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簿記2級取得したあと経理になりたい方に捧げる10のこと

本来であればこの記事は「会計系 Advent Calendar 2024」の17日目のエントリーのはずだったものとなります。
当日に記事をアップする予定でしたが、まさかの当日にインフルエンザに罹患し、その後子供たちがバタバタとインフルエンザに罹患してしまい、最悪な年末進行となってしまったため、まさかの大晦日にアップという失態を犯してしまいました。大変申し訳ありません。

バックオフィスデザイナーというハイパーゼネラリストを自称している私は名だたる公認会計士や税理士の先生方のようなことは書けないので、以前Xにポストしたこちらを掘り下げて書いてみようと思います。
キャリアチェンジして、2025年から経理という会計職に就こうと思っている方の一助になれば幸いです。

  1. 証憑を見て取引の活動として何が起こっているのか想像できるようになろう。
    実務は日商簿記の問題のように何もかもが指定されているわけではありません。証憑(エビデンスとも言います)を見て、日商簿記の問題で問われていることを想像できるようになりましょう。仕訳の正否の前に経理という職業は「ビジネスの中で行われている取引を簿記というもので正しく表現」できるようにならなければいけないわけです。仕訳を学ぶのもとても大事なことですが、まずは自分の会社、その会社がどんなビジネスを行っていてその取引はどのような証憑で仕訳が記帳されているのか想像し、理解できるようになりましょう。

  2. 仕訳には取引のストーリーがあることを理解しておこう。
    実務では簿記の問題のように点だけの処理というものはありません。ビジネスの流れの中で会計処理が行われているので、先月にはこのようなことがあり、今月にはこのようなことがあるいうことがたくさんあります。仕訳として計上できるようになったら、仕訳は点ではなく線で理解できるようになりましょう。

  3. 上司や先輩が説明してくれなくても絶対に全体感や全体のお金の流れや全体の業務フローを細かく聞いて理解できるように努めよう。
    当然社内の業務もあるはずです。最初はみんな初心者です。たとえ解像度が低くても全体感をインプットしておけばいつか自分がやっている点の作業が線となる時が来ます。そしてそれが仕訳でつながるようになると解像度と理解度は当初より遥かに深まることでしょう。

  4. 経理で計上したこととお金の流れは別物ということを理解しよう。
    経理での計上とお金の流れは別です。経理の計上とお金の流れのタイムラインが想像できるようになりましょう。

  5. 実は実務で意外と役に立つのは工業簿記で習ったこと。
    製造原価と売上原価の違いや勘定科目や計上の流れなどはソフトウェアの計上だったり、ソフトウェア開発を受託をしているような企業でも使う。工業簿記で学習したようなことは製造業だけではないから学んだことを自分の糧にして、問題の解き方ではなく本質を改めて理解しておきましょう。

  6. 日本語で自分が行った仕訳(または一連の会計処理)が説明できるようになろう。
    なぜBSのこの数字になるのか、あるべき数字はなぜその数字になるのか、あるべき数字との差異はなぜ発生しているのか、上司、先輩、監査法人など日本語で会計処理を説明する機会はあなたが思っている以上に多いです。仕訳見ればわかるでしょ、なんて世界ではないです。

  7. 内部統制という難しい言葉ではなく、不正が行われない仕組みってどういうことだろう、とイメージしておこう。
    本人にそのつもりがなくても内部統制上エラーになり、不正のように見える可能性もある。また通常のオペレーションとは違うイレギュラーなオペレーションはどのような時に発生するのか、不正が行われるということがどういうことなのか、だけでもイメージしておきましょう。また常に物事を疑う気持ちを忘れずに。なぜかと言うと、例えば立替経費の精算を間違えようと思って提出する方やわざと間違えて経理を困らせてやろうという方は基本的に世の中にはいないわけです。という前提に立つとチェックをする際に「多分間違っていないよね?」となりがちです。常に疑う気持ちを持つことでチェック時に役に立ちます。

  8. 表計算ソフトを一通り使えるようになろう。
    Excelでもスプレッドシートでもいい。ローデータからlookup関数で集計できたり、ピボットテーブルで分析する、ということができるようになるともっといいです。今はWEBサイトだけじゃなくてYoutubeでも勉強できます。あるべき数字を集計したり、あるべき数字との差異要因を追求するためだったり、表計算ソフトは一通り使えるようにならないと難しいです。

  9. 経理は仕訳を会計ソフトに入力するのが仕事ではない、ことを十分に理解しよう。
    仕訳を会計ソフトに正しく入力するための正しい材料をありとあらゆるところから集め整理するのが経理の仕事の一つ。段取り八分な仕事であることを理解しておきましょう。材料を集めて、それを生成AIが処理するのが当たり前になる時代はもうすぐそこです。

  10. 経理で必要なスキルは簿記や会計基準等を理解することよりもその他のスキルを磨くことで全体的な経理スキルが上がることを覚えておこう。
    会計基準を理解する、税法を理解する、新しいことをキャッチアップする、どれも経理職としては非常に大事なことではありますが、経理職としてスキルアップを目指すのなら、その他のITの知識、スキルだったり、物事を整理するスキルだったりも必要です。キャリアを重ねれば重ねるほど他のスキルを身に着けていかないといけない職業なので、引き続き自己研鑽を続けてください。

最後に

経理職という職業は最高にクリエイティブで最高に面白い職業です。簿記2級に合格したことによって、この職業に興味を持たれたこと、この職業にチャレンジしてみようと思われた方の一助になれば幸いです。


Xでコーポレート部門についてつぶやいています。よろしければフォローをお願いします。https://x.com/y_otsu


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