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隙のない好き

バイト先、急にセルフレジに変わってた。
ローカル過ぎて常連さんしか来ない店だから、
あら!変わったんだねぇとか前のよりこっちのほうがいいわねぇとか使いにくいと怒る人とか。
褒められたり文句言われたりの4時間はいつになく慌ただしかった。

皆で慣れて、馴染んで、そのうち無になってこうねって思った。

変化はそわそわとした不安があるけど、ドキドキの方が私は大きいから割と好き。
変わらないために変わり続けるって言葉とかもよく聞いたことあるけど、どうもあまり腑に落ちなかったから単純に、
今よりも、次はどうかな、って高鳴る好奇心。

私にとって思考部屋と化しているレジ。
ここには沢山の言葉と堪えた涙や堪えきれなかった涙がある。
いや、何をそんなドラマチックに書いてるんだろう。そんな大層なものではない。照笑

それでも、いつも遠くのおにぎりとお弁当を見つめてはぼんやり何かを想ってる。

ちゃんと言葉にできることなんてたかが知れてて、何も生まれない時間を過ごしてしまうことに気づいては焦ったり気に病むことのほうが多いかも。

でも今日はなんとなく整ったことがある。
恋や愛について。
最近どうなのよって聞かれたから。

中高生時代とあと少しは、恋愛無しには生きていけぬ、語れぬ程、誰かに恋をしていた。

恋は楽しさやキュンとする感じよりも
胸の痛みや切なさが多い現実を、

私は恋をしている時間に充実感、濃さをもたらしているように思うから理にかなってる気がする。

何より、そんな時間をもがいて生きている自分が好きだったから。

もう暫くきっと恋などすることはないだろう、と少し前に直感的に思った。
このご時世だからということも相まってではあるだろうけど。

これまでは誰かを好きになると、恋してるんだって確信すると、
ただただ、自分がその人とともに過ごす日々を思い描いたり夢見たりした。
誰にも譲れないって必死だった。
どうあれば自分はその人のそばに居られるだろうとか考えた。

でも今は、その人が望む、より良い日々がずっとあり続けてほしい、その人はどんな日々を思い描くかなとか、
その人を大切に想うからこそ、
たとえ自分がそこに居られなくても構わないからねってなるような。

それは、自分を蔑んでいるわけでも謙虚さでもなく、ここには大きな熱量をもった愛があるって私は思っている。もはや尊いのかしら。笑

恋をしたいような気持ちに駆られる時ももちろんあるし、なんとなく空虚だなあと思っちゃう時もある。

でも、
恋は相手を強く想っているようで案外自分を主体として感情が動いていることに気づいたし、
それを通り越してより深みある感情で、相手を想ってる今が愛おしいって思った。
そして気づけば自分のこともすごく好きで、大切に思えてきた。
こういうことなんじゃないかなって思った。

人との関わりが余りに無い日々で、やけに自分の暗さ、弱い部分が目立っては虚しくなることが多いけど、
自分も相手も隙間なく埋めつくした心で好いていくよ。

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