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タロット_大アルカナ1枚引きの奥深さ
タロットカードは大アルカナ22枚、小アルカナ56枚の合計78枚で1セット、78枚でフルデッキと呼ばれています。
本屋さんで占い関連の書棚を見ると、カードと書籍がセットになって販売されているものがありますが、78枚フルデッキのカードが付属しているものと、大アルカナ22枚のカードが付属しているものがあります。
私は初めてタロットを購入した時、まだこの違いを知らずに22枚の大アルカナのみ付属したものを購入しました。その後フルデッキが78枚だと知り、これは入門用の簡易版なのだ、と思って改めてフルデッキがセットになっているものを探しました。
78枚が正式で22枚は初心者用の省略版だと思ったのですが、あれから30年経ってタロットを学んだ今、それは正確な解釈ではなかったと思っています。
なぜなら22枚の大アルカナだけでも重要なヒントを受け取ることは十分できるからです。
そもそも大アルカナと小アルカナは位置づけが少し違うため、枚数が多ければ良い、というものでもないのだとわかったからです。
タロットの本を買ったことがある方はご存じだと思いますが、ほとんどの本で最初に練習用として紹介されているのが大アルカナを使ったワンオラクル、1枚のカードを引く、という方法です。
私は1枚だけで解釈するのは初心者っぽくて、カードを並べても映えないですし(笑)つまらないと思ってしまい、早くたくさんの枚数を並べてかっこよくリーディングしてみたい!たくさんのカードを展開するのが上級者っぽい、と思っていました。
さらにカードを並べた時に絵柄の向きに出る正位置と、絵柄が逆さまの向きで出る逆位置で解釈がやや変わる、という読み方があり、この手法を採用しているリーダーさんと、採用していないリーダーさんがいて、私は解釈のパターンが増える「逆位置採用派」が正統だと勝手に思っていました。
早く78枚のフルデッキを使い、たくさんのカードをかっこいい形に並べ、正位置、逆位置を取り入れたリーディングができるようになりたくて、正直1枚引きや3枚引きは早く卒業したいと思って、あまり真剣に取り組んでいませんでした。
ただ、ここに来て私は
大アルカナのみ、正位置のみの1枚引きリーディング
の奥深さにハマっています。
そしてこれまで私が4年間タロットを学んでもどうしてもリーディングに自信が持てなかった理由がやっとわかってきました。
それは私の中に無意識ですが、タロットを使って占うことで、当たってるとかすごいとか思われたい、という気持ちがどこかにあったこと。
タロットを使った占いで自分の技術をひけらかし、かっこよさとか、すごさとか、それを見せたいという気持ちが無意識にあったこと。
無意識ですが、確かにそんな気持ちがあったと気づいたのです。
ここに気が付くのに4年かかりました。
そしてやっと自分がやりたい占いとは何なのか、ということが見えてきました。
「なるほど、確かに、そういう考え方、捉え方もあるよね。その視点私にはなかったな、その視点で考えるとなんか見え方が変わって、解決策が見えてきた気がする」
そう思ってもらえる占い。
最終的にどうするか、何をするかはご相談者さまが考える。
そんな占いです。
「新しい視点を持ってもらう」これは占いに限らず、私がこれまで家族や知人から愚痴や悩みを聞いた時にいつも無意識に考えていたことでした。
「あの人にどう思われてますか」
「これからどうなりますか」
「私はどうすれば良いでしょうか」
この答えは残念ながら占いにはありません。
そんなこと、カードにわかるわけないのです。
ただ、
なぜあなたはあの人にどう思われているか気になるのか?
嫌われているのではないか、飽きられたのではないか、つまらない人だと思われているのでは…
そこにスポットを当てる必要があると思うのです。
ではなぜそのように思ってしまうのか。
なぜ本人に直接聞けないのか。
あの人にどう思われているか気になる、というあなたの現状に「こういう視点で見てみるとどうかな?」という1つの視点を与えてくれるのがタロットカード、大アルカナのカードなのです。
その視点がカードの数、22通りの視点がある、ということです。
たとえば今回の例で「1.奇術師」のカードが出たとします。
このカードは自分でなんとかする、という主体性の強いカード。
思考や感情よりも感覚で判断します。
今まさにこれから始める、というカードなので、これからどうなるかはまだわからない。
目の前にある道具を使って自分の好きなようにどんな奇術を見せるか考えている、そんなカードです。
そういった視点で見ると、まだわからない、という視点が加わります。
自分でなんとかする、自分が何かしないと何も起こらない、という視点で見てみると、どう思われているかよりも、どう思われたいのか、それに対して自分からアクションを起こす、ということが必要なのかも、という新しい考え方が生まれないでしょうか。
さらに新たに何かを加えるのではなく、今目の前にあるものを使う、という視点。
例えばキャラを作ったりこれまでと何かを変えるのではなく、今のあなたにあるものを活かして、奇術、何をするかを考える。
そんなヒントを受け取れると思うんです。
それを受けて
もっと自分を知ってもらうにはどうしたらいいだろう、とか、待ってるだけではなくて自分から挨拶をしてみよう、とか、自然体の今の自分にできることって何だろう、といった「今すぐできること」を「自分で考える」というアクションに移る材料になると思うからです。
人は自分で決めたことは実行できますが、人から言われたことは自分が納得、腹落ちしていないとなかなか実行に移せなかったりします。
私がやりたいことは新しい視点をカードを通じてお伝えし、そこから見えたものを受けてご自身で考える材料にしてもらうこと。
それってどういうこと?と考えるきっかけを作ってもらうこと。
この「自分で考える時間」を持ってもらうことこそが、私が提供したいと思っていることだと気づいたのです。
そのためにはたくさんのカードを並べたり、78枚使うことが必須ではなく、大アルカナ22枚でも十分できそうだと気づいたのです。
逆位置の解釈も必要ないと思いました。
人の気持ちを推測してお伝えしたり、未来を予測してお伝えすることでは何も変わらない、ということがやっと私の中で腹落ちしたのです。
これまでもそれは頭では理解していたのですが、じゃあどうすれば?というのが自分の中で落ちていなかったんです。
なので先ほどの
「あの人にどう思われてますか」
であれば、カードを見て、同じく「1.奇術師」のカードだと
「このカードは始めるカード、クリエイティブなカード・・・まだ良くわからないけれど、あなたのことをとても個性的で面白そうな方だと思っているようですよ」といったことを伝えていたと思います。
一般的な占いでは多少の言葉は違えど、そのように伝えると思います。
でもそれを聞いたあなたはどう思うでしょうか?
良かった、嫌われてないんだ、と思うかもしれませんが、何か行動を起こそうとするでしょうか?
少し自信が持てるならそれも悪くはありません。
でもこの問題について、これ以上深堀りしないのではないでしょうか・・・。
なぜ私は今、この悩みと直面しているのか。
私はなぜ、このことで悩んでいるのか。
それは一人で考えていても答えが出ません。
そこにタロットという新しい視点を加えることで、悩みが立体的になり自分がどういう思考になっているのか、他にどんな捉え方があるのかを深堀りすることができ、考える機会になるのです。
特に40代以降の大人になると、なかなか他人からのアドバイスを素直に受け入れられなかったりします。
また人に簡単に相談できない深い悩みもあったりします。
そんな時にタロットを使って新しい視点からその悩みを眺めてみることで、少し違った捉え方ができたり、これまで思いつかなかった考えに至ったりすることがあると思うのです。
22枚で逆位置も採用しないので、少し学べば誰でもできるようになると思います。
ぜひ、タロットを学んで自分と対話する時間を持ち、新しい視点を持つ、ということを体験していただきたいと思っています。