夏の信越トレイル2021〜Day0〜
〜計画〜
東京オリンピック2020による祝日変更で
7月に4連休が取れた。
「どこへ行こうか」
ハイキング仲間とやりとりをしていると
[信越トレイル]
の案が……
そこからはトントン拍子で話が決まり、
信越トレイルへと出向くこととなった。
日本のロングトレイルを代表するルートだ。
いつかは歩いてみよう。
延伸することもあって関心は高くあった。
今回は3人で旅をする。
休みの都合上、3泊4日での行程となった。
推奨は4泊5日のルート。
通い詰めているハイカーショップの先輩ハイカーから話を聞いたりしながら
3泊4日で行けるぞ!
そう踏んだ上での決断だった。
日本のロングトレイル第一人者加藤先生の記事を読めば読むほど、気持ちが昂っていく。
道に対して、生々しさのようなものを感じていた。
トレイルを作った人の想いが色濃く、そして同じ時代を生きていた人だからなのかもしれない。
〜準備〜
前回高島トレイルで多いに反省点があった私は頭を悩ませた。
装備はこれまでのハイキングである程度決まっている。
ギアリストのURLを掲載する。
悩んでいたのは
食事
前回、α化米を中心とした食事メニューで枯渇状態を経験した。
あれからα化米に親でも殺されたかのように生理的に受け付けなくなっていた。
大好きだったカレーメシすら嫌になるほど。
「α化米?あんなもんで連日歩けるか!ク●喰らえだ!!」
本気でそう思っている。
2週間ほど悩んだだろうか。
出発の前日まで悩んでいた。
「活きたメシを食わなきゃ身体が動かない」
3泊4日合計11食分。
重量が嵩むと、行動に影響が出る。
ベースウェイトは約4.5kg
250缶のガスを加え、
水3kg
食料約4kg
合計で約12kgとなった。
多いだろうなぁ
そんな予感がしつつ、不安を押し殺すようにバックパックに詰め込んだ。
〜出発〜
週始まりの月曜日の時点で私はもう仕事に身が入らない。
出発は水曜日の仕事後。
早く帰ることしか考えていない。
そわそわ
そわそわ
そわそわ
ようやく終わった。仕事時間がいつもより長く感じた一日であった。
仕事が終わったら、タイムカードをカシャっと切って
即退社だ。
先輩からは、熊に喰われるなよ!っと励ましの言葉をもらう。
熊対策はしっかりとしよう。
荷物を持って、新幹線搭乗駅へと。
相方1と合流。
新幹線ホーム喫煙所で今回の旅の話をする。
期待と不安が入り混じっている。
ちなみにの話だが、相方1は前回のロングトレイルから完全に喫煙者に戻ってしまった。
新幹線ホームの喫煙所は、何故だか旅の雰囲気を感じられてどことなく高揚感を与えてくれる。
「はくたか」がホームへ到着。
見慣れた車両に複雑な気持ちを噛み締めながら、指定席へと向かった。
相方1は自由席だ。
相方2は
もう少し先で合流する。
初日はゲストハウスで快適な宿泊だ。
新幹線はどんどん私を遠くへ運んでいく。
通過するターミナル駅へ到着すると
なにやら派手なシャツを着て荷物を背負った人が横切る。
相方2だ。
相方1は自由席です。と軽くあいさつを交わし、目的の駅で下車。
ホームは出発駅より少しだけさわかやな空気。
旅の実感が湧いてくる。
改札を降りると、
不器用そうながら優しい笑顔で今回の宿主が迎えてくれた。
駅到着は22時。
遅くにありがたいお迎え。
途中コンビニに寄ってもらい、宿に着くと
宿主の奥様が
思い思いの柄を加えた短パンとシャツ姿の私たちを見て
「なんだかハワイにでも行くみたいだね!」
とニコニコと迎えてくれた。
奥様はその笑顔通り人懐っこく軽妙なトークで私たちを楽しませてくれる。
ビールを1缶だけ飲んで、今日のところはお開きだ。
明日の朝は宿の方がトレイルヘッドまで送ってくれる。
それにルートの最新情報まで管轄の役場へ問い合わせしてくれた。
なんてハイカーフレンドリーなんだ。
もうそれだけで大好きだ。
しかもなんと、帰りはお迎えに来てくれるようだ。
もう大好きだ。
宿は手入れが行き届いており、内装はまるで地元の実家へ帰省したかのような安心感。
もう一つの実家ができた気分だ、勝手ながら。
期待と不安が入り混じる信越トレイル前夜。
明日から始まる旅に心躍らせながら、
気持ちよく手入れされた布団へ身体を預けて、目を閉じた。
おやすみなさい。