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【麻雀】カイメン

★はじめに

近年はレックスやアルティマ等の自動配牌卓を使用する店舗が増え、Mリーグでもその自動配牌機能が採用されています。
しかしながら、全ての店舗・麻雀卓が自動配牌卓ではありませんし、ルールによっては自動配牌卓ながら、投サイ(サイコロを振る行為)による手動配牌で取り出す場合もあります。
本稿では、投サイによる配牌取り出しについて語りますが、サイコロの出目がいくつだとどこから取り出すといった【ルールの領域】のお話は今回は省略します🎲あくまで【所作】のお話とさせていただきますのでご了承ください🙋‍♂️

本稿タイトルの「カイメン」ですが、漢字では開門と書きます。麻雀プロのプロテスト筆記試験くらいでしか、その読み書きが必要になるシーンはないと思いますが💦
カイメンとは、ずばり親がサイコロを振り、出目が示す適当な牌山から2幢(トン)を取り出していく行為を指します。ちなみに幢(トン)とは、上下の牌一つずつの組み合わせのことで、2幢(トン)は上下セット2組の4枚の塊のことを意味します。

手で掴んでる4枚を2幢(トン)と言います

このカイメンの際、子方の自山から取り出しを行うときに、どこから取り出せば良いかを親に示すために牌山を子が分けることをする場合があります。基本的にこの行為はNGです🙅‍♀️
カイメンは親が責任を持って行うべき行為であり、子は親のカイメンが適切かどうかをしっかり確認する義務があります。子が親を差し置いてカイメンを行い、万が一その結果牌ポロリをした場合、それは他家の手牌を勝手に開けるような行為と同等なのです🥵💦
とは言え、初心者の方含め投サイ取り出しに不慣れな方もいらっしゃいますから、そんな時にはTPOをうまく勘案して、子方が「ここですよ」と山を割って導いてあげるのがテンダーかつスマートと思います☺️
とは言え、諸々理解して慣れている親のカイメンに際して、子方が自山を割る行為は"粋"ではありませんし、親が取り出そうとした手と交錯して牌山が崩れたりする恐れもあります。基本は親の仕事であることを理解した上で、とは言え柔軟に対応しましょう。

★カイメン

さて、では親の仕事であるところのカイメンについて、具体的なスマートな所作を見ていきましょう。投サイの結果、5が出て親の自山から取り出している想定です。

2幢(トン)掴み、牌山を少し右方向へスライドさせる

2幢(トン)を画像の状態から、直接手前に引き抜く人が体感8割を超えます。これをやると、上側の角の牌がポロリするリスクが非常に高いです。牌ポロリは、麻雀のゲーム性を著しく損なう事故であり、"粋"ではありません😱放銃抽選だけでなく、牌ポロリ抽選も極少になるように進めるのが麻雀であると考えています。そのために、画像キャプションにもある通り、2幢(トン)掴み、牌山を少し画像右方向(残置する王牌側)へスライドさせるわけです。その意図は次の画像で明らかとなります。

空けたスペースを利用して、左上方向へ引き抜く

2幢(トン)を安全に引き抜くためのスペースをこうしてつくっているわけですね💡真っ直ぐ抜くのではなく、王牌側を避けつつ、空いたスペースを利用して、左上方向へ引き抜きます
当然、この方法でも牌ポロリを100%防げるわけではありませんが、直接手前にぶっこ抜こうとするよりはポロリ率は圧倒的に低いですし、何より見た目に所作として美しいです🕺✨私が所属していた最某位戦日本プロ麻雀協会で推奨されている所作ですので、間違いはないかと思います。

ご安全に!
出来れば2幢(トン)毎に開いていきたい

ここから先は、2幢(トン)引き抜く時には空いている空間に向けて斜め上方向に引き抜くことを意識して、牌山に摩擦や負荷を極力かけないことでポロリしないようにやっていきます。

★表ドラの開示

さてカイメンに関連して、表ドラの開示という仕事があります。表ドラの開示は親がすることもありますが、基本的にはカイメンの結果で取り出しが始まった牌山の目の前の人がするべき行為です🙋‍♂️
不慣れな人の自山(目の前の牌山)が割れた時などは、表ドラの開示が遅延することはよくありますから、そんな時は角が立たないように指摘してあげるか、サっとめくってあげるかしてテンダーかつスマートに対応しましょう🫰
では表ドラ開示の所作を見ていきましょう。以下の一連の画像は私のやり方です。本件は明確なルールや教科書がない領域ですが、大変恐縮ながら私なりにスムーズなゲーム進行と公正・公平性の担保を意識した結果辿り着いたルーティンです。何かのご参考になれば幸いですが、ご意見等あれば遠慮なく仰ってくださいませ🙇‍♂️

①牌をこぼさないように右手をそっと添える
②嶺上牌(リンシャンパイ)をおろす
③L字型の上側とおろした嶺上牌に左手をそっと添える
④右手の親指人差し指を使い表ドラ表示牌をめくる
⑤そっと崩さないように摘んで
⑥丁寧に適度に全体を整える

この表ドラ開示には以下四点のポイントがあります。

【ポイント】
可能な限り速やかに開示する
・自分の手番時等、他家の取り出しの妨げにならないタイミングで行う
真っ先に嶺上牌(リンシャンパイ)をおろす
・画像の通りに両手を適当に使用して遂行する

一点目、「可能な限り速やかに開示する」については、スムーズなゲーム進行という意味でも当然なのですが、一番大事なのは開示のタイミングが遅れることにより情報処理の時間に各家に格差が極力発生しないようにすることです🤔💭長考しない前提であれば、第一打を真っ先に切る親が不利、待ち時間が多少ある北家有利となりますよね。急ぎすぎて慌てて牌ポロリも面白くはありませんが、公正・公平性を担保するためにも可能な限り速やかに開示しましょう✈️✨

二点目、「自分の手番時等、他家の取り出しの妨げにならないタイミングで行う」について。これから下家が取り出しをしようと手を伸ばしているときに、表ドラの開示の一連動作に入っていると、手と手が交錯するリスクがあり、牌ポロリ抽選を受けまくることとなります💥これから自分が取り出すぞというタイミングで表ドラの開示を行うのが理想ですが、下家をあまり待たせすぎるのも申し訳ないというもの。そこは臨機応変に手と手が交錯しないタイミングを狙って表ドラの開示をしましょう👀✨

三点目の「真っ先に嶺上牌(リンシャンパイ)をおろす」については、正直真っ先でなくても良いのですが、競技麻雀においては真っ先であることがマストです。競技麻雀が絶対である!というわけではありませんが、競技麻雀の所作には全て合理的な理由があります💡それは徹底して公正・公平性が確立した環境を整備するためのものです。堅苦しすぎるのは遊戯としては不適切になるシーンもあると思います。しかし、この公正・公平性という根底にある理念は理解をした上で、うまく取り入れるとより一層"粋"に遊べるのではと思います。話がそれました。嶺上牌(リンシャンパイ)を真っ先におろす理由は、表ドラの開示を行なう時に牌ポロリするリスクをさげつつ、その後のゲーム進行においても牌ポロリしないようにするためです⚠️
※そもそも嶺上牌(リンシャンパイ)はおろさなくてもよいのでは説もあり、私もそれなりに妥当かと思っていますが、目上の人に「了解です」と言わない話と同様、現状で色々な意味でベターな選択肢「真っ先におろす」があるならそれを選ばない理由はないと考えております。

四点目の「両手を適当に使用して遂行する」について。これはもうシンプルに、牌ポロリさせないため、そして牌ポロリさせないぞという意思表示のためです🙏

<脱線開始>
麻雀には配牌取り出し時や推牌時、和了・流局の倒牌時以外には利き手以外は卓上に出さないという古のマナーが存在します。これは簡単に言えば「イカサマをしません!」という表明なわけですが、競技麻雀的に言えば公正・公平性の担保ということになります。紛らわしいことをして他家を惑わせたりしないということですね🔍👁️
しかし世の中は全自動卓が主流となって、イカサマリスクもほぼ無くなり、一方で麻雀のゲームとしての参加機会の敷居が下がったことから、「基本両手を卓上に出さない」を始めとするイカサマ抑止マナーも今後は形骸化していくのかも知れません🫥
私は配牌取り出し時ですら「両手を卓上に出すな」と習い、そういうものだと思って育ってきましたので、その所作が完全に遺伝子レベルに刻まれています。
しかしながら前述の通り、堅苦しすぎるのは遊戯としては不適切になるシーンもあると思いますので、両手使いの人を見たとしても、初心者の方など不慣れ故のこともありますし、自身が受けてきたのと同じ「指導」をすることはありません。
</脱線ここまで>

この脱線四方山話を踏まえ、極力両手を使わないべきの原則を覆してでも、牌ポロリさせないために両手を使って慎重に丁寧に表ドラ開示を行うわけです🫶
こうまでして大切に扱う王牌なのですから、王牌を不用意にあちこちへ動かすのは控えて牌ポロリ抽選を受けないようにしましょう🚷カイメン・ドラ開示後は基本あまり触らない、捨て牌スペース維持のために一歩下げるとかその程度にとどめます。

★おまけ

以下の一連画像は、親が投サイして出目が9の時に稀に見られるカイメン時の光景です。

①トイパイした牌山全体を手前に下げています
②王牌を残置し、取り出す牌山をトイパイしています
③取り出しを開始しました

決して駄目ではないです。他家が取り出しやすいようにトイパイしていて、親切心の行為です✨対面がご高齢の方で、サイコロボックスぎりぎりまで出してあげないとしんどいとか、そういう場面では寧ろ好プレイにもなりうると思います👏✨
しかし実はこれ、あまりやらなくてもいい行為でもあります😳💦まず、③の画像を見ていただくと2トンが3セット残っていますね。つまり、他家の初回取り出し1周分ということです。この親切行為をしない場合どうなるかというと、以下の画像です。

適切にトイパイされていれば他家の手も十分届く

初回取り出しのみ対面の人に頑張ってもらえば、下家と上家は至近距離ですから問題なさそうですよね。なので、画像①②の行為に由来するタイムロスや牌ポロリ抽選と、対面の人だけにどこまで親切にするかという天秤にかけた場合、①②をしない方が全員にとってメリットとなることが多そうです。
※はるか昔の雀荘メンバー時代に、周りに倣って①②をなんの疑いもなく徹底していました。日本プロ麻某協会在籍中もやっていました。最某位戦に入り、トイパイについて改めて学び、やらない方がベターと認識を改めて現在に至ります
つらつらとあれこれ書いてきましたが、本稿で言いたかったことはこれです。
スムーズな進行で、牌ポロリもない、粋なゲームをみんなで作りアゲましょう💃✨
ありがとうございました🙇‍♂️

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