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【モデル紹介】 MYLESTONE / MYLESTONE+
*あんまり写真が無かったので年末ごろ追加したいと思います。
【主な仕様】
![](https://assets.st-note.com/img/1706101704143-W3ZbR2OFMz.jpg?width=1200)
MYLESTONE / MYLESTONE+共通
・ドライバ構成:BAドライバ x7基(片側)
Low : Sonion 3300 x2BA
Mid : Sonion 1700 + Knowles DTEC x3BA
High : Sonion E50 x2BA
・音圧感度:115dB SPL/mW@1kHz
・インピーダンス:20Ω@1kHz
MYLESTONE+ (プラスオプション適用時) のみ
・ネットワーク回路の部品をアップグレード
・フィルタを交換可能な仕様にアップグレード
・内部配線を銀メッキ銅&銅の複合線にアップグレード
【モデルの特徴】
(1) 高性能ドライバの採用
高域ドライバにはSonion E50シリーズを採用しています。繊細・滑らかで、刺さらない高域が特徴です。BAドライバとESTドライバの中間のようなイメージです。中域ドライバにはSonion 1700シリーズとKnowles DTECシリーズを採用しています。前者は低〜中域において滑らかな特性を有し、マルチドライバ機の中域に適しています。後者は適切に使用することで音場拡張の効果を得ることができます。低域ドライバにはSonion 3300シリーズを採用しています。最低域のみを抽出することで全体の土台を担っています。
(2) 高精度加工部品による正確なチューニング
![](https://assets.st-note.com/img/1700189402380-o0hYU9AFDh.png?width=1200)
MYLESTONEでは望ましい帯域バランスを得るために、低域ドライバ用に独自設計の音響抵抗を搭載しています。極細の音導管を設けることで省スペースながらも高域成分を効率的にカットします。その直径は0.1mm未満。これほどの細かさでも高精度の加工技術により正確な特性マッチングを実現します。
(3) 3D-CADによるサウンドチャンバ設計
![](https://assets.st-note.com/img/1700190210299-wrEdOeJfMK.png?width=1200)
MYLESTONEではサウンドチャンバ構造を採用しており、カナル部分の限られたスペースを有効活用しています。各ドライバからの音導管はチャンバに接続されます。すべてのドライバを正確に配置するため、3D-CADによる設計を行っています。
(4) 多重フィルタチューニングによる異物対策
MYLESTONEではカナル先端部やサウンドチャンバ内など、複数のフィルタを設けています。これらはチューニングと同時に耳垢などの異物対策の役割も果たしており、安心して使用することが可能です。
【プラスオプション】
基本モデルのMYLESTONEにプラスオプションを適用したMYLESTONE+は、次の3点をアップグレード。
(1) ネットワーク回路の部品をアップグレード
![](https://assets.st-note.com/img/1700339327947-iHukzbI8hT.jpg?width=1200)
MYLESTONE+ではネットワーク回路の部品をフィルムコンデンサと金属箔抵抗にアップグレードします。フィルムコンデンサにはPanasonic ECPUシリーズを採用。金属箔抵抗にはVishay Z-Foilを採用。左右で特性のマッチングを取って使用します。いずれもオーディオ用途として定評があり、解像感の向上などが感じられると思います。
(2) フィルタを交換可能な仕様にアップグレード
MYLESTONE+ではカナル先端に装着されたフィルタを交換可能な仕様にアップグレードします。フィルタはOリングで固定されているため簡単に取り外すことができ、清掃や交換が可能になっています。
(3) 内部配線を銀メッキ銅&銅の複合線にアップグレード
MYLESTONE+では内部配線を銀メッキ銅&銅の複合線にアップグレードします。芯数および断面積の増大による抵抗値の低下に加え、配線そのものが丈夫になることで耐久性も向上すると考えられます。
【開発後記】
(1) 音質設計について
音質の設計テーマは「ニュートラル+ちょっとリスニング」です。ニュートラル90%+リスニング10%くらいをイメージしています。中域ドライバ&高域ドライバでベースを構成し、低域ドライバで少し低域を補助しています。
チューニングの過程では測定と聴感の両面から調整を行なっています。序盤は聴感に比重を置いておおまかなバランスを決定します。中盤は測定に比重を置いて特性上の変化と聴感上の印象との対応を確認します。終盤は聴感に比重を置いて測定にはほぼ現れない微調整を行います。このような手順によって、測定と聴感のどちらにも寄りすぎないバランスの取れた音質を得られたと考えています。
また、チューニングはプラスバージョンで行なっています。やはりフィルムコンデンサ&金属箔抵抗の威力は大きく、通常バージョンに対して空間の隙間が少なくなるような解像感の向上を感じました。例えるならGoogle Mapの標準表示がバージョン、航空写真表示がプラスバージョンのようなイメージでしょうか。部品自体が比較的高価でありコストはかかってしまいますが、是非お試しいただきたいと思います。
![](https://assets.st-note.com/img/1700559528022-zpXWibAzKX.png?width=1200)
(左:通常バージョン / 右:プラスバージョン)
(2) 構造設計について
![](https://assets.st-note.com/img/1700339593397-89fDhpWiUD.jpg?width=1200)
構造設計のテーマは「合理性」と「3D-CAD&プリント技術の投入」です。それまでカスタムIEMというものに感じていた課題を解決するために、リシェル作業等で培った3D技術をフィードバックしています。代表的なものはサウンドチャンバ構造とフィルタ交換機能(プラスバージョンのみ)です。チューニング作業の煩雑さや耳垢などによる汚れ・故障という課題を解決する合理的な設計で、3D技術でなければ製作できなかったと考えています。前述したようにMYLESTONEはカナル先端やサウンドチャンバ内などに複数のフィルタを搭載していおり、これらはチューニング作業の効率化と異物対策の2つの役割を果たしています。加えてフィルタが交換可能であることによってメンテナンス性も大幅に向上しています。
その他にもコネクタ取付位置のモデル化による装着時の干渉予防など、3D技術を活用した設計を各部に行なっています。
【作例紹介】
【レビュー紹介】
皆様からいただいたレビューをご紹介します。
フラットなモニター系サウンド。 全体を通して霞がかった感じがなく、クリアで音がダイレクトに聴こえて来る感覚があります。フィルターを感じない自然なサウンドで澄んだ音の広がりがとても気持ちいいです。 高い解像度と定位の良さに加えて分離も良く、どの帯域も繊細なところまで埋もれることなく聴かせてくれます。誇張してないのにしっかり存在感がある低域は特にその特徴が表れているのかなと思います。
BAの構成からして、音作り的にEYES+とは明確に差別化を図られていると思いますが、MYLESTONE+に関しては空間表現や前後感の描写力がズバ抜けていると思います。ニュートラルに作られている事もあると思いますが、ホントに癖が無いなぁと。細かい情報量の表現に関してはEYES+に軍配が上がると思いますが、それを差し引いたとしてもイヤホンでここまでの空間表現の描写力には恐れ入りました。