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Anycubic i3 MEGAのお約束

どもどもYanでっす。

本日のお題はアップグレード計画に先立って「MEGAのお約束」のお話。

MEGAを使う上で知っておくといいTips集みたいな感じで書いていきます。

レベリングの仕方

組み立てに関してはネジで2つの大きな部品をくっつけるだけであとは間違えようのないケーブルを接続なので問題ないはずなので割愛。まず最初に戸惑うであろうベッドのレベリングについてのお話から。

素の状態、つまり買ってきたままのMEGAはレベリングでいじれるところは2か所しかありません。左右のZ軸についてる縦に延びてるネジとベッドの下にある4つのネジの2か所。

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MEGAのベッドはガラスの上にコーティングが施されたものなので平滑度は高いですがメーカーの公表値で最大0.2mmほどの歪みがあります。これをなるべくノズル先端からみてなるべく平行かつ適切な距離にするのがレベリング。

STEP 1 左右のXキャリッジの高さを揃える

最初に左右のZ軸についてるネジを使って左右の高さを揃えます。これを行うことでX軸を動かすのに使うシャフト2本が平行になりX軸の移動がスムーズになります。

左右の高さを均等にするだけならマニュアルに書いてあるようにモーターをoffにしてカプラーを回して調整すればいいのですが、左右のエンドストップを押すネジの長さが調整されていないと一度ホーミングしただけで左右の高さが狂います。なので、今回は違う手順で調整します。

1. ベッドの左側でSettings>Home>HOME ALLで左手前にホーミング。その後Settings>AxisでZ方向に+10mmヘッドを移動。

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2. 左側のキャリッジ下側とモーターの入っている土台との間の数値を計測

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3. 右側のキャリッジも同様に計測して2で計測した値よりも小さかったらZ軸のシャフトとボールねじの横にあるプラスネジを右に、大きかったら左に少し回す。取説にあるカプラでの高さ合わせではないことに注意。ネジで調整すればZ軸のホーミングで勝手に左右の高さが合います。

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4. Settings>Home>Home Zで再度Z軸だけホーミングし直してからSettings>AxisでZ方向だけ+10mm移動。右側の高さを再計測。何度か繰り返して左右の高さを揃える。

これで第一段階が終了。これはそうそう簡単に狂ったりしないので、よほどおかしいぞと思わない限りは頻繁に行う必要はなし。

高さの計測には直角に立っているかとか分かりやすいスコヤがあると便利。なければ定規を駆使してもOK。ノギスはうまいことひっかける場所がないので、ここの計測には不向きな感じ。

STEP 2 ベッドとノズル先端の距離を合わせる

左右の高さが合ったら次はベッドの四隅のネジを使ってノズルとベッドの間隔を均一にします。

レベリングはノズルとベッドの温度をプリント時の温度にして行うのが理想なのだけど、ノズルはフィラメントをセットしていると垂れてきてレベリングできないので常温で。ベッドはこれからプリントするマテリアルで使うベッド温度にしてから行うと精度あがります。

取説の表現がかなりアバウトで自分の体で丁度いい塩梅を覚えるまでが難しい。薄い紙をノズルとベッドの間に入れて動かしてみて少し抵抗を感じるくらい。これ分からないですよね?

なので僕は明確な指標となるシックネスゲージというものを使って隙間の数値を調整してます。これは後々オートレベリングを導入しても使えるものなので、持っていても損しないと思います。

ノズルとベッドの隙間は0.1~0.2mmが適していると言われているので、シックネスゲージの0.10mmのプレートを使います。Settings>Axisを使ってベッドの四隅にノズルを持って行って隙間を調整します。マニュアルにはモーターをオフにして手でヘッドを移動させると書いてありますが、微妙にヘッドの位置が変わったりするので個人的にはAxisメニューで移動させることをオススメします。

ヘッドを移動させるときはいきなりX軸、Y軸方向に動かすのではなく、Z軸を少し上に移動させてからやりましょう。ベッドを傷つける可能性があります。

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調整の順番は僕のパターンだと、左手前→右奥→右手前→左奥が1セット。シックネスゲージを入れてスカスカ動くのではなくノズル先端にゲージが触れてるという感触を感じるくらい。シックネスゲージを一度ノズルの下から外してベッドの上を滑らせるようにして潜り込ませるときに少し抵抗を感じるけどスムーズなくらいがいい塩梅。

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一か所のネジを大幅に動かしたときは他の場所も影響受けるので四か所とも調整なしでOKになるまで繰り返します。

最後にベッドの真ん中あたりにヘッドを移動させて隙間を計測。ここでノズル先端がベッドに密着してしまう状態だとベッドの真ん中が盛り上がるように歪んでいることになります。プリントは中央付近で行うことが多いので中央でノズルがベッドに当たるのは避けないとなりません。四隅のノズルとベッドの隙間が広くなってしまうのはあきらめて真ん中にノズルが接触しないようにしておきましょう。

これで素の状態のMEGAでできるレベリングは終了!

レベリングの基本なので覚えておきましょう。

ベルトテンションの確認

X軸のベルトのテンションが弱いことが多いので指で押して弱いなと感じたら付属のトーションスプリングを使って張ってあげます。ここが緩いとX軸方向の移動の加減速でプリント品質に影響が出ます。

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Thingiverseにもテンショナーのデータはいっぱいあるので早いうちにプリントしておきたいところ。そのうち緩んでくるものなので。

PLAだとガラス転移温度(柔らかくなる温度)が低いのでABSみたいなベッド温度が高温になるマテリアルをエンクロージャーで囲んでプリントすると変形してテンショナーの意味をなさなくなります。

PETGやABSなどある程度ガラス転移温度が高いマテリアルでプリントしましょう。ABSよりはPETGの方が伸縮が少なくサイズが安定して出せるのでPETGの方がオススメ。プリント難易度はPLA<PETG<ABSって感じ。

MEGAに付属してるようなスプリングのやつがいいという場合はAmazonで10個入りとか売ってるので、こちらを買えばOKかと。

ベッドの下にあるY軸のベルトも念のため確認。こっちも緩かったらトーションスプリングかプリントしたテンショナーで張ってあげます。

断熱材でベッドの加熱効率アップ

ベッド(ビルドプレートとも言います)はMEGAの場合Ultrabaseというガラス+アルミ板の組み合わせになってます。ガラスの下のアルミ板にヒーターがついてるんですけど、むき出し状態なのでここから熱が逃げていってしまいます。なので断熱材を貼って下への放熱を抑制してあげることでベッドの効率を上げてあげようという目論見。

詳しくははるかぜポポポさんのnote記事を読んでもらうのがよろしいかと。

3Dプリンターユーザー向けとしてやや高い価格の粘着シート付コルクシートがAmazonに多くなってきてしまったので、ホームセンターなどで探した方が安く入手できるかも。最近売られているMEGAのUltrabaseのサイズは240mm × 220mmなのでこれより大きなサイズならOK。

ベッドのメンテナンス

MEGAのベッドUltrabaseは上で書いたようにガラス+アルミです。実はガラスの上に樹脂のコーティングがされていて、これが加熱時は定着力がアップして冷えると下がる機能のポイントになってます。

Ultrabaseの説明を見るとベッドの清掃はアルコールでできると書いてあります。それで数か月無水エタノールを使ってました。でもこれ実はアウトです。表面の樹脂を溶かしているのか、劣化させているのかまでは定かじゃないんですけど、ツルツルになってきて定着力がガタ落ちします。

定着しない→クリーニング不足を疑う→無水エタノールで拭きとりの悪循環に陥っちゃうと最悪で、何をプリントしても定着しないので失敗繰り返すことになります。

こうなってしまうと初期の定着力まで戻すのは難しいのですが、アルコール類を使わず水拭きのみでクリーニングをするようにしたらある程度までは定着力が復活しました。

なので僕のオススメベッドクリーニング方法は

水拭き

ということになります。汚れが落ちないなと思ったらぬるま湯とかお湯でもいいので温度を高くしてあげると落ちやすくなります。中性洗剤とかは界面活性剤が入っているので拭きとりをしっかりしないと定着力の落ちる原因になるので使わない方がいいでしょう。水拭きだけで十分です。

どうしても水拭きで落ちない皮脂とか汚れがあるときだけ無水アルコールを使って落としてあげるというのがベッドの定着力を長持ちさせる方法になります。

買っておいた方がいいもの

ここまででプリンターのハード的なお約束はとりあえず終わり。あとは持ってるとプリント時に困らないで済むよという道具を紹介しておきます。

スクレーパー

MEGAにもついてきますけど刃が厚いのでうまくパーツとの間に入ってくれないことがあります。ベッドを傷つけかねないのできちんとした物を買っておくのをお勧めします。オルファのやつは刃を交換できるのでずっと使えるのでオススメ。

スティックのり

僕はハイパワーの方を愛用してますが、シワなし使ってる人も多いです。どちらでもたぶん差はあんまりないです。ABSは伸縮が激しく反りやすいのでベッドにこれを塗った上でブリムを使って反りを防止します。反ったら嫌だなというときはPLAでもPETGでも使います。

ABSのプリントでは必須級アイテムなのでネットでも文房具屋でもホームセンターでもいいので安いところで買っておきましょう。

ベッドについたのりは水拭きで拭き取れるのでUltrabaseの劣化も起きません。

ラジオペンチ

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安いやつでいいです。こいつでサポートをつかんでベリベリっと外します。ニッパーでやってもいいけれどニッパーの刃が痛むのでラジペン使った方がよろしいかと。

キムワイプ

ベッドのクリーニングなどで使います。紙粉が出にくいティッシュのようなものなので、これに無水エタノールを含ませて、ひどい汚れを落としたりします。ホームセンターでも売っている場合があるので安いとこで買いましょう。

キムワイプがティッシュに似ているからと鼻かむと痛くなるので注意。

無水エタノール

ベッドのメンテナンスでも書きましたが、多用は禁物。水拭きでも落ちない汚れがついてしまった時に使います。傷口の消毒にも使えなくはないですが、普通の消毒用アルコールは無水エタノールを皮膚に強い刺激を与えないように薄めたものなので気を付けましょう。

まとめ

MEGAの操作で説明してるのと、MEGAしか持ってないのでMEGAのお約束としてますが、他のオープンフレームタイプのFDMプリンタでも応用できるTipsだと思います。

何気に詳しく書かれているWebとか見つからなかったので書いてみました。

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