不動産投資を始める前に300万円失おうとしている話
今、羽田空港から伊丹空港に向かう飛行機に乗っている。空は曇り、まるで自分の心の中のように光が差し込んでこない。
不動産投資をしようとし、1K8戸の築古一棟アパートを購入直前までいって、何も得ていないのに大金を失おうとしている。自分でも信じ難いがこれが今の僕の状態だ。
今回はまだ大家になれていないのに、不動産投資で転げ落ちそうになっている話をしていくので、不動産投資をしている人、これからしようとしている人は見てほしいし、現役大家さんには助言いただけると助かる。
築29年の一棟アパートの一室で入居者がお亡くなりなった
築29年のアパートを買い付けを入れ、手付金を払った後に一室の入居者が亡くなったとの連絡を受けた。
自分が持っている入居者情報の資料によると平成10年だったので24年も入居している計算となる。もしかするとそれ以前の賃貸契約書類を紛失していてもっと長く入居していたのかもしれない。
物件情報
話は前後してしまうが、どのような物件を買おうとしているのか説明する。
・木造築29年1K8戸
・3200万円
・千葉県
・ローカルな駅、徒歩10分程度(東京駅から電車で60分程度)
・駐車場なし
・表面利回り約10%
・8室中7室入居済み、残り1室は来月より入居予定
詳細は他にもあるがわかりやすく書くとこのような建物だ。
どのような形で亡くなったか不明
2日前に不動産業者から連絡が入り、いつものようなLINEでなかったのでなにか悪い報告があるのだろうと察したが、予想通りというか予想以上に悪い話で終始狼狽して受け答えしたのを覚えている。
現状でわかっているのは入居者が亡くなったという事実だけで、どのように亡くなったのか、いつ亡くなったのか、部屋の状態等々はすべて不明。何も見えていないので実に気持ちが悪い。
契約直前
現在、僕はどのような状態かというと、まだこの一棟アパートを所有に至っていない。
2022年4月末・・・買付
2022年5月半ば・・・金融機関 事前審査
2022年6月頭・・・手付金300万円支払い、売主と契約
2022年6月半ば・・・金融機関 本審査
2022年6月半ば・・・1室にお亡くなりが発覚(←今ここ)
2022年7月頭・・・金消契約
2022年7月半ば・・・引き渡し(予定)
このような流れだ。何もなければこの一棟アパートは引き渡され、大家としての1歩目を踏み出そうとしているところで、告知事項あり物件になろうとしている。
契約破棄すると300万円を失う
不幸中の幸いなのか、まだこの物件が引き渡しされていない。
そのため、本契約は破棄することが可能だ。それには手付け金の300万円を諦めなければならない。(契約破棄できる期限が6/30までと決まっている)
この300万円は僕にとっては大きなお金であるのもショックだし、仮に契約したとして物件価格3250万円が告知事項ありになり仮に物件価値が3割下がったと考えると実質1000万円の損失になる。そう考えると300万円を捨てて本物件を諦めるのも考えなければならない。
300万円の損失、価格下落と同じくらい気にしているのが一度契約しているのに破棄するのは義理の問題だ。今までよく動いてくれた不動産仲介業者にお金を払うことができず、結果として無償で動いてもらっただけで終わってしまう。
誰も悪くない
売主、不動産管理業者、不動産仲介業者、僕、そして亡くなった方の誰にも罪はないあ。
状況はわからないが亡くなった入居者だって別にその部屋で故意に亡くなったのではなければしょうがない。結果として、亡くなった場所がその部屋だっただけだ。
理解はしたが納得していない
「入居者の死はどこかのタイミング起こり得ることです」
この1件、入居者がお亡くなりになられた件を報告をした不動産仲介業者が僕にいった言葉だった。
事実であるし、頭の中では理解している。初めて買う不動産、それも多額のローンを組むのに資産価値が大きく落ちるのを知って冷静でいられなかった。だんだんと語気が荒くなる僕に不動産仲介営業が黙ってしまい、空気を悪くしてしまった。今振り返ると申し訳ないが、また同じ状況になったら取り乱さずにはいられないだろう。
告知事項ありかはまだわからない
暗いことばかりいっていてもどうしようもないし、告知事項ありかどうかはまだ確定していない。若干だが希望はあると信じたい。
国交省による死の告知のガイドラインによると、病死、自然死で特殊清掃がいらない場合は賃貸、売買時に告知の必要がないらしい。
つまり、ただ空室が1つできただけでミニマムなダメージで済むと言える。
僕としては告知事項なしで買うことを望んでいる。空室が出るのは痛いがそれでも告知事項ありに比べればかすり傷のようなものだ。お亡くなりになられた方と同じ階、もしくは階下の方で空室が出るのも受け入れるつもりだ。
部屋の修繕費用がかからない
不幸中の幸いで、まだ物件が引き渡しされていないため、契約時に空室が出た際、次の方が入居できる部屋の状態にして引き渡ししなければならない特約がついている。
20年以上住んでいて、お亡くなりになられた部屋がキレイである可能性が低いので無償である程度は修繕されるのは助かる。引き渡し後にお亡くなりになられていたのがわかったとしたら自費で修繕しないといけなかったと考えるとかなりの痛手になったに違いない。
売主都合で物件の引き渡しは6月内にするのはできない。7月半ばまでかかるとなっており引き渡しが遅れたので、修繕の負担は免れた。そして、契約解除の猶予ができたと考えると幾分かマシなのかもしれない。
助けてください
大家仲間がいなく、情報を共有できるのが不動産仲介業者のみしかいない。
・告知事項あり→手付金を放棄して物件を諦める
・告知事項なし→売主側に部屋の修繕をしてもらい、その後に引き渡し
のどちらかで行くつもりだが、相談できる人もいないので本件、ご助言いただけると助かります。
そもそも、契約途中で入居者がお亡くなりになられるケースは多々あるものなのか。入居者がお亡くなりになられるかはいつか発生するのでしょうが、まさか物件入手前とはぶち当たるとは考えておらず不安しかないのが現状です。
どうなったの答えがそう遠くないうち、1週間くらいでわかるのでまた報告します。