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🎥「チワワちゃん」
パッと見は、ひたすら眩いキラキラ感を放ってるけど、実際はそのなかにある脆さや儚さ、何処にでもありそうな現実が、
はっちゃけた青春ヤングアダルトの世界に溶け込んでて好きが溢れた。
青春に対して、こんなにも空虚を感じたのは初めてかもしれない。
何度でも噛み締めて、自分には無い時をこの目に焼き付けておきたいと思った。
きっと人生何回やり直したってこんな爆発的な瞬間には巡り会えないのだろう。
どこからともなく心地の良い嫉妬に襲われた。
憧れ、だったのかもしれない。
この先もきっと訪れはしないのに、いつまでも待っていたくなる青い春、といったところ。
因みに様々な登場人物のなかでも自分は、ナガイが好きだ。無邪気に、健気にチワワを想う姿と、その時々にふと見せる切ない表情や、感情の揺れは、
他の登場人物とは一味違う、大切な存在だった。
永遠にも思える時間や人間関係と、
永遠なんてないんだよっていう現実に揺れる、
儚くも鮮やかな瞬間を見届けたように思う。
憧れや嫉妬、多くの感情を抱かれる"青春の象徴"は脆かった。ただ強く魅せられた。
本当のことは何も分からないまま、見せぬまま儚く散ったチワワちゃんの存在は、それぞれの友人たちにどんな思いを巡らせ、何を残したのだろう。
どこまで人に自分を見せていくかって難しいものだし、別に全てを分かり合っていればいいってものでもないのだろう。
ただ、その点において今の自分と向き合うとすれば、どこまでさらけ出しても好いてそばに居てくれるマイメンたちへのラブみは溢れて止まない。
自分には縁のない世界であることは事実だし、あまりにも非現実的だ。故に惹かれるのだろうけれど。
ただ、彼らの生きた刹那的な時間は、単なる善し悪しで決められるものでは無い。
はしゃぎ倒して、ひたすらに毎日を消費していく日々のなかで、彼らはそれぞれ悩み、葛藤してた。それは、自分からしてみれば希望の光に思えたほどで。
加えて、心に抱えた傷や葛藤を騒ぎ倒すことで埋めることなど、やはりできないのだということには改めて気付かされ、グサリときた。
色々書いたれど、若さゆえの感覚なのでしょうか。大人になってしまったら気づけなくなるものなのかもしれない、それはなんだか寂しかったりもする。
エンドロールと共に流れるHave a nice day!さんの「僕らの時代」も大好きな1曲。
この作品そのものってかんじでして。
イントロで言葉にならない胸の熱さにやられた瞬間が忘れられない。切なさが込み上げる。
十代の終わりにこの作品を観ることができて良かった、心底思う。
この歳だからこそ響いてくるものがあったんだと思う。
数十年先でもう一度観て、自分はどう感じるのかがとても気になる。
ずっと考えてる。
まだまだわからない。多分ずっと。
青春も。大人になる、なんてことも。