【ネタバレあり】2025/1/11 UNISON SQUARE GARDEN「Charisma & Princess」@東京ガーデンシアター ライブレポ
UNISON SQUARE GARDEN、結成20周年おめでとうございました!
ファンクラブ「UNICITY」限定のツアーから始まり、「Catcher In The Spy」リバイバルツアー、"流星前夜 -rebirth-"、"極まる"対バンツアー、武道館3days、「20th BEST MACINE」ツアー、そしてトリビュートライブ。
自分はその全てに参加できたわけではないけれど、あまりに盛りだくさんで特別な1年だった。
そんなアニバーサリーイヤーを経た次の一歩が、シングル「傍若のカリスマ」を引っ提げたツアー「Charisma & Princess」である。
シングルのツアーをやるバンドも今ではなかなか珍しい気がするけれど、ユニゾンは未だにこれを続けていて、言わばお題となる曲が少ない分その他の曲でどうセットリストを組むのか?という自由度に毎度ワクワクさせられる。
そんなツアーの東京公演の2日目に行ってきて感じた、あまりに楽しい!これぞユニゾン!という気持ちを、ツアーはまだまだ続くものの書きたくてたまらない!この興奮を残しておきたい!という気持ちで久しぶりにライブレポを。
上記のアニバーサリーライブたちについては全く書いてこなかったのに、ここにきて、やっぱり通常運転のユニゾンがカッコいい!ということで、敢えて書きます。笑
もちろんネタバレになってしまうので、セットリスト等まだ知りたくない方は数行のインターバルを置くので、ツアーに参加した後に改めて読んでいただけたら。
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1月11日土曜日。
まだまだ新年の空気感が抜けきっていない3連休初日。
会場となる東京ガーデンシアターを擁する有明ガーデンには、たくさんのUNISON SQUARE GARDENグッズを身に着けた人たちがいて、「Charisma & Princess」のものはもちろん、20周年イヤーのもたくさん見かけて、自分含めアニバーサリーの余韻も抜けていないのであろう人も多かった印象だった。
思えば自分もこのガーデンシアターで開催された「UNICITY vol.2」からユニゾンの20周年イヤーが始まったから、ここに来るとむしろ昨年の楽しかった時間に巻き戻ってしまう。
でもやはり同時にワクワク感も強く、そんなスペシャルな1年間の反動でとんでもないセットリストが組まれているのでは…と、既に前日のツアー初日に参加している人たちの感想を見て胸を躍らせている自分もいた。
いざ会場に入り開演時間を迎えると、いつも通り『絵の具』のSEに乗ってユニゾンの3人がゆっくりとステージに現れる。
そして配置につくとそのままゆったりと演奏を始めるのだが、どこかで聞いたことのあるメロディーだ。
それはクリスマスの街中でよく流れている『サンタが街にやってくる』そのものであり、ということは…?というまさかの予感とともに始まった1曲目は『サンタクロースは渋滞中』。
「MODE MOOD MODE」のツアーでもこの曲をこのアレンジでやっていたのですぐ分かったが、しかしなぜ年が明けてからこの曲を!?という、いきなり自由すぎる選曲に笑ってしまった。笑
「お待たせっ!」
と斎藤さんがギターリフを鳴らして『オトノバ中間試験』に突入すると、一気に跳ね上がるような会場の空気と、暴れ始めるリズム隊に早速テンションが上がる。
まるでクリスマスが過ぎてもまだ届かないプレゼントを待ちわびていたファンたちが、渋滞を抜けてようやく現れたユニゾンサンタに「待ってましたー!」と言わんばかりに喜んでいるかのよう。
それに呼応して田淵があっちこっち飛び跳ね、貴雄の手数もいきなり120%ぐらいになっていて、息継ぎがてんでない節回しで歌う斎藤さん。
そうして会場全体で"楽しい"を答え合わせしながら、さらに『天国と地獄』で狂騒へ。
イントロが鳴った瞬間の沸きっぷりはもはやライブ終盤のピークさながら。
だけれども"かくしてまたストーリーは始まる"と続く。
ライブ序盤とは思えない盛り上がりだが、思えば数年前にこの『kaleido proud fiesta』を引っ提げたツアーでガーデンシアターを訪れたときはまだ観客の声出しは許されていなかった。
別にユニゾンのライブではコール&レスポンスや皆で歌うパートの曲があるわけではないが、やはり曲が始まる度に熱狂するオーディエンスたちの声は自ずとテンションをブーストしてくれると、コロナ禍以降のライブで改めて実感している。
ここでMCへ。
「どうも前厄スクエアガーデンです」とふざける斎藤さんに、ポカンという表情をする田淵。笑
そう、ユニゾンのツアーでは珍しいが、ガーデンシアターにはステージの両サイドにモニターが設けられており、遠くの席からでも3人の表情や細かい一挙手一投足が分かりやすくなっているのだ。
「いきなり季節外れのクリスマスソングからスタートしましたが、「Charisma & Princess」というタイトルの通り、『傍若のカリスマ』『憂鬱はプリンセス』の2曲以外は何をやるんだろう?というツアーになっております。この、何が飛び出してくるか分からないというのがシングルツアーです!」
とさらにワクワクを煽り、「『3 minutes replay』!」と曲名を叫んで演奏を再開して早速その期待に応える。
バンドとしてはかなり久しぶりの演奏だろうか、自分もおそらくライブで聴くのは初めての曲だ。
こうした曲を味わえるのもシングルツアーならではだし、もうユニゾンのライブに足を運び始めて7年以上経つ自分でもまだまだライブで聴いたことがない曲があるというのは嬉しい限り。
それだけこれから先の楽しみがあるということなのだから。
そして"世界が変わる夢を見た"っ!で間髪入れずに『kid, I like quartet』へと突入していく流れはアルバム「Populus Populus」そのまんまであり、当時のツアーもこの2曲から始まっていた。
近年はリバイバルツアーもやってくれているユニゾンだが、こうして過去自分がライブに行っていなかった頃のセットリストの再現に一部でも立ち会えるのは嬉しいし、それだけ過去の曲や構成でライブをしても全く古さを感じさせないのがこのバンドの凄いところである。
"Can you see?"と皆で叫んで最上級を迎えた会場のテンションだが、『アトラクションがはじまる(they call it "NO.6")』のイントロが立て続けに鳴るとさらに飛び跳ねざるを得ない。
ユニゾンサンタからのデリバリーが止まらないのだ。
とはいえ彼らにはきっと「プレゼントしている」「楽しませてあげている」という考えは一切なく、むしろ自分たち自身が楽しんでいる。
過去のnoteでも語ったが、"共犯関係とはいえ きっと絆なんか無い"という歌詞にもある通り、「こっちは勝手に楽しむから、キミも好きに楽しんでくれ!」というのがこのバンドのスタンスであり、アニバーサリーを経た通常モードのユニゾンだからこそ、改めてそれを再確認させてくれる。
観ているだけで勝手に乗せられ楽しくなってなってしまう、UNISON SQUARE GARDENというアトラクションの加速は止まらない。
『Silent Libre Mirage』『世界はファンシー』と畳み掛けていく。
しかしここまでの曲の並びを振り返って改めて驚くのは斎藤さんのギターボーカル。
詰め込まれた歌詞を凄まじいスピードで間髪無く歌う曲が続いている。
しかも"fantastic guitar!"を弾きながらだ…。
とても超人的であるが、ラスサビ直前の貴雄の手数もまた原曲以上で、盛り上がる前に盛り上がるというか、この人のピークや限界はどこにあるのだろう…という底知れなさが恐ろしい。
"Ladies & Gentlemen!"の口上から『like coffeeのおまじない』へ突入するとまたまた歓喜に沸く会場。
この曲も昨年の武道館「オーケストラを観にいこう」で披露されているものの、なかなか通常のツアーで演奏されないのでそれもそのはずである。
リズム隊のコーラスワークや、軽やかに動き回る田淵に気持ちも弾みまくる。
最狂乱のデリバリーが続き、いったん暗転して呼吸を整えるバンドと会場。
さっきまでの盛り上がりが夢だったかのように止み、ペットボトルで水を飲む音だけが響き渡っているこの瞬間もユニゾンのライブならではであり、その"静と動"が自分も好きだったりする。
それだけ皆がステージに、ユニゾンのライブに感覚を研ぎ澄まして集中しているということなのかもしれない。
そんな静寂の中ゆったりと始まったのは『City peel』。
コーヒーから紅茶へ、束の間のティータイム。
"物語はスロースローペース そんな時があってもいいよね"とじっくり浸る時間を与えてくれるのも嬉しい。
と、思ったのも束の間。
不穏な雰囲気のセッションから、このツアー1つ目のテーマ曲である『憂鬱はプリンセス』へ。
シングル「傍若のカリスマ」のカップリング曲であるが、20年のキャリアをもってしてもまだこれだけの引き出しがあるのか…と思ってしまうほどの、これまでに無いタイプの展開を見せる曲であり、ライブでも当然初めて聴くので音にノるのが難しい。
ただ1つ言えるのは、この複雑怪奇な曲でさえもライブで再現してしまうUNISON SQUARE GARDENはとんでもないバンドだということである。
半ば呆然としているこちらをよそに、静かなギターリフから始まったのは『WINDOW開ける』。
一音一音確かめるようなギターを弾きながらゆっくり歌う斎藤さんのギターボーカルのみが響くというシンプルさが先程までと真逆すぎてもはや不気味にすら感じてしまうが、"ウィンドウ開けて"とサビに入った瞬間、爆発するように畳み掛けるドラムとベースの迫力が凄まじく、これこそ"静と動"の極み。
まさに天窓が開いて陽の光が降り注いでくるような照明もカッコいいし、サビの迫力も含め、ライブでしか味わえない体験がこの曲には詰まっている。
圧倒されていると、続けてキラキラしたピアノのイントロから『harmonized finale』へ。
ガーデンシアターで聴くこの曲にはもはや思い出がありすぎて、初めてこの場所で聴いたのがコロナ禍の着席ライブ「LIVE (on the) SEAT」であり、歌詞とその当時の状況があまりに重なりすぎていて感動したのを未だに覚えている。
「kaleido proud fiesta」ツアーでは1曲目に演奏され、星座のように散りばめられたLEDが綺麗だったし、「UNICITY vol.2」ではイズミカワソラさんのピアノ生伴奏で聴けたのが嬉しかった。
そんな数々の思い出たちに浸りながらこの曲を聴いていた。
ここでまた静寂を挟み、貴雄にスポットが当たりドラムソロへ…と思いきや、今回は早速ドラム→ベース→ギターへとソロ回しが流れていくセッション的な展開へ。
そしてその凄まじく素早い演奏の最中、ステージ背面には徐々に横断幕がせり上がっていき、そこにスポットライトが当たると、やがてそこに書かれている文字の全貌が明らかになる。
”Charisma & Princess
UNISON SQUARE GARDEN”
ということはここで来るのはそう、このツアーもう1つのテーマ曲『傍若のカリスマ』だ。
既にフェスで披露され何度かライブで聴いていた曲ではあるが、今回のこのセッションから流れるような展開があまりにスマートでカッコよく、会場でもひときわ大きな歓声が上がっていた。
この曲中は横断幕の"Charisma"の部分にのみライトが当たっていたが、まさにカリスマ的な3人の演奏に自分も新年早々度肝を抜かれてしまった…。
特にこの曲の間奏でも普段のワンマンライブのセッションパートにあるようなソロ回しがあり、テンションも最高潮に高めてくれる。
ここからライブはハイライトへ向かっていく…と思われていたが、ここでまたガラリと雰囲気を変え、『Simple Simple Anecdote』へ。
凶悪で鋭いシングルツアー表題曲からこうした優しく励ましてくれるような曲へ…というコントラストが面白いし、やっぱりこんなセトリは予想できない。
"全部嫌になったなんて簡単に言うなよ"というフレーズにはコロナ禍に何度も救われてきたが、今聴いてもグッとくるし、どこか閉塞感が漂うこの世の中にもグッと響いてくれて、またこの2025年という新たな1年を頑張ってみようという気持ちにさせてくれる。
そしてそんなメッセージが導くように『シャンデリア・ワルツ』が始まると、一気に飛び跳ねまくる会場。
自分も例に漏れず足を弾ませる…というか、この曲が来てしまうともはや足も気持ちもピョンピョンと弾まざるを得ないのだ。
嫌なことばかりではない。
まだこんなにも楽しいことがこんな世の中にもあるのだから、人生捨てたもんじゃない。
本気でそう思ってしまうぐらいに、マジで楽しい。
ユニゾンのシングルツアーでは表題のカップリング曲以外にも2曲ほどB面曲がセトリに入る傾向があるが、冒頭の『サンタクロースは渋滞中』に続きここで『放課後マリアージュ』が来る。
そうかまだこんな楽しい曲があったか!という具合にユニゾンの引き出しの多さに驚きながらも、サビで自然発生する手拍子につられて、やっぱり楽しい。
あまりに楽しくて楽しくてたまらない!という具合に田淵がコサックダンスばりに足上げダンスをしながら始まった『君の瞳に恋してない』では、斎藤さんもたまらずつられてコサックダンスをしてしまう。笑
その2人揃って仲良く足上げをしている様子に、見てるこちらも思わず笑ってしまう。
本当に楽しい。
さっきから楽しいという言葉しか出てこない。
間奏では斎藤さんが逆サイドまで駆けて来てギターソロを披露してくれる。
その間は田淵も逆サイドへ。
2人ともラスサビまでにマイクに間に合うか?どうだ…?お、間に合った~!というお馴染みの一連も見ていて笑顔になってしまう。
そうしてラスサビで爆発的なピークを迎えて曲が終わると、大喝采と言わんばかりに歓声と拍手がガーデンシアター中に響き渡る。
それを3人とも笑顔で、やり切った表情で見渡しながら余韻に浸っている。
そうしてしばらくの間をおいて、「ラストッ!」と斎藤さんが放った一言を合図にまたガラリとダークな同期音が走り始めて『カオスが極まる』へ。
最後はまた攻撃力の高いロックサウンドをぶちかまして本編は幕を閉じた。
この緩急に次ぐ緩急、マジでやばすぎんだろ…。
拍手は鳴りやまず、やがてアンコールを待ちわびる手拍子へ。
するとすぐさまメンバーがステージに再登場。
しかし2daysの2日目の終盤も終盤、田淵は既にエネルギーを出し尽くしてしまっているのか呆然とした様子でトボトボ歩いてくる姿が面白い。笑
そんな中、貴雄がおもむろにツアータオルを出すと、なんとそれを目隠しのように自分の顔に巻き付け始めた。
この男はいきなりスイカ割りでも始めるのか?と言わんばかりにスティックを構えようとするのだが、マジで何も見えなくなっているのか、一瞬目隠しタオルを外したりしながら手探りでドラムセットの位置を確かめる様子に笑いが巻き起こる。笑
準備が整ったのを確認しながら斎藤さんが「UNISON SQUARE GARDENでしたっ!」と叫び『シュガーソングとビターステップ』へ。
目隠し状態の貴雄は、なんと片方のスティックをゾロの刀のように口に咥え、片手でドラムを叩き始めるという奇行に。
これまでもフードやタオルで目隠しをするというのは見たことがあったが、こんなドラミングスタイル、マジで見たことがない…。笑
その分空いた方の手は胸の前で釈迦のようなポーズをとっていたが、そんな片手演奏でも全く遜色なく演奏できていて、耳で聴いていても不足を感じないのだからとんでもないドラマーだ。
疲れを見せていたかのように見えた田淵は気付いたらいつも通りステージを縦横無尽に動き回っていたし、ユニゾン最大のヒット曲の持つ推進力をもって会場の皆もライブ終盤とは思えないほどに元気に飛び跳ねていた。
そして曲が終わり、大拍手と声援の中ステージからはけるメンバーたち。
最後に貴雄は着ていた20周年ジャケットの"20th"のロゴ部分を「ここに注目!」というように指さして、カメラが寄ると、手書きで"+1"と付け加えられているのが分かり、"20th+1"。
UNISON SQUARE GARDEN、21周年イヤーの開幕である。
- 1/11 UNISON SQUARE GARDEN TOUR 2025 Charisma & Princess @東京ガーデンシアター セットリスト -
01. サンタクロースは渋滞中
02. オトノバ中間試験
03. 天国と地獄
04. kaleido proud fiesta
05. 3 minutes replay
06. kid, I like quartet
07. アトラクションがはじまる(they call it "NO.6")
08. Silent Libre Mirage
09. 世界はファンシー
10. like coffeeのおまじない
11. City peel
12. 憂鬱はプリンセス
13. WINDOW開ける
14. harmonized finale
15. 傍若のカリスマ
16. Simple Simple Anecdote
17. シャンデリア・ワルツ
18. 放課後マリアージュ
19. 君の瞳に恋してない
20. カオスが極まる
en1. シュガーソングとビターステップ
もはや1曲目の選曲から笑ってしまったけれど、そこからひたすら楽しい方へ楽しい方へとドライブしていくライブは、どこか20周年という特別感から良い意味で解放されて暴れたい放題な3人に振り回されているような感覚だった。笑
まぁそれがユニゾンの通常運転なんだけれど、そう考えるともはや周年とか関係なく、自分がUNISON SQUARE GARDENというバンドを好きになってから何年もずっと人生楽しいな!とふと思ってしまうほど、今回も当たり前に楽しかった。
ライブ中、本当にずっと笑顔だった自信がある。
先述の通り、このガーデンシアターにはユニゾンで何度も来ているが、初めて来たときはコロナ禍の着席ライブであらゆる制限を余儀なくされていたことを考えると、ここまで来られたのは本当に感慨深い。
それはひとえに、どんなときもロックバンドを止めずに、配信ライブやリバイバルツアーも含めたあらゆる手を尽くして続けてきてくれたからこそ。
そんなユニゾンに対する感謝も沸々とわいてきた。
ありがとう、前厄スクエアガーデン…じゃなくてUNISON SQUARE GARDEN。
21周年イヤーもくれぐれも健康等々にお気をつけて、まずは無事にツアーを完走できますように。