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スマホサイズのE-inkガジェット(2)

スマホに似たE-inkビュワーのMoaan inkpalm5
前回はざっくりとしたレビューを紹介しました。

今回は実際に使ったレビューや、日本で使うための細かい設定などを書いてみたいと思います。

日本語入力を使ってみる

メニューの日本語化はできませんが、タイムゾーンと日本のwifiにつなぐことで、ブラウザなどは日本語で表示されます。
しかし問題なのはそのままでは日本語入力ができないことです。

東洋風の待機画面

そこでapkpureなどのapk配布サイトからwnnなどを入手してインストールする必要があります。
しかしここで困ったことが一つあります。
一般的なAndroidだと設定の中から使用するIMEを選択する項目がありますが、Inkpalm5にはありません。
そんな中でWnn keyboard LabというIMEはアプリ起動時に「IME有効化とデフォルトIME」の選択を行う事ができます。

ここで日本語を使えるようにする。

まずはWnn keyboard Labの使用言語から日本語を使えるように変えます。
それから使用するキーボードの設定を行います。

Wnn keyboard Labを起動したところ

ただしこのWnn keyboard Labはお世辞にも使いやすいとはいえません。
そこで同じwnnである通称「フリックwnn」(正式名称「OpenWnnフリック対応版」)を追加で入れました。
そしてWnn keyboard Labの設定を借りてフリックwnnをメインのIMEにする事ができました。

Wnn keyboard Labの力を借りて、
OpenWnn/Flick supportに変更する

これでフリックWnnに変更できます。

あとは自分の使いやすいファイラーを入れたりメモアプリを入れたりして、wifiで使いやすい設定をすれば良いでしょう。

日本語IMEを入れない場合の日本語入力裏技

最初から入っている「Sogou Keyboard」にはボイス入力機能があります。
そして入力した音声を翻訳する事ができるので、これで「発音」して「日本語に翻訳」すると喋った言葉が日本語で表示されます。
これをコピペすれば、ブラウザでちょっとした調べ物程度なら使い物になります。
人前でスマホに話しかけることに躊躇がなければ、ですが。

読書以外の用途は?

それにしてもこの端末は本当にKindleやコミックビュワーとしての用途にしか考えられておらず、その他は使いにくいです。
特にインターネットブラウジングは壊滅的です。

起動画面を「百度」から「Google」に変えることは出来たが、
ブックマークは存在しない

理由が搭載されているブラウザにはブックマークをする機能がありません。右上のメニューに開いても、ブックマークは使えないのです。

設定はこれだけ

別のブラウザを入れたくても、対応していないとインストールが失敗します。
そもそもメモリが1GBしかないので「本体設定」を開くことも失敗します。

英語化された設定画面

ここから「Device Settings」を触ると……

設定は停止されました

設定が終了されてランチャーメニューに戻ります。(ちなみに前回とはランチャーアプリを変更しています)
 
これは設定を中国語から英語に変更した影響だと思います。
wifiやBluetooth、アプリ管理は落ちないで開くことが出来ますので何とかなります。
どうしてもDevice Settingsを開きたいときには、標準の中国版ランチャー「Moan」から開く必要がありますが、メニューもすべて中国語になります。

初期ではAndroidで出来ることが出来ない

また内部的にAndroidのハズですが、「ホーム」「タスクリスト」が使えません。
ただ「前に戻る」があるだけ。
ホームランチャーからKindleを選び、目的の書籍を開くと、読み終えたら「戻る」を何度も叩いて「一つ前の画面に戻る」を繰り返してホームランチャーに戻るだけしか出来ません。
書籍を読んでいる最中にふと「調べ物をしたくなった」「ネタが浮かんだのでメモを取りたくなった」という普通のスマホでできるタスクの切り替えができません。

多少でもAndroidっぽい挙動をさせるために

一応このあと「戻る」「ホーム」の機能は持たせることができました。
やり方ですが、まずデフォルトランチャー「Moan」を起動し、「設置」をタップ。
すると中国語状態の設定が開かれます。
ここから「logo触控」を選んでロゴマークに触った時の挙動を変更することができます。
logoとは本体中央下部の「MOAAN」と書かれたロゴです。
iphoneのセンターボタンのようなものです。

中国語ランチャーからならすべての設定画面は開けます。

一度押し」「長押し」の2つですが、それぞれに「返回(戻る)」と「回到卓面(デスクトップ/ホームに戻る)」を割り当てて、Androidっぽい動作は出来るようになりました。
中国語の翻訳にはGoogleレンズが活躍しました。

リアルタイムで翻訳してくれる

タスク一覧は出来ませんでしたが、ホーム画面からアプリを選び直せば、途中状態のアプリにたどり着けますので良しとしましょう。

という風に、外見はスマホですが、基本的にはビュワー専用端末のようです。
これで読書中のメモはできるようになりました。
もう少し使い込んでみたいと思います。


その(3)はこちらから


ゲーム業界に身を置いたのは、はるか昔…… ファミコンやゲームボーイのタイトルにも携わりました。 デジタルガジェット好きで、趣味で小説などを書いています。 よろしければ暇つぶしにでもご覧ください。