漫画家さんは素晴らしいね

好きな漫画家さんは、まず水木しげる先生、松本零士先生、そして手塚治虫先生のお三方。
なお、親しい人は私が楽しみで描く絵を見て「小山田いく先生」に似ているという。確かに、小山田いく先生と、たがみよしひさ先生のファンだった。
こういう、好きだったり、今も好きな漫画家の先生の何かを真似するしか出来ないのが、自分なんだな、と思う。

それはストーリーだったり、絵柄だったり、枠線の割り振りだったり。
どれになるのかわからない。
とにかく、人間というのは、それまでに知っている何かを組み合わせる事は出来るのだけど、ゼロから何かを形にするのは苦手、もしくは出来ないという話は聞いた。

何の話かと言うと、妖怪の形態の話につながる。
知っている何かと何かと・・・の合体とか、何かからの欠落しか作れない。
両面宿儺(りょうめんすくな)は、複数の人間の合体。
また、四聖獣(実は五聖獣)も、
青龍(東)、白虎(西)、朱雀(南)、玄武(北)+黄龍(中央)
なのだけど、龍は蛇に手足、角を生やして巨大化させタテガミをつけ、
白虎は白い虎、朱雀は巨大な鳥で赤いもの、玄武は亀が基本。

他の妖怪さんたちにしても、人間にクチバシと翼をつけたら、カラス天狗だったりする。全く新しい造形を作るというのは、どうにも難しい。

これに挑んでいるなぁ、と思うのは、漫画家だと、高橋留美子先生。
何せ、鳥山石燕先生、水木しげる先生とは違う発想の妖怪を「犬夜叉」の中で山ほど生み出している。
もちろん、稲生物怪録の妖怪とも違う、オリジナルな妖怪たち。
そういう創造する所は、もう拍手するしかない。

ためしてみると良い。
今まで見た事のない、異形の生き物を描いてみよう。
多分、相当に苦労した挙句、音を上げるか、描きあがったものを博識な人に見せたら、既存の何かに似ている事を指摘されて頭を抱えるはず。

そんなワケで、人魚のハクセイも上半身は猿で下半身はサケか何かの剥ぎ合わせで作られていたり、ご神体の河童の正体が詰物をした食用ガエルだとか、ヒドイ時にはお寺に収められていた鬼の顔面の皮に、本物の人間の歯が用いられていたりする。

そういうヤバい物はちゃんとお寺に収め続けて、必要な時に念仏を唱えてもらうに限る。少なくとも、現世にいる私らの気休めにはなるから。

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