![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/140502046/rectangle_large_type_2_286afb50ad03c2f290433f402c2f5997.jpeg?width=1200)
10G SFP+が付いている中華ミニPC (Topton製)をレビューする
AliExpressで「10G SFP+が搭載されたミニPC」を買ったのでレビューしてみます。
![](https://assets.st-note.com/img/1715585607613-WubEopZmLi.jpg?width=1200)
なにこれ
AliExpressで販売されているToptonというメーカーのミニPCです。
省電力なIntel N100系のCPUに10G SFP+ 2個の組み合わせという珍しいPCです。
スペック
CPUは"N100"、"N200"、"i3 N305"から選べます。
さらにネットワークには"10G SFP+ 2個と2.5GbE 4個"の他にも"2.5GbE 8個"を選べます。
![](https://assets.st-note.com/img/1715586737410-7Jv4AfTC20.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1715586742719-fBQr4eV3we.png?width=1200)
メモリはDDR5(4800)のSO-DIMMスロットが1個(空き)、ストレージはM.2スロットが1個(空き)あります。
![](https://assets.st-note.com/img/1715587396620-dEg0hJavcC.jpg?width=1200)
今回はN100 / 10G SFP+ 2個 2.5GbE 4個のモデルを購入しました。
価格は41,000円程度(税別)です。
外観
何も書いていない箱に本体とACアダプターのみが入っていて、マニュアルやドライバCDなども入っていません。
![](https://assets.st-note.com/img/1715674591622-QvadSCSjqe.jpg?width=1200)
ケースは厚みのある金属製。この金属製のケースがCPUファンとくっついているので、ケースがヒートシンクの役目も果たすようです。
長時間起動しているとケースがほんのり暖かくなります。
![](https://assets.st-note.com/img/1715587667306-Vn91S3gXvV.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1715587795765-8Gn3raOsZC.jpg?width=1200)
ケース表面には、
HDMI端子(認証をとっていないためかか、ケースにはHDと記載)
DispolayPort端子
USB
MicroSDカード(認証をとっていないためか、ケースにはTFと記載)
がありました。
なおSIMスロットもありますが、こちらは動作未確認です(多分動かない)。
内部
![](https://assets.st-note.com/img/1715588196082-2gubm0In79.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1715588196129-ewlF8F4Bg2.jpg?width=1200)
内部はマザーボードとSFP+カードの2階構造となっており、上側にマザーボード、下側はSFP+のネットワークカードがあります。
ネットワークカードとマザーボードは、PCIe x4 ライザーカードを介して接続されています。
![](https://assets.st-note.com/img/1715588377678-tN8PsPAQ9O.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1715589204417-Ooowkl9jgP.jpg?width=1200)
ACアダプター
付属のACアダプターは 12V 10A (120W) とかなり容量の大きいものでした。
サイズもでかいです。
![](https://assets.st-note.com/img/1715591051140-VBB7JUYrNz.jpg?width=1200)
CPUやネットワークカードのスペックから鑑みると最大限負荷をかけた状態でもおそらく30W台の消費電力だと思うので、こんな大きいACアダプターは必要ないはず。
私はこのACアダプターの代わりに12V/5AのACアダプターを使っています。こちらの方がサイズもだいぶ小さくて取り回しが楽です。
12V/外径5.5mm/内径2.5mm/センタープラスのACアダプターなら標準アダプターの代わりに使えるはずです。
なお、付属のACアダプターはPSEマークがないので、その意味でも使用をお勧めしません。
![](https://assets.st-note.com/img/1715674545524-BQhy3iRElJ.jpg?width=1200)
ネットワークインターフェース
![](https://assets.st-note.com/img/1715590816646-kRDF4SAx88.png?width=1200)
2.5G RJ-45ポート
マザーボード側の2.5GbEはIntel I226-Vが載っていました。
10G SFP+ポート
SFP+ネットワークカードにはIntel 82599ENチップが載っていました。82599ENはIntel X520に搭載されているチップで、WindowsやLinux、FreeBSD、VMare ESXiなどでも動作するチップです。Windows 11でもドライバを入れれば動きます。
[改造] CPUファンの回転数
CPUファンの回転数はBIOSからある程度制御可能です。
デフォルトの設定だと個人的にはCPUファンの音が気になりました。
Intel N100はそこまで発熱しないので、CPUファンの回転数は多少下げても問題なさそうです。
BIOSの [Advanced]→[Hardware Monitor]→[Smart Fan Mode]→[Fan start temperture limit] を20から30に変更して使っています。この変更でCPUファンがだいぶ静かになります。
※ BIOS設定の変更は自己責任でお願いします
[改造] ネットワークカードのファンを交換
このネットワークカードには 40mm×40mm×10mm 12V 0.09Aのファンが載っているのですが、このファンがとてもうるさいです。
世の中にあるIntel 82599ENを搭載したネットワークカードはファンレスのものばかりなので、ここまでうるさいファンを乗せる必要はないはずです。
なので、このファンをAinex CFZ-4010LA 究極静音タイプに載せ替えたところだいぶ静かになりました。
載せ替えたあとで数時間動かしてみたりしているのですが、今のところ問題は出ていないです。(ファンレスで運用する勇気はなかった)
※ ファンの交換は自己責任でお願いします
![](https://assets.st-note.com/img/1715590182631-brJFL1oviv.jpg?width=1200)
OS
OSは自分でインストールする必要があります。
Ubuntu 24.04
Ubuntu 24.04を動かしてみたところ問題なく動いてそうでした。
Windows 11 23H2
Windows 11も起動しました。
ただドライバCD等は付属しないですし、ドライバをダウンロードできそうなWEBサイトもないため、いくつかのドライバかは自分で探してインストールする必要があります。
Proxmox VE 8.2
Proxmox VE 8.2も問題なく動きそうでした。
ただVM上のゲストOSでは、ネットワーク速度が10Gbps SFP+でも実測で200MB/s程度しか出ませんでした。
VM上だとネットワークはソフトウェアで処理しているため、N100のような省電力指向のCPUだとネットワーク速度が出ないのかもしれません。
結論
Intel N100のような省電力なCPUと10G SFP+が2個が搭載されたPCは世界的にみても珍しいです。
触ってみてもPCとして不思議な感じもなく、Linux/FreeBSDを動かすのなら普通に使えそうな印象でした。
Windowsはドライバを自分で探す必要があるけど、それができるなら問題なく使えると思います。
省電力CPUに10G SFP+が2個あるので、PCルーターの構築には好適なPCかと思います。
R86Sと比較して
これと似たようなPCにR86Sがあります。
R86Sも省電力なCPUと10G SFP+ 2個が載っています。
私はR86Sを持っていないのですが、R86SとToptonのこのPCを比べると下記の点で違いがありそうでした。
[メリット] Windowsが動かせる
このToptonのPCはWindowsを動かすことができます。
いくつかあるR86Sのモデルの中には、10G SFP+ネットワークカードに Mellanox ConnectX-3を搭載したものがあるようです。
ConnectX-3はドライバの問題でWindows 11では動作しない場合があるようなので注意が必要です。
なお、最新のモデルであるR86S-NはネットワークカードがIntelのものか、Mellanox ConnectX-4が搭載されているようです。これならWindowsも多分動かせます。
[メリット] 入手製がよさそう
R86SはAliExpressで欠品していたりすることがあったのですが、このToptonのPCは今のところ特に問題なく買えそうでした。
[メリット] メモリとSSDが別売りなので安い
R86Sはメモリとストレージ(eMMC)がオンボードなので、このToptonのPCに比べると価格が少し高めです。
ToptonのこのPCはメモリもSSDも別売りなので、R86Sよりは安く手に入ります。手元にDDR5 SODIMMとM.2 SSDがあれば、本体だけ買えば動かせます。
[メリット] 32GBのメモリが載せられる
IntelのデータシートによるとN100/N200/i3 N305は16GBのメモリまでしか使えないという記載がありますが、実際には32GBまでのメモリを使えます。
実際に32GBのDDR5 SO-DIMMをOSが認識するのを確認済みです。
R86Sはメモリがオンボードなので交換できない上に、16GBまでのモデルしか存在しません。
[メリット] WiFiが未搭載
R86Sの最新のモデルであるR86-SはWiFiがセットになっているようですが、このToptonのPCはWiFiが未搭載です。
R86S-Nは技適がどうなっているか不明なので、日本国内ではWiFiを取り外しての運用になるかと思います。
ToptonのこのPCはWiFiがないので、日本への輸入や使用に気を使う必要がないのは良いです。
なお、ToptonのこのPCにはMini-PCIeスロットがあるので、技適をパスしたWiFiカードとアンテナを用意できればWiFiも搭載可能かもしれません。ケースにもアンテナ用の穴らしきものがあいています。
(WiFiの使用は法律を守る必要があります)
[メリット] GPIOピンが出てる?
ToptonのこのPC、AliExpressのサイトにあるスペックシートをみてみるとGPIOピンがあると書いてあるんですよね。
マザーボードの仕様書が見つからないのでGPIOが使えるのかは不明ですが、もし使えるのなら電子工作的には嬉しいかもしれません。
![](https://assets.st-note.com/img/1715597672312-215esRT32J.jpg?width=1200)
[デメリット] でかい
ToptonのこのPCはサイズが131.7mm×155mm×60mmありますが、R86S-Nは83mm×138mm×41mmとひとまわり以上小さいです。
R86S-Nのサイズの小ささはPCルータとして運用するのに魅力的かもしれません。
参考
光クロス用の小型PCが届いた🙆♂️
— pirosap (@pirosap) December 21, 2023
みんなR86Sを買っているTLではありますが、この子は1111セールで大変お得だったTOPTON
Intel RaptorLake U300E
Intel X520 82599ES 10G SFP+ x2
Intel I226-V 2.5GbE x 4
最初からpfSenseが入ってた
6万しないのにちゃんと動いてエグいなー pic.twitter.com/PPsh7y5mtI