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超福祉展で、超クールな未来との出会い。

この記事は、2017年11月22日に「g.o.a.t」(5月31日でサービス終了)で公開した記事の転載です。



こんにちは。インタビュアー・ライターの佐藤由佳(さとゆか)です。

最近は文字起こしをしすぎて、タイピングがちょっと早くなりました・・笑


少し時間が経ってしまったんですが、11/7-13に渋谷ヒカリエで開催された「超福祉展」に取材兼イベント参加をしてきたので、レポートをしたいと思います。


「超福祉展」とはその名の通り、福祉にまつわるプロダクトの展示と講演会のイベント。渋谷の街に繰り出してのイベントも展開されたようです。


福祉に "超" がつくなんて、違和感しかないなって思ってたんですが

イベント会場に一歩足を踏み入れると「確かに、超福祉だわ・・」って納得しました。

納得の理由は、ブログ最後で。


ここからは、プロダクト展示の感想を書いていきます。

(あ、取材記事の方は、公開されたらTwitterでお知らせしたいと思います!)



まずはこちら。「OTON GLASS」。

以前読んだ記事 で取り上げられていた「OTON GLASS」。まさか、取材先で出会えるとは。

これはディスクレシアという文字を認識するのが難しい障害の方などのために作られた、メガネ。これをかけて文字を見るとカメラが文字を認識して、読み上げてくれる。


実際にかけて、体験してみた。


メガネの左側についてるボタンを押すと

「ポンポンポン・・・」と近未来的な音がする。


しばらくするとスピーカーから

「その視点は誰のものか」と聞こえてきた。(siri風)


おお!!

すごい!!正確に読み取ってる・・・!!


しかも、英語での読み取りもできるそうです。驚きました。


英語でも読み取りができるということは、日本語が読めない外国人の方とかも使えるということですよね。  観光にも応用できそうで、すてきです。


続きましてこちら「アンドハンドプロジェクト」。

右上に写っている「スマートマタニティマーク」をはじめとし、外出時に不安を抱える人と、手助けをしたい人をbeaconデバイスとLINEメッセージでマッチングをします。


一時期、妊婦さんは電車の中でマタニティーマークをつけていると危害を加えられることがあるとかっていうのが話題になりましたよね。このスマートマタニティマークは、それを解決するプロダクト。


妊婦さんが電車の中で立っているのが辛い時にボタンを押してもらって、そこから周囲にいるサポーターに「席に座りたい妊婦さんがいますよ」って通知がいく。


妊婦さんが持っているスマートマタニティマークは押すと光るので、サポーター側辺りを見回して「あ、あの人だ」とわかる。それで声をかけて席譲りマッチング完了。静かに "スマート" に席譲りができるというわけです。


このほかに、聴覚障害者の方向けの卵型beaconデバイスなども。電車の中で遅延に遭遇した時、車内アナウンスが聞こえなくて状況がわからないという問題があるので、それはそれでまた別の課題を解決します。


いずれにせよ、手助けを必要としてる人と、助けたいけどなかなかアクションできない、みたいな人を繋げるしくみです。


優しさが、循環する社会になるといいなあって思いました。

▲元々スマートマタニティマークは単体のプロジェクトだったので、専用アプリも。これはそのデモ画面。


マタニティーマークの問題は知っていたけど、聴覚障害者の方にはそういう課題があるのかとか、初めて知ったことも多かったです。


12月11日〜15日には、銀座線で実証実験もあるそう!

それから最後にこちら、電動義手「HACKberry」。

まず、見た目が超クールなんですが、3Dプリンタを使って作られているので生産コストが抑えられていて、しかもオープンソース。すでに世界中でそのソースが活用され、電動義手が次々と生まれているようです。


義手についてはちょうどその日、講演が行われていたので「義手と<わたし>の再構築」というテーマでお話も聞いてきました。


特に印象に残っている言葉は、Mission ARM JapanというNPO法人の講演者の方が「僕たちはまちづくり(コミュニティづくり)をしている」とおっしゃっていたこと。電動義手の技術は結構昔からあるのに、今までは「上肢障害当事者」「医療従事者」「義手を作る技術者」みたいな感じで、それぞれがそれぞれで悩んでいたと。

そこをNPOでコミュニティとして繋ぐことで、義手の開発とか、上肢障害の方同士の交流とか、色々できますよねって。


あと、科学技術の進歩と義手みたいなテーマの話もあって、とても興味が湧きました。録音しておきたかったあの講義・・・笑

こういうリアルな義手(装飾義手とかっていうらしい)も、実際に触れることができました。

なかなか無い体験。

ということで、「超福祉」な感じが、少し伝わったでしょうか・・・


ここで「福祉」を辞書で引いてみると


幸福。特に、社会の構成員に等しくもたらされるべき幸福。 「公共の-」 「社会-」 「 -事業」

https://kotobank.jp/word/%E7%A6%8F%E7%A5%89-617244



だそうです。ということは「超福祉展」は「超幸福展」であると。


超幸福と書くと、不思議とすごい怪しい字面になってしまったんですが笑、「超福祉展」は「みんなが超ハッピーな未来」を考えるのにすごく良い場なのかもしれない。


実際、いろんなプロダクトの展示や講演を通して、今までの技術や既成概念を "超えて" 福祉が実現されつつあることや、実現しようとアクションを起こしている人がいる、ということもわかりました。


そして、かっこいい!すてき!なプロダクトたちの集まりだったので、純粋に超クールな展示会でした。


いろんな意味で 超 という言葉がぴったりでした!


そんな勝手な考察をしていたら「超福祉って?」という記述がHPに。最後に引用して終わります。

そもそも、超福祉って?

一人ひとりの心の中に存在する、障害者をはじめとしたマイノリティや福祉に対する「負い目」にも似た「意識のバリア」。“超福祉”の視点では、従来の福祉のイメージ、「ゼロ以下のマイナスである『かわいそうな人たち』をゼロに引き上げようとする」のではなく、全員がゼロ以上の地点にいて、混ざり合っていることを当たり前と考えます。ハンディキャップがある人=障害者が、健常者よりも「カッコイイ」「カワイイ」「ヤバイ」と憧れられるような未来を目指し、「意識のバリア」を「憧れ」へ転換させる心のバリアフリー、意識のイノベーションを“超福祉”と定義します。

http://www.peopledesign.or.jp/fukushi/about/


なるほどなるほど。「憧れ」か。


たしかに、展示会場では本当に「憧れ」に近い感情を抱きました。なんかね、みんなカッコいいんですよ!人もモノも。


まだまだ書きたいこといっぱいなんですが、今日はここら辺で。


おやすみなさい。!

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