ツチイナゴと福沢諭吉

ツチイナゴ。幼虫は緑色なのに、10月頃に枯れ葉色の成虫になって冬を越す。虫の冬、で思い出すのがイソップ寓話「アリとキリギリス」。「冬に死んでしまうキリギリスに、『蓄えれば良い冬を過ごせますよ。』なんて意味がない。いかにも作り話だ。」と子供時代は思ってました。
 でも、「キリギリス」が本当はツチイナゴだったら、冬を耐え抜く姿を見て作った話になり共感できる。気になってwikiを調べる。
 ところがイソップの本家、古代ギリシャでは「蝉と蟻」だったと書いてあり、拍子抜け。ヨーロッパ北部では蝉は馴染みが無いため、バッタ、コオロギ、トンボに置き換えたバージョンが出来たらしい。セミに「もっと蓄えて良い冬を!」と説くのは悪徳保険会社ですよ、イソップさん..。
 ちなみに、あの福沢諭吉は「蟻と螽(いなご)」と紹介したそう。そもそもイナゴを螽と書くとは知りませんでした。イナゴと言われて我々が思い出す緑色の彼らは冬を越さない。螽と書いた時点でツチイナゴでは?と思ってしまう。翻訳する福沢さん、子供時代に大分で見た冬を耐えるツチイナゴを思い出していたのでは、と想像すると楽しい。2023年11月3日
https://www.noevir-hk.co.jp/magazine/2014/10/post_1122.html

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