【コント台本】刑事モノ
【ジャンル】
コント
【想定ネタ時間】
4分
【場所】
家
刑事モノ
明転一人板付き
(家の中でテレビを見ながらブツブツ独り言をするA)
A:こいつが一番怪しいけど、そんな簡単なことあるか?
だとしたら、この女は犯行の時間何してたんだ。アリバイがないはずだぞ?
ってことはコイツも容疑者になるな。
おい、新しいやつが出てきたぞ。急に出てきたやつが犯人ってのは
流石にズルすぎるよな。
一体誰が犯人なんだ?
(B、部屋に入ってくる)
B:お、何見てんの?
A:ん?刑事ドラマ。
B:へー、そんなの見るんだ。
A:うん、普段はあんまり見ないけど。これ面白いって聞いてさ。
B:へー。
A:犯人がマジでわからないんだよね。
(テレビに指差す)この女も怪しいし。
(テレビに指差す)こいつさっき急に出てきてさ。
こうやって、容疑者を増やして、視聴者の目を錯乱させようって手なわけだ。
俺はそんな手には乗らないってーの。
B:刑事ドラマをそんな一生懸命推理しながら見る人初めてだわ。
A:推理系の作品を一番楽しむ方法は、
(テレビに指差す)この刑事よりも早く犯人を見つけることだからね。
B:(しかめっ面でテレビを凝視する)このドラマなんて名前?
A:あー何だっけ?古畑任三郎って言ったかな?
B:・・・・・・・・。
A:誰が犯人だ?
B:古畑の見方間違っているよ。
A:え?
B:古畑を犯人探しながら見る人いないから。
A:何で?
B:最初に人殺すシーンあるじゃん!
A:いや、あのシーンは夢オチって可能性捨てちゃダメでしょ。
B:冒頭が夢オチの刑事ドラマの何が面白いんだ!
A:(テレビ指差す)今んところ面白いじゃん。
B:夢オチじゃねーからだよ!
A:おい!ネタバレすんなよ!
B:ネタバレじゃねーよ!
お前ちゃんと見てたか?
特に理由もなく、古畑、最初からこの犯人に一点賭けだったろ!
A:いや、それがミスリードの可能性も捨てちゃダメだろ!
B:どんだけトラップに引っ掛かりたくないんだよ。
読書歴アガサクリスティーだけか!
A:何でわかったんだよ。
B:合ってんのかよ。
いいか?このドラマは視聴者が「犯人は誰だ?」って推理するドラマじゃなくて、
この古畑が、犯人をどんどん追い詰めていく様子を楽しむドラマなんだよ。
だから、犯人は、今、古畑にめちゃ詰められてるコイツ。わかった?
A:そんなん言われたらもう楽しめないわ。(不貞腐れる)
B:いやいや、面白いから見ろって。
A:もういい。別の見るわ。もう一個面白い刑事モノ教えてもらったから。
よーし、今度は当てるぞー!
B:何だよ、古畑見たかったなー。
A:はい、スタート。
B:(しかめっ面でテレビを凝視する)これなんてドラマ?
A:これ?刑事コロンボ。
B:同じだよ!
暗転