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最近失敗した怪獣映画のアレについて

「大怪獣のあとしまつ」が酷評されている。

私は少し前に似たような内容の映画をみて、この「大怪獣のあとしまつ」に興味を持っていた。
だが公開直後から「駄作」との感想が溢れ出し、観に行くのをやめてしまった。
ちなみに、興味を持つきっかけとなった別の映画とは「地球防衛未亡人」である。

「地球防衛未亡人」は2014年に公開された映画で、主演は壇蜜。
怪獣映画をベースに、エロティックやパロディ、尖閣諸島問題や原発問題を織り込んだ作品である。

あらすじは、日本の南方海上に浮かぶ島に宇宙怪獣が襲来し、日本の原発の使用済み核燃料を食べていくというもの。
「これで使用済み核燃料問題が解決する」となると、各国は怪獣の所有権を主張するようになり、外交問題へと発展。
怪獣討伐にあたる地球防衛軍の女性隊員は、以前この怪獣に婚約者を殺されていた……というもの。
最初は核所理に有効だと各国が欲しがっていた怪獣だが「今は単に便秘だっただけで、これが解消されたら放射能排泄物で汚染される」と分かると、手のひらを返したように怪獣処理を日本任せにするという、なかなか皮肉かつ現実的な内容だ。
そして最後までブレずにテンポ良く進む話はなかなかおもしろかったのだ。

それをもっと金と技術をかけて作った内容だと期待した「大怪獣のあとしまつ」だが、どうやら内容を聞くとそういうものではなく、シン・ゴジラをパロディにしようとしてただのグダグダ劇だったという。

まぁ、私は見ていないので内容を批評するのはやめておくが、その失敗を「客に理解してもらえなかった」と言い訳する制作側の言い訳には閉口だ。
私もクリエイターの端くれだ。
確かに意図が伝わらずに悔しい思いをしたことなど多々ある。
理由はいくらでもある。
それは製作の都合でシーンがカットされたり、それをフォローするセリフを切られたり、役者のセリフの言い回しでそう聞こえなくなってしまったりだ。
しかしそれを弁解するのは見苦しい。
スタッフ内で「いやぁ、伝わらなかった。今回は失敗したね」と反省するべき事案だ。

本件は赤字であったことを会社から責められて言ってしまったのかもしれないが、それでも客に聞こえるように言ってはいけなかったのだ。
本当に見苦しいことだ。


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葉月 陽
ゲーム業界に身を置いたのは、はるか昔…… ファミコンやゲームボーイのタイトルにも携わりました。 デジタルガジェット好きで、趣味で小説などを書いています。 よろしければ暇つぶしにでもご覧ください。