資産運用高度化プログレスレポート2023ハイパーダイジェストまとめ。


 
一言で言うと
「資産運用業・金融商品取引業、マジやばい」
って感じ。
 
 
大きく分けると2つ。
どちらも業界の悪習に起因する
 
1、国民への不信感の蓄積
2、各種非効率な業界運営
 
が大きな問題と指摘されている。
要旨を下記に箇条書き。
 
 
1-❶国民が理解してないのにガンガン売る
ー文化的・歴史的に国民が金融・家系管理知識に乏しい
ーそして業界は文化的・歴史的に販売会社(証券)が強い。運用会社(ファンド)はだいたいその子会社。(※注1)
ーその場その場で売れそうな名前の新ファンド作らせて、顧客資産を乗り換えさせてた。
ーその度金掛かるし、長期で増えていかないので、損する顧客も多かった。
ー不信感の一因に。
 
1-❷運用会社の経営陣に運用経験が乏しい
ーさっきも言ったけど、基本「商品の作り手の立場の方が下」
ー親会社(販売会社)からの人事のローテで、ファンドの経営者になる。
ーひどい人だと実務経験ゼロみたいなことも。
ー運用の成果が出ない一因ではないか。
ーあと在籍期間も短い。(これも人事的慣習)
ー海外の優秀なファンドは半分以上が内部の持ち上がり。しかも一回就くと長い。
ー改善の余地あり。
 
1-❸中身が基本不透明(運用体制、保有銘柄、手数料など)
  ー何にいくら払ってるのかが、いまいちわからん。
―なんなら、同じ名目で二重に取ってる事になるのでは?と言う部分すらある。
ー保有銘柄や、どんなメンバーでどんな運用するかを明かさない。
ー外から見て、はっきりしないから、不信感。
  ―海外はFMやチーム員の顔や経歴モロ出し。(産直に良くある「〇〇さんが作った野菜」状態)
―日本も手の内見せてこ。
 
2-❶使ってるシステムがバラバラ
ー公販ネットワークと言う金融機関同士がファンド管理に使うインフラがある。
ーそのシステム、数社のベンダーが作ってるんだけど、それぞれ規格が互換がない。
ーA社とはパワポ、B社とはキーノート、C社とは手書きをFAXでやり取りするみたいなイメージ。
ーむちゃくちゃ効率悪い。早急に改善せい。
 
2-❷何故か二重の経理事務
ー基準価額を計算したりする際の経理を「信託銀行」も「運用会社」もやってる。
ー海外では外注して、計算に責任を持つ1つの会社で担当する。
ー(優秀な外資の参入障壁の一つに)
 
2-❸外注多過ぎ
ー外国資産に関して、基本現地運用会社に再委託。
ー一定しょうがないんだけど、ハウス内にノウハウ残らんので良くない。
 
2-❹投資対象が限定的
ー株と債券を伝統的資産、それ以外を「オルタナティブ」と言う
ー伝統的資産だけでは、パフォーマンスを出しにくい昨今。
ー海外の機関投資家はオルタナティブをうまく使って成果を上げてる
ー日本は限定的。今後に期待。
 
 
※そのほか、消費者側の課題としては、確定給付年金、みんな定期とか保険入れ過ぎ。確定拠出年金も同じ。
 
 
【金融庁的まとめ】
自国内資産への投資に限定したアクティブファンドだけ見ると、日本が一番成績良かったりするし、日本もそこそこ、ええとこある。でも色々改善の余地あり。がんばれ。

注1:証券会社や銀行と言うのは金融商品を売る「販売会社」。運用会社は商品を作ってる「メーカー」。
車業界で言うと「ネッツ店」とか「トヨタ店」とかが強くて、「トヨタ」を子会社に持ってて、そこに指示出して売りやすい車作らせてる感じ。他業界ではイメージしにくいよね。

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