今のAIでさえ意表を突かれる、AI時代突入時の熱戦局

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  • 2023年2月1日公開

はじめに

こんにちは。iPhone/iPadの「囲碁の師匠」アプリの作者の市川雄二と申します。
「囲碁の師匠」アプリを通して、第四十三期名人戦挑戦手合七番勝負第五局を鑑賞します。
実際にはパソコンのKataGoで1手ごとに8万プレイアウトほど探索した結果を見て注目の局面を「囲碁の師匠」のスクリーンショットで撮って使っています。

平成三十年(2018年)十月十五・十六日に山梨県甲府市 常磐ホテルで行われた井山裕太六冠(棋聖,名人,本因坊,十段,王座,天元)に張栩九段が挑戦した第四十三期名人戦挑戦手合七番勝負第五局です。
この対局がAI的にどんな時期だったかまとめますと、2016年にGoogle傘下のDeepMind社のAlphaGoが李世乭さんを4-1で下し世界に衝撃を与え、その年の年末年始にはネット碁会所にMagist/Masterがプロ棋士を相手に60連勝を達成、特にダイレクト三々を初披露、2017年10月には人の棋譜を一切使用しないAlphaGo Zeroの論文と棋譜が公開、2018年5月にはAlphaGo Zeroの検証テストとなったFacebook社のELF OpenGoが韓国のトップ棋士4人に14戦全勝し、同年10月には一般参加型強化学習のLeela Zeroの40ブロックウェイトが20ブロックだったELF OpenGoを抜いた、そんな時期です。
誰もが強い囲碁AIを利用できるようになったそんな時期にこの対局は打たれ、そして黒の妙手によって「AIが壊れた」と解説されるほどに難解な局面を産み出しました。妙手が出るのは局面です。果たして今のAIはこの妙手をどう評価するのでしょうか。実はこの先に白の妙手を見出しています。

「AIが壊れた」という妙手順が出る局面

対局モードで「両方を持つ」を選ぶと、アプリを碁盤として活用いただけます。誰かと対局もできますし、棋譜入力にも使えます。

師匠Tips

井山さんは皆さんご存知かと思いますが、若干の棋士紹介も記載していますので、最近囲碁を始めた方々にも楽しんでいただけたらと思っています。棋譜は局面図のみで手順は載せませんので、ご入用の方は書籍なり適切に入手なさってください。朝日新聞の詳報のURLも載せておきます。

では棋譜を鑑賞していきましょう。

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