれば、お料理の腕はいらない。
お出汁だけで美味しい料理に仕上がるのだ。
今日は最後の最後まで削る。
をっと皮も入れてしまった。
最後の本彼節でとる出汁はいつもよりちょっと苦い。
最後の粉々になったいつもより多い本彼節のおかげで濃い出汁になる。
ランチタイムにサッと煮の魚の練り物が、立派なおでんに仕上がった。