
1. 不動産鑑定士の倫理及び責任の範囲【第18回考査選択問題集】
全24問 / 2024-09-22作成
1. 用語の定義
問1(鑑定評価等業務)
不動産の鑑定評価等業務とは、「不動産鑑定評価に関する法律」の第3条第1項の業務(鑑定評価業務)、同条第2項の業務(隣接・周辺業務)を言う。経済価値を判定しない価格等調査は、同法第3条第2項の業務に該当しない。
解:✕(講義テキストp5付近参照)
"不動産の鑑定評価等業務とは、「不動産の鑑定評価に関する法律」の第3条第1項の業務(鑑定評価業務)、同条第2項の業務(隣接・周辺業務)を言う。"
ここまでは正しい。
"経済価値を判定しない価格等調査は、同法第3条第2項の業務に該当しない。"
この部分は誤り。
同法第3条第2項の業務に該当するのは、下図の網掛け部分(黄色)である。

2. 処分基準
問1(処分基準改正の背景)
「不当な鑑定評価等及び違反行為に係る処分基準」が改正された背景には、不動産鑑定評価基準等の改正、及び不動産現物出資制度を悪用した不公正ファイナンス事件に関連した不当な鑑定評価に係る懲戒処分案件が続発し、不動産鑑定士が依頼目的の確認を明確に行うことなく鑑定評価書を発行した結果、投資家や市場関係者の信頼を損ねるに至った例がみられるためである。
解:○(講義テキストp7付近)
※参考:「不動産現物出資制度を悪用した偽計事件について」(証券取引等監視委員会事務局)
https://www.fsa.go.jp/sesc/torikumi/20111213-1.pdf
問2(処分基準)
不動産鑑定業者に対する監督処分基準は、不当な鑑定評価及び不動産鑑定士又は不動産鑑定業者による違反行為について、不動産鑑定評価に関する法律第40条第1項、同条第1項の規定に基づき違反の程度により登録消除・業務禁止・戒告が定められている。
✕(講義テキストp12付近)
業者による違反行為は監督処分であり、鑑定法41条に定められている。鑑定士に対する懲戒処分が法40条である。
なお、業者に対する懲戒処分は、鑑定士が懲戒処分を受けた場合において、業者の責めに帰すべき理由があるときも行われる(法41条2号)。
"違反の程度により登録消除・業務禁止・戒告が定められている。"
法41条の懲戒処分は、登録消除・業務停止・戒告である。
問3(処分結果の公表)
処分結果の公表は、官報に公告、及び国土交通省のウェブサイトに次の情報が掲載されることで行われる。処分日及び処分内容に加え、処分対象が不動産鑑定士である場合は、処分日、不動産鑑定士の氏名・住所・登録番号、不動産鑑定業者である場合は、名称又は商号、処分対象となった事務所の所在地、代表者の氏名・登録番号である。また、必要な場合は関係都道府県のウェブサイトへの掲載を依頼する。
解:✕(講義テキストp14付近)
処分を受けた不動産鑑定業者の「処分対象となった事務所の所在地」ではなく、「主たる事務所の所在地」が掲載される。その他は正しい。
問4(処分基準)
不動産鑑定業者に対する懲戒処分基準は、不動産鑑定評価に関する法律第41条第1号及び同条第2号の規定に基づき登録消除・業務停止・戒告が定められている。
解:✕(講義テキストp7-12、p33付近)
業者に対しては、監督処分が行われる。懲戒処分は不動産鑑定士に対するものである。

3. 国交省モニタリング
問1(趣旨)
国土交通省が実施する鑑定評価のモニタリングは、不動産鑑定評価の信頼性の更なる向上を図り、鑑定評価の適切性を市場に示すため、鑑定業者への立入検査、鑑定業者の体制・受注状況等に関する書面調査、鑑定評価書の審査、関係者からのヒアリング等により、鑑定評価基準の適用状況、不動産証券化市場や不動産取引市場等に及ぼす影響等について把握・検証するものである。
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