鹿児島国体、断念 Vol.3
立て続けに2本更新したものの、その後が続きませんでした。
言い訳としては(胸を張って言う言葉ではありませんが)、8日月曜日から専門学校の講義が始まるために少々準備をしていたということでしょうか。
この前期はオンライン講義での開催となるため、例年にない“戸惑い”がありました。
その話は、次回以降にさせていただき、今回は……
鹿児島国体が延期に。その課程は
Vol.1で触れた案件です。
非常に残念ですが、新型コロナウイルスによる、この流れに逆らうことはなかなかできることではありません。
実際、突如として国内でクラスターが発生していることを考えれば、関係者の皆さんにとって納得はできないかもしれませんが、理解せざるを得ない状況ではないでしょうか。
特に鹿児島国体に出場内定されていた皆さんのお気持ちを考えると複雑ですが、致し方ないところです。
結果、危惧していたことではありますが、とりあえず一つ結論が出たというところです。
その前に、国体九州ブロック大会の中止が発表されていました。
国体九州ブロック大会、沖縄開催を中止 実行委員会、新型コロナ感染リスク考慮
埼玉県でもサッカーに限ってですが、各カテゴリーのコーチングスタッフは確定しており、強化準備に入る予定でしたが、できないままでした。まだ関東サッカー協会から正式な通達は出ていませんが、各年代の関東トレセンリーグなどの予定が気になるところです。
そこで気になる記事がありました。「沖縄タイムス」さんの有料会員限定ですが、
代表 競技団体に一任/選考方法結論出ず
[視点]試合なし公平性どう確保
要は全国大会として開催するにあたり、こういう懸念をどう払拭するかが問題です。
個人的に、スポーツに「公平性」という言葉は存在しないと思っていますが、やはり、誰もが“ある程度”納得できる課程を踏まなければ前に進めないわけです。
これは東京オリンピックも同様。
大きな大会になるほど、多くの人たちの「目標」になっているのですから、「責任」もあるのです。
中途半端な代表、選抜では、許されませんね。
ただ、今の問題はやはり人が集まることの危険性、移動することの危険性ではあります。
国体の開催可否は来週中に決定へ、初の中止も視野に
実は鳥取県の話、この記事で初めて知りまして、改めて島根県を確認しました。2029年に内々定しているとのこと。ただ、これもずれる可能性が出てきました。
政治的解決するしかない
さて、ここからの課題は、鹿児島国体を中止にした場合、来年以降の開催順はどうなるかです。「全国高等学校総合体育大会」は複数県開催が可能になってからは競技によりますが、地域として8年に一度程度回ってくるようになりました。
一応、個人的な理解として「全国高等学校総合体育大会」は選手たちが主役です。
しかしながら、国民体育大会(本大会に限る、と言ったほうがいいでしょう)は約半世紀に一度回ってくる、47都道府県にとっては大イベントです。
(近年では、1993年に香川県と徳島県の合同の東四国国体がありましたが)
正直こちらに至っては、選手が主役かと聞かれると、開催県が主役のような気がしています。
よって、下記のような要望が出てくるのですが、当然だと思います。
複数年予算を組むなど、とにかく準備がすごいのですから。
国体後催県への対応を スポーツ庁などに 三重など4県が要望
正直、答えは出てきません。
現実問題として、来年度開催地である三重県に「鹿児島を来年にするので、再来年にしてね、よろしく」なんて軽々しいことは言えるはずがありません。
敢えて可能性としては、準備に入っていない県の前に鹿児島を入れてあげるということでしょうか。
それぞれの立場があるでしょうから、なんとも言えません。
敢えてVol.1で触れたのは、この国体の件は、高校総体や甲子園の比ではないからです。
だから、早い決定を欲したのですが、これはもう政治的解決をしなければどうしようもありません。
国体は、本当に「重い」のです。
確かにいろいろと国体への批判、疑問が聞こえてきます。
個人的には、国体は継続できるならば継続してほしいイベントの一つです。地域活性化の起爆剤であることは誰もが認めるところです。
実際、Jクラブでも国体を目標にしてスタジアム建設に協力するなど実利もあるのです。例えば、2022年開催予定の栃木県では、今年「カンセキスタジアムとちぎ(栃木県総合運動公園陸上競技場)」が完成し、盛り上がりが期待されています(サッカー専用スタジアムからだと、やや抵抗があるかもしれませんが……)。
マニュアルをコピーし続ける大会運営では
個人的な話を一つ。
ある時期、国体を毎年取材していたので、いろいろと思うこともあります。
一番残念なのは、前年大会の反省がなされていないということです。
昨年、久しぶりに茨城国体の取材をしましたが、メディアへの対応は一切変わっていませんでした。
これはマニュアルがほぼそのまま流用されているからだと思われるからです。
サッカーの取材ですから屋外です。取材席は一張りの正面だけ開いたテントだけ(風雨除けも考えてのことだと思います)。もう一張りは関係者用。
「あるだけいい」のかもしれませんが、その中に長机が2列と、その長さに合わせた折りたたみ椅子が配置されています。
イメージしてください。正面だけ開いたテントですので、右端に座ると右側が見えず、左端に座ると左が見えないという構造です。
それも、それは前列のみ。後列に座ってしまうとほぼ正面しか見ることができません。
極端なことを言うと、それなりの大きさのテントではありますが、
まともにピッチ全体を見ることができるのは真ん中最前列に座った人だけなのです。
取材者が一人だけならばいいのですが、なかなかそんなことはないわけです。
では、どうするか? 簡単ですが、テントの前、長机の前に椅子を出して見るということです。パソコンやメモは膝の上。
まぁ、あまりに日差しが強かったり、雨が降ったらできませんが(苦笑)。
メディアへのサービスがよくなると、もっと国体の露出は増えると思っています。
というか、もっと関心を持ってもらえる施策も必要でしょう。
自県開催が終わると、寂しいことにその後の報道はあっさりですからね。
そうだ。2004年の「彩の国まごころ国体」では、大会役員でした。
役員の立場ではありましたが、取材者へのホスピタリティは高くは感じなかったんですよ。
というのは、顔見知りの皆さんから「試合が見えない」とかの苦情が相次いで。
まぁ、当時は私にも言いやすかったんだと思います(苦笑)。
でも、もう大会が始まってからだと修正しようがないんですよね。
かなり話が、逸れてしまいました……。
それで何が言いたいかというと、政治的解決が待たれる中、せっかくなので立ち止まって、「国体のあり方」や方法、規模などを検証していただきたいということです。
もっと、フレキシブルにできるところもあるでしょう。
もっと、こだわる部分もあるかもしれません。
それこそ、地域的な個性がもっとあったほうがいいと思うのです。
前大会のマニュアルをコピーしている時代ではありません。
これからの少子化を考えた大会の想定や、開催競技種目をオリンピック種目と連動させることも検討してはいかがでしょうか。また2巡目の終わりが見えてきた中で、3巡目のあり方の議論が聞こえてきてほしいものです。
最後にサッカーは近々、こんな形になります。
サッカー女子が2種別に 22年栃木国体から