その1 和酒処 酒峰 (福岡県福岡市)
<述懐>
随分前から福岡に訪れて飲みたいという憧れはあった。
20年程前太田和彦氏の番組で、福岡のあるお店を紹介されそれが気にな
り、それからずっと福岡という街・居酒屋におぼろ気な憧れを抱いてい
た。
若かりし頃はワーカホリックと言っていいくらい仕事に人生を取られてい た。まとまった休みも取らず(取れず?)遠いところへ旅行に行くなど頭の
中から消し去られていた。
新幹線は乗り慣れていた。でも飛行機の移動は自分にとって少し敷居が高 かった。時間に余裕を持って空港に向かわなければならない億劫さもあ
り、飛行機の利用を考えられない思考も遠くへの旅行を遠ざける理由でも
あった。
しかし、ちょっとしたきっかけだった。思い切って飛行機を予約し福岡に
行ってみた。街の情景は僕が幼少を過ごしたところから一番近い「都会」
に似ていて心地よさを感じた。憧れのお店にも行けた。初めての福岡訪問
は印象深くこころに残った。
初めての福岡訪問が2014年。それからどんどん訪問する頻度が増えた…。
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ここで紹介する「和酒処 酒峰」に初めて訪問したのは2016年9月。
縁もゆかりもないただの旅行者…せっかく来たのだからとガツガツと食べログなどグルメサイトを駆使してお店を探すのが手順になっていましたが、そんな中から選んだお店でした。セレクト条件はシンプルなもので、掲載されている写真から「日本酒の品揃えが多い」ということでした。
電話にて席の予約をして、初めての方はおすすめとの事で刺身の盛り合わせ
も予約。少し遅い時間でしたが一次会利用だったので、お腹に溜まるものも
少しオーダーしました。
( といいつつ、何をお願いしたかは今となっては完全に失念 )
周りの雰囲気を見てハタと気づいたのは、そんなに料理をガツガツと食べているお客さんがあまりいないこと。ここは純粋に旨い日本酒を楽しむお店なんだと理解しました。また皆さん深酒せず、短い滞在時間でお酒を嗜んできれいに帰られています。まさに日本酒を嗜む大人のお店という佇まいです。
私は基本的に単独行動なので、和食屋さん・お寿司屋さん・居酒屋さんなどカウンターがあるところは好んでカウンターに席を設けてもらいます。カウンターからはお店の方の調理の様子が覗けたり、意外とテーブル席も含めお店の全体の様子を感じたりすることが出来ます。お店の方の手が空いているタイミングには、料理のこと・お酒のこと・その地のことなど世間話に花を咲かすこともできます。
そんなことを経て、その店がどんな店なのか理解していったりします。
酒峰においても初来店から店主さんとお話をする機会を得ました。しっかりとした信念を持ち、自信みなぎる考え方には共感…尊敬の念を感じました。「西日本一」と豪語する日本酒の品揃え・ストックは正に圧巻。
(これを聞いて東日本一はどこの店かな~と考えてしまったのは内緒の話…)
よりよいお酒を氷温冷蔵庫管理という良質な管理を通して提供している故、他のお店で飲み食いする金額からみたら高く感じるかもしれませんが、そこは何に価値を見出すか?本当に日本酒が好きな方は値ごろ感さえ感じるかもしれません。その裏付けは酒峰の常連は福岡のみならず九州一円にいらっしゃるということ。また私のような旅行で訪れたのち、再来するといったお客さんも全国に存在します。
もしこのお話をお読み頂き興味を抱かれた日本酒大好きな方がいらっしゃいましたら、是非訪問することをお勧めいたします。名の通った銘醸のものはより希少なものを、まだ名の通っていない新進気鋭の蔵の酒も幅広く品揃えしていて発見することが多いと思います。
もちろん福岡の居酒屋なので福岡、佐賀、九州産の日本酒も豊富です。わざわざ福岡まで行く価値ありと太鼓判を押したいと思います。
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