児童虐待問題と失言の記憶
最近、昔の友人が、未来の子供たちのために勇気のある告発をされているのを見て、陰ながら応援しつつ「芸能界の児童虐待問題」について調べていました。
そんな折に、ヤフーニュースで著名な芸能人が芸能界を目指す若い人に向けて「詐欺師に気をつけて」という趣旨の注意喚起をしつつ、「そんな人についていかなくても芸能界は真面目にクリーンに仕事して夢が叶う世界」だとエールを送っているのを拝見しました。
その方の伝えたいことは、詐欺師は毅然とした態度で拒絶すべきという至極真っ当なことだと思いました。素敵なメッセージですし、その発言に対しては本当に何の文句もないです。
ただ本当に個人的なことですが、反響を読んでいて「正しいと思った言葉で人を傷つけた記憶」が鮮烈に蘇り、上記の芸能人の方ではなく「昔の自分の言葉」にため息がでました。
私は、10代でファッション誌の専属モデルを1年だけつとめた経験がありますが、芸能界というとほとんど知りません。
その割には、友人知人には、芸能活動をされていた人が何人かいます。
私が20代後半のネット編集者だったころ、子供たちも交えて演劇をするワークショップで知り合った元芸能人の年下の青年と、芸能界の闇について話したことがります。
私は何も知らないくせに、
「もちろん悪質な人もいるし酷い事件もあるけど…ただ、芸能界やモデル業界だけがセクハラがあるわけじゃないし出会う確率は一般社会と大差ないのでは。仮に一般の会社だって、上司からのセクハラはあるわけで。基本的には本人がリスク管理をしっかりして、毅然とした態度をとれば、避けられるケースが多いのでは…」
みたいなことを、なんとなく、話の流れで言ってしまいました。
彼はとても良い方で、いつもこちら側の意見を尊重してくれる対話上手な方でした。それでも、このときばかりは、
「リスク管理ね。それ、自分が子供で、相手は同性だったら?」
と、やや皮肉な笑いを浮かべて答えました。
その時は多分、彼が芸能界でセクハラにあった話を詳しく聞く前だった気がしますが、所属していた事務所の噂は知っていました。
私は絶句して、考えが足りなかったと謝罪しました。
冒頭の芸能人の方はご自身の体験を踏まえて注意喚起されているので、業界を知らないのに「クリーンな俺の意見を聞け」的な態度だった昔の私とはまったく違います。
ただ、話の方向性的とタイミングで、そんなことを思い出してしましました。
そんな旧友が、最近、児童虐待防止のために芸能事務所を告発する活動に協力しておられることを耳にしました。
顔を出して矢面に立っている方はもちろん、匿名で証言されている方々も、精神的な負担が大きい中での勇気ある行動に頭が下がります。
もう長くお会いしていないので、先方は覚えておられないかもしれませんが微力ながら、児童虐待防止の署名させていただきました。
※アカウントお引越しで移動してきた過去日記です