変態2画面タブレット OKPad が届いた!
クラウドファンディングのKickstarterで募集を募っていたので、面白そうだから参加したものが、紆余曲折を経た後にやっと届きました。
紆余曲折の内容はこちら。
オレンジの箱で届きました。
OKPadは、上部に通常の液晶、下部にE-inkという2画面の表示領域を持ったノートPCタイプのAndroid端末です。
そして実際に使ってみるととても中途半端な惜しい端末であることがわかりました。
それについてレビューしたいと思います。
●OSがAndroid10
これは出資の段階でわかっていたのだが、今どきOSがAndroid10なのである。
まだ現役ではあるが今どき10は古い。
●2画面は連動しない
厳密には連動していないこともないのですが、意図的に広々した2画面や、連続した1画面として利用できません。
互いの表示部分はやれることが違うため、独立しています。
というか、E-ink側でできることが限定されています。
アプリは動かせるものの、E-ink側はペンによる手書きメモを取ることに特化しています。
そもそも、E-ink側でアプリを動かすには、アプリを事前に「E-ink側専用」として登録しないといけません。
こうするとそのアプリは完全にE-inkでしか動作しなくなるため、簡単に任意に切り替えはできません。
切り替えたくなったらイーインクアプリから登録を変更しなければなりません。
非常に面倒です。
上の設定画面にテキストエディタJota+が2つ登録されているのは、互いの画面専用に割り振ってみてはどうかという実験のためでしたが、結論からいうと下画面でエディタを動かしても無駄でした。
またSurface Duoのように「上画面をテキストエディタ、下画面にGboard」という使い方ができません。
完全に「上だけ、下だけ」でしか使えません。
イメージとして「まったく別の2台のタブレットがなぜかくっついていて、ストレージだけ共有してる」ような感じを想像していただくとわかりやすいかも。
●ペンはそれぞれ別の規格
本製品にはE-ink用のペンが付属しています。
これはワコム式と思われる電池不要のタイプなのですが、E-ink側専用でカラー液晶側では使えません。
逆にカラー液晶側で使える電気式静電気ペン(市販品)はE-inkでは使えません。
どちらでもペンオペレーションしたい人は2種類のペンを用意しなければなりません。
どうしてカラー液晶側にもワコム式ペンが使えるようにしなかったのでしょうか、中途半端ですよね。
●E-ink側でのIMEは使用不可
例えば上の方で書いたように、E-ink側にテキストエディタを登録して、そちらで文章を開いたとしても、文字入力を行うGboardなどのIMEはカラー液晶側でしか起動できません。
E-ink面のみでの動作設定にしても、IMEがE-ink面に表示されることはありません。
仮にIMEアプリをE-ink側に登録しても、この種のアプリは絶対にカラー側でしか起動できないようで、E-inkを使った文章入力は、元から付いている手書き入力の専用メモ帳のみに限定されます。
ここで手書き入力した文字をテキストとして活用するにはかなり手間を経ることになります。
ちなみに手書きメモのファイル名は変更できず、必ず「新しいノート(作成日)」となります。
一週間前に作成しても「新しいノート」です。
同じ日に複数のメモを取ると「同じ日付-枝番」です。
例)新しいノート(1130-1)、新しいノート(1130-2)……
非常に困ります。
メニューに「名前を付けて保存」という項目がありますが、これは実際には「jpgファイルとして保存」なので、名前を付けることはできません。
しかも直前に使ったファイル(内部的タイムスタンプ)が新しいものが上に並び、任意なソートはできません。
せめてファイル名を付けることが出来ればよいのに、開いてみるまで中身が分かりません。
そして一度開くと、閉じた時点でリストの一番上になってしまうので、非常に使いにくいです。
●E-inkの手書きメモをテキスト化するには?
手書きしたメモは「名前をつけて保存」をおこなうことでjpg画像ファイルとしてAndroid側でも見ることができるようになります。
この「画像」をOCRアプリを通すことで、中の文字を認識、テキストとして抽出することが可能です。
一番手頃なのはGoogleレンズで画像を読み込ませれば、そこのテキストを抽出できます。最近のAndroidのOCRは優秀なので、この方法でかなりの精度で文字抽出が可能。
これをテキストエディタに貼り付ければやっとテキストファイルとして保存できるようになります。
●E-ink側は回転不可!
カラー側は普通のタブレットで重力センサーもあるので自動回転できます。
しかしE-ink側は手動で回転させることもできません。
横画面固定です。
なので、縦に持って使うことが出来ません。
これはどうなんでしょうね。
せめて手動で回転出来たら良かったのにと思いませんか?
●で、どうなの?
悪くはないです。
ただバッテリーの持ちは本当に良くないです。
使わずに放置していても結構消耗してるので、一日フルに使おうとするとちょっとバッテリーが心もとないかもしれません。
使わないときは完全にシャットダウンしたほうが良いかもしれません。
ただE-inkと手書きの相性はとても良いです。
GoogleレンズのOCR精度もかなり高いので、ひたすら手書きして、それをテキスト化することも問題なくできます。
回転はできませんが、罫線を無視すれば書くことは可能ですし、Googleレンズで読み込む前に保存画像を90度回転させれば、おそらく普通に認識してくれるでしょう。(実際、できました)
でも、やっぱり普通に縦持ちでメモしたいですよね。
せめて縦持ち用の罫線を実装してほしいところですが海外メーカー製なので日本のように縦書きする文化はないから期待しても無駄でしょう。
ということで、全てにおいて「痒いところがかけないもどかしさ!」が残るガジェットでした。
……あと2画面ある分、重たいです。
カラー側をメインで使うならBTキーボードを使うとまるでノートPCみたいに使えます。
もちろん同時に持ち歩くものが増えるので、余計に重くなりますが☆