画質について思っていること(作品作りとして写真を制作する場合)
※全編無料です
フルサイズミラーレスが一般的になり、いとも簡単に高画素機を得られるようになった現代。何万画素という数字で表せる画質の指標は、「画質」や「ボケの味」のように数字で表せない指標に比べて分かりやすいので、ついつい追いかけてしまいがちです。私自身も画質の良いカメラを求めて機材投資してきたところはあります。ただ、今の私個人の認識では、良い写真=画質が良い写真とは限らないので、画質はそこまで重視しなくて良いかなと思うようになりました。
そう考えた経緯ですが、まず、ギャラリー展示で素晴らしいと思った展示作品でも、近寄ると高画質ではないことがしばしばあることに気づきました。A2やA1の周辺までカリカリに描写された高画質の作品ももちろんありますが、A3くらいの大きさなのに近寄るとなんか画質が荒れている、なんて作品も少なくありません。じゃあ画質が荒れていたからその写真は良い写真から陥落するか?と言うと、それはNoなのです。
他の写真を撮っている方や展示を見に来てくれた方ともこの辺りの話を話したことがありますが、細かい解像感などを見て作品を鑑賞している人は割合的に少数でした。むしろ、その人がなぜシャッターを切ろうと思ったか、どういう狙いなのか、シンプルに自分の好みか、というような目線で見る人の方が多かったように思います。
かつては写真を綺麗に高画質で撮ること自体、技能面、費用面とも難易度が高かったため、適正露出で高解像な写真を作成することそれ自体に対する憧れが大きかったです。対して、今は便利ズームレベルやキットレンズレベルのレンズでも相当な高画質を出せてしまいますし、露出設定やオートフォーカスの精度も高くなりました。カメラにやってもらえることが増えた分、表現内容や写真の中身、発表の方法など画質以外について考えることが求められているように思います。A0クラスに伸ばさないと分からない画質のことを考えるより、撮影に出かけた方が良い写真撮れる可能性は上がるだろうなと思います。
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