歌姫
コロナ禍の影響もあり、ここのところ、テレビ局の秘蔵コンテンツを活用した番組などが多かったように思う。
それで、昔の歌番組からの映像なども見たりしたのだが、改めて見てみると、歌姫、と言われた方々には目を奪われる。特に、失恋ソング。なので、Youtubeなどもあさって、ライブで歌っている映像を探してみた。
とりあえず見つかった範囲で、
◆中森明菜さん:難破船 ◆安室奈美恵さん:Love story ◆尾崎亜美さん:オリビアを聴きながら ◆松田聖子さん:瞳はダイアモンド ◆浜崎あゆみさん:M ◆中島美嘉さん:雪の華(失恋ではないけれど)
。。。あたりを見てみた。すごい。ダンスやステップといった体の動きはなく、笑顔すらないが、逆に表情などはすごく感情があふれていて、もう、魂がこもってる、というのはこういうことなんだろうな、と思った。いや、魂を削っているといってもいいのかもしれない。そして、なんとなく、歌姫たちの人生の1シーンに、歌の表現したい感情とシンクロする出来事があったのかな、と感じた。
歌う技術だけでなく、そういった経験とそれをどう自分の中で受け止めていく、もしくは受け止めきれない自分を認める、そういった人間的な体験の豊かさを含めて「歌唱力」というのかもしれない。自分のすべてをぶつけていくような感じ。それが人の心をうつのだろう。
歌姫、特に「姫」という表現がまさにふさわしい。その真摯さには高貴さすらも漂うし、一方、シャーマン的な意味合いという面においても。そういう意味では、シャーマン的なオーラの強い人の方が歌姫と呼ばれがちな気もする。
ただ。
松田聖子さんだけは、とても情感がこもっているのに、1番と2番の間に笑顔を見せるのだ。すごい。クリスマスディナーショーを何年も行ってきた訓練の賜物だろうか。いや、因果関係が逆か?そのやさしいふんわりした雰囲気に瞬時に切り替えられるところをもってしてオファーがくるのか?
新しい歌姫があらわれ、それまでの歌姫は、年齢による衰えを感じた、などといって活動を収束していったり引退したり、世代交代が行われていく。
魂を削って歌う、という行為は、長く続けたら身が持たないようにも思えるし、それはそれでうまくできている仕組みなのかもしれない。
しかし、ご本人たちにとってはどうなのだろう。。。彼女たちの一曲が多くの人に与えた感動や励ましや癒しの何万分の1でも、歌姫たちの魂が感動や励ましや癒しで満たされていってほしいと思う。