加藤正夫王座が悲願の名人を手繰り寄せたヨセの妙手の一局
履歴
2022年12月22日公開
2022年12月27日加筆
はじめに
こんにちは。iPhone/iPadの「囲碁の師匠」アプリの作者の市川雄二と申します。
「囲碁の師匠」アプリを通して、表題の棋譜を鑑賞します。
実際にはパソコンのKataGoで1手ごとに8万プレイアウトほど探索した結果を見て注目の局面を「囲碁の師匠」のスクリーンショットで撮って使っています。
師匠Tipsコラムの形で、「囲碁の師匠」アプリの使い方も時折入れていますのでそちらもご参考にしていただければ幸いです。
昭和六十一年十月八・九日に仙台ホテルで行われた小林光一四冠(棋聖,名人,十段,天元)に加藤正夫王座が挑戦した第十一期名人戦挑戦手合七番勝負の第四局です。
加藤王座のヨセの妙手が出た一局として非常に有名なものです。日本棋院発行の新聞「週刊碁」で企画された「棋士200人が選んだ語り継ぎたい妙手・名手」で第1位に輝きました。
加藤正夫九段は平成十六年(2004年)12月30日に57歳で急死されました。2週間前の12月16日には小松英樹九段と公式対局を打たれていました。棋士と日本棋院理事長職を兼務し大変な期待と重責を背負われた中、突然の訃報でした。もうすぐ十九回忌を迎えます。
この記事の見どころは、有名なヨセの妙手が出たあとの「囲碁の師匠」(KataGo, 以下記事内では"師匠"と書きます)が見つけた幻の妙手です。様々な有名な妙手に感心したことがある方ならきっとご堪能いただけると思います。
ちなみに幻の妙手が出る局面は以下です。
また若干の棋士紹介も記載していますので、加藤さん小林さんを知らない若い世代の方々にも楽しんでいただけたらと思っています。棋譜は局面図のみで手順は載せませんので、ご入用の方は書籍なり適切に入手なさってください。加藤九段によるYouTube解説動画のURLも載せておきます。
では棋譜を鑑賞していきましょう。
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