【不動産鑑定士試験~修了考査】雑感
熱いものも喉元過ぎて全て忘れたよっちゃむです。こんにちは。人は記憶を失うことで心身の健康を守っているようで、つらかった去年の記憶もかなり薄れてきました。しかし、あれから色んな人と話して思うところも出てきたので書いていきたいと思います。
易化だ、易化だ、というが
鑑定士試験、世間一般の感覚で簡単なわけがないんだわ・・・。相対評価の試験だし、論文の合格率が上がって、修了考査の合格率が大幅に下がりました。総じて昔と対して変わらないどころか、後に引けなくなったという意味では旧試験に近いんじゃないですかね。
ちなみに、易化ってエキカじゃないですからね、イカと読みますからね。私は毎回間違って書いて変換して気づいてます。
論文合格者は少なくない割合がバケモン
良い意味でね!(良い意味?)
鑑定士試験て、誰でも受けられるじゃないですか。なので、幅広い層の受験生がいると思ってて、それは間違いなくそうなんですが、思った以上にバケモンが多い。私は地方の公立小中高ときて、通信高校卒なので、全然想像がつかなかったんですよ。「一般人も努力すれば受かる」と聞く試験ですが、それはその通りだと思います。でも、東大・京大卒、弁護士・会計士、大学受験の全国模試一桁みたいなのとかがゴロゴロいるし(確認済)、賢い上に常軌を逸した努力を普通にしてくる人たちがさらっていったおこぼれを我々一般人は奪い合っていたのかもしれません・・・。
私達は、生まれ持った知能が低いから試験で点が取れないのだとすーぐ腐っちゃうんですが、彼らの「努力」は我々の考える「努力」と桁も次元も違うようでした、残念ながら。
基準は何回読めば覚えられますか?じゃあない。覚えるまでやるんだよ!!!(´;ω;`)論文合格のコツは、心身が再起不能にならない程度に狂ったように勉強することだと思いました。憎しみをパワーに変えろ。
浮かれることを許されない実務修習
そんなバケモンと息も絶え絶えのパンピーで構成される合格者たちでしたが、論文合格後も息をつく暇はありません。
速攻で修習先を決め、それぞれが36~111万円の実務修習料金を支払って(大島鑑定さんの修了考査対策付きは別途いくら?)実務修習を開始します。基本演習の地方遠征組は、交通費や宿泊費として1回数万円~10万円程度×4回の出費がありました。特に地方民は、就職先がなかったりもするので(私)、経済的にも試練でした。
そして、一般実地演習でよくあるのが凡ミスによる即決非認定・・・。自分は資料つけ忘れで、次期再提出となりましたが、精神的ショックがかなり大きかったです。その題材、後日最初からやりなおしですよ。修習生の中には、1年コースで最後の提出回にやらかして、その年の修了考査を受けられない人もいました。再提出は、指導料として1案件あたり6万円ほど追加で支払う場合があります。
たしかに、鑑定評価書はミスが許されない重い責任を伴う仕事ですが、果たしてこの部分をここまで厳しくすることは必要なのでしょうか。
資料つけ忘れ即決非認定の罠
基本修習のうち、一般実地演習では、複数のPDF(本文、試算表、その他資料)を1つに合体して提出するという特性上、見直しを繰り返した後に合体し忘れのものが出やすいです。そうすると即決非認定になります。このケースが最も多いのではないでしょうか。かなり聞いてます。
そこで、某修習機関では、PDFをがっちゃんこするマクロを用意してミスが起こらないようにしているようです。合理的。
現在の一般実地演習の評価は、即決非認定が重すぎて、他が無視できるくらい軽い・・・とまでは言いません。しかし、軽微なミスは放置して形式的な部分を完璧に仕上げるゲームになってるので注意が必要です。とはいえ、ここで作成した評価書がいい加減だと口述の考査で問い詰められる場合があるので、あまり手抜きもできず。
絶望の修了考査
いよいよ修了考査で最後のバトルです。建前上は、実務修習で得た知識の確認であって、絶対評価であるはずなんですが、どうなんですかね。
今までで最も動揺した試験
今、自分の受けた筆記の考査の問題を見直してるんですが、脳が拒否して全然頭に入ってきません。
選択問題15問のうち計算問題2問を除いた13問で、自信持って肢を切れたのがたしか2、3問だった気がします。10問くらいは1/2~1/3くらいまでしか絞り込めず、血の気が引いたの覚えてます。実際に血圧下がってたと思います。こんなに絞れないなんて、運任せってことじゃないですか。絶望。
終わった後は、何人かの修習生と飲みに行ったのですが、計算問題の開発法は計算機で出した答えが選択肢に無いし(たぶん四捨五入ミス)、疲れてぼんやりしていた気がします。
当たり部屋(終始和やか)
筆記の考査から1週間程度間を空けて、口述の考査でした。余談ですが、私の親戚の結婚式やったとこの隣のビルでした。
1日3回、各回は3組に分かれて順番に面接部屋へ行くのですが、その日最終回の最終組でした。文字通り震えてたのですが、部屋の前で呼ばれるのを待っていると、中で面接官たちが談笑しているようすで、少し緊張がほぐれました。緊張してガッチガチの受験生に配慮してくれたのかな、と思ったり。良い先生方でありがたかったです。え、当たり部屋があるならハズr・・・・
明暗を分けたのは何か
「修了考査は落とす試験ではない」
数年前まではそのようだったのですが、今の難易度は異常です。
全員点数が返ってきたらいいのですが、合格者は自分の点数は貰えません。短答・論文と違い、試験問題があまり分析されておらず、問題集やまとめテキストがないため、効率の良い対策が難しいです。
データ数が少なく、本当のところはわからないのですが、筆記考査対策の勉強にどれほど時間をかけられたかが重要だったと思います。そして、考査の合格率に実務経験はほぼ関係ないと思います。
また、ここも不明なので言いにくいですが、口述の考査は運の要素も大きいでしょう。
では、最後に私が考査対策でやった勉強と、それについての考察を書きます。
(筆記考査)計算以外の選択問題
e-ラーニングの確認テストを組織的に収集しておき、それの解説本を作りました。めちゃくちゃ時間がかかった上に(そりゃそう)、確認テストからは大して出題されなかったので、効率悪かったです。でも、問題解かないと覚えられない人間なので、しょうがなかったかな・・・。
他の人も言ってましたが、やはりテキスト熟読・暗記が一番だと思います。分厚すぎるテキストなんですが???
(筆記考査)計算問題
確認テストとテキスト掲載の問題を何回か解いて、どれが出てもスムーズかつ完璧に解けるようにしました。1問落とすと痛いので。
実際試験を受けてみても、やはりここはしっかりやった方がいいと思います。そんなに時間かからないので。
確認テストは収集する必要は無くて、テキストだけでもよかったかと思いました。問題と答えの数字が変えてあるだけなので。
(筆記考査)論文問題
前年度合格者の人から、久々に論文書くとスラスラ書けないとか時間足りなくなるとか言われてたので、演習ナイトスクープ・iris探偵(以下、リンク有り)の口述対策noteを読み、予想論点を答案構成又はフルで書くということをしました(回し者じゃないですが、まとまっててコスパ良いのでオススメ)。時間を測ってやってみて、自分の場合は答案構成で10~15分、それを書くのに40~45分というところまで把握しました。
鑑定士試験の論文より、論点に対し書く欄が少なく(A4用紙2枚でしたっけ?)、書き直しが痛いので、答案構成を長めに取りました。
やはり、何度か書いて時間も把握しないと、腕が鈍ってるので本番書けないと思います。計算以外の選択問題の難易度が異様に高く、かなり時間を食われますが(私は見直しができなかった)、論文も書ききらなければもったいないので、時間配分が重要でした。
基準の暗記は必要ないと思いますが、暗記していれば完璧に書けたな、という小問はあったかも。個人的には、基準の暗記に割く時間があるなら、テキスト読んで選択問題対策した方がいいかなと思います。
口述の考査
修習生3名と面接の練習をしました。住宅地・商業地以外の類型は全てやったかもしれません。最初はつっかえてばかりでしたが、かなり場馴れしてきて、簡潔かつスムーズに答えられるようになりました。上がり症で実務経験もほとんど無いため、この対策は有効でした。
面接に自信がなければ、ぬいぐるみ相手でもいいので、なるべくたくさんの類型の面接練習をしておくべきだと思います。
回答は簡潔にして、たくさんの質問に答えると、加点式で点数がのるとかいう噂。ほんとのところは知らん。