見出し画像

人生に絶望しそうな時、思い返す言葉

定期購読マガジンは本日が最後の記事となります。最後に何を伝えられるだろう?と考えて、出した答えがこの記事です。読んでくださった方のこれからに、少しでも役立つと嬉しいです。


「AがダメならBがある、Bがダメでも絶対ウルトラCがあるから、あきらめずに考えてみ」

と師匠から言われたのは、2011年秋のこと。

私は2010年1月に入社したヨガ関連の会社で、会社代表の弟子としてビジネスを学んでいました。入社して1年半ほど経った夏。師匠から「今度、大きなヨガイベントがあるからそのイベントの企画を任せていいか?」と言われ、私が0から企画することになりました。

入社してすぐの企画で失敗した私ですが、この頃にはもう企画や集客に慣れていました。毎日のように企画を考え、ヨガ講師と交渉をして集客して……と、慣れた企画話に「はいよー」と答え、担当を引き受けました。

まぁ、「慣れは危険」と言われるとおり……このイベントで事件が起きたのです。

ウルトラCを持っていなかった私と、持っていた師匠

こういうのを想像していたのですが……

これは、私のビジネス史で最大の失敗の1つです(何個かあるっぽい言い方……)。

このイベントは3日間開催され、ヨガの日本最大級イベントでした。毎日1クラス、計3つの企画を担当することになり、企画して講師を探して交渉して、当日講師にヨガレッスンを担当してもらったら終わり、という、もう本当に慣れた簡単な仕事でした。

ただ1点、いつもと違ったのは、無料であり、予約不要のレッスンだったこと。当日の来場者で、その場でイベントに興味をもってくれた人たちが自由参加できる形式でした。

要予約だと面倒な反面、集客人数が事前に把握できるのが安心。とはいえ、日本最大級のイベントなので当日その場で集客して満員御礼になる算段は十分にありました。

事件はイベント初日に起きました。会場は前年と同じ、大きな公園の近く。前年に子連れのイベント来場者が多かったのを見ていたので、私はこの日、「キッズヨガ」のレッスンを企画していました。

キッズヨガレッスン開始の5分前。ほかの仕事で現場から離れていた私に、スタッフから電話がかかってきました。

まだお客さんが2人しか入ってないんです!

「なんで?」と思い、現場にかけつけると(2分ほど消化)本当に2人しかいない!なぜ?どうしよう……というか、会場を見渡しても子どもが全然いない……なんで?どうしよう……とあたふたしていると、後ろから師匠の声がしました。

「かや、今日は平日、金曜日や」

そこでやっと気づいたのですが、その日は金曜日で子どもたちは学校に行っている時間帯でした。そんな当たり前のことにも気づけないほど、私は過信していたのです。

私が依頼したキッズヨガ講師は「どうするの、これ……」という目で私を見ていました。どうしよう……子どもがいない……

そこで、師匠が言ったのが、冒頭のセリフでした。

「AがダメならBがある、Bがダメでも絶対ウルトラCがあるから、あきらめずに考えてみ」

Aとは、最初の予定通りに物事が進むことです。当初予定していたキッズヨガのレッスンが満員御礼になること。この日が土日であれば、子どもたちが参加してくれて、親はその様子をニコニコ見ている。そんな想像が現実になったはずでした。

B……Bは何?子どもたちを連れてくる?公園に行って?公園に行ったからってこんな平日の昼間に子どもがいるのか?無理だよ。だってもうレッスン開始まで2分しかないもん……

その場から動けず泣きそうになっている私をよそに、師匠はキッズヨガ講師と話をし、会場で待っている2人の子どもの親とも話をして、ニコニコしながら私のもとに戻ってきました。

「ヨガインストラクター向けに、キッズヨガの指導法を教えるレッスンに切り替えるから、声出して集客して」と。

レッスン対象そのものを、今、会場にいる大人のヨガインストラクターに変更したのです。当時の私にとっては、完全なウルトラCでした。

金曜日の昼間にヨガイベントに来られる層は、ほとんどがヨガインストラクターです。キッズヨガの講師や師匠、私が「キッズヨガを指導したい方むけに、指導法レッスンが始まりますよー」と声をかけると一気に人が集まり、あっという間に満員御礼となりました。

自分の失敗に凹んだのはもちろんですが、ウルトラCを一瞬で出してきた師匠との力の差に悔しくて泣いた出来事でした。

人生には必ずウルトラCが存在する

それ以来、「人生には必ずウルトラCが存在する」と思って生きています。

事前に、ダメだった場合を想定することもありますが、それ以上に「何が起きても、私は絶対立て直せる。だってウルトラCは必ず存在するから」という強い信念をもらった気がしています。

もし、2案しか持ち合わせていなかった場合、その2案目は必要以上に慎重にならざるをえません。そうすると行動するのが怖くなるし、ダメかもしれないという不安も大きくなります

でも、ウルトラCがあると思えば、AとBで失敗しても大丈夫と思えて、思い切り行動できます。3つ試して全部が全くダメ、ということはなかなかありません。「大丈夫、まだ次がある」という信念は、心を強くしてくれます

ウルトラCを引き出すためにできること

では、ウルトラCを出すコツや、思考法はどのようなものがあるでしょうか?私の経験からご紹介します。

ここから先は

2,784字 / 1画像

¥ 300

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?