書評を頼まれて何故かスラスラと
以下は、その内容。
最近の文化庁の調査では、本を読まないと答えた人が6割にのぼり、大人の読書離れが進んでいると聞きました。自分にとっての読書といえば、人生を豊かにしてくれるものですし、著者の生き方や経験値を追体験やいわゆるハッキングが出来るので、数年前にkindleは購入してみたものの、やはり今でも根気よく1ページ1ページ読むことはしています。一方で、ショート動画の隆盛から、受け身でも知識を得られるという利便性もあり、さすがに読書量は少なくなってきましたが、最近では唯一と言っていいほどの自分自身の能動的かつ知的な行為と思うようにしています。とはいえ、積読、乱読等の自分の気質等もあり、読んだ先からすぐ忘れてしまうのが欠点で、読んだ本の量に比例して、知識や徳が積めているのなら、もう少しましな人相になっているかと思います。
さて、私は今までの職歴もあり、直接経営者や責任あるポジションの方とお会いする機会が多いこともあったため、ビジネス本という中での読書もしてきたつもりです。営業の最前線では、初見での会話のきっかけに天気や気候等以外の話をするためには重要だったかと思います。選ぶ目線ですが、著者の人物像、考察力や視点が面白いこととその人が書くもののクオリティが継続されており、かつ読みたいと思わせるお人柄からが多いです。
1冊目「ドンキにはなぜペンギンがいるのか」著者:谷頭和希さんです。東洋経済オンラインのライターとしてこの方を知ったことがきっかけですが、気鋭の若手チェーンストア研究家らしく、飲食店の考察の視点がまさに“今とリアル”を感じます。私は、地元の飲食等の店舗を大切に思う気持ちや目線を大切にしたいと思ってきたこともあり、一方での真逆といえるチェーンストアの凄さを調べ続けていたことも読むきっかけとなっています。ドンキとはいわゆるドンキホーテさん。今では2兆円ほどの売上規模のようです。
さて、2冊目は同じ東洋経済オンラインから著者を知ったのですが、「日本経済 予言の書」著者:鈴木貴博さんです。この方は経済評論家、フューチャリスト、経営戦略コンサルタントのようで、文章や考察のクオリティが文章の一つ一つに円熟味と誠実さがあるため、購入(※ポチッとした)にいたりました。コロナからの回復の道筋の当時の未来予想もわかりやすく参考になりました。
3冊目は、著者:佐藤航陽(かつあき)さんの本です。「お金2.0 新しい経済のルールと生き方」。この方については、動画サイトで成田悠輔(○と□メガネの方)さんの出現に驚いた当時、別の視点でその発言のクールさに衝撃を受けたことを覚えています。ともに新進気鋭なのにいわゆる“港区女子”に全く興味が無さそうなことに群れない孤高の存在を感じました。その若き経営者としての判断力と歴史観、現在の立ち位置理解、未来予想が淡々とした中でも饒舌なため、何でも良いからつい購入(※同上)した本です。約7年前の本ですが、お金の今昔と未来が著者目線で実直に語られています。
最後の4冊目は、「高田明と読む世阿弥」著者:高田明さん。言わずと知れた「ジャパネットたかた」創業者の本です。別途、本人の伝記読破後で電気店から現在へのその経緯を知ったことも購入に弾みがつきました。何より、能の大成者といえば観阿弥と世阿弥。観阿弥の息子が世阿弥で、能の考え方がご自身にあるからか、現在の同社が二代目になっても会社そのものが別のやり方でより一層伸びていることが興味深さに拍車をかけました。二代目とはご子息。現代表取締役のその佇まいや発言内容がクールかつウエットさも感じることから、旧世代と新世代の移行が最も成功している稀なモデルケースの会社を見つけられた思いがありました。
最後になりますが、今回の本の選定については、あえて若手論客2冊、円熟の魅力2冊を選びました。自分自身のビジネス上の役割は、4冊目で触れた旧新の世代のスムーズな移行かと思っています。ご興味が湧くかはわかりませんが、ご紹介させていただきました。
以上