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うんちでも伝説になれると聴きまして。

だいたい、栄養摂取して
消化して出てきたやつなので
菌だらけで臭いし、残りカス感のある
色味。黒か茶色なのがうんち。

うんちだ!というフィルターを通しているので
さわり心地も不快な柔らかさとして感じる。
それがうんち。

人間に踏まれれば無条件に嫌な顔をされるし
どんなキレイで整った顔面偏差値のひとでも
嫌な顔をされるのがうんち。

その点、犬は"汚い"フィルターを持ち合わせていない
ので食糞することもある。
うんちにとってはもう一度役に立てる
チャンスになる。

ほかにも良いことはある。
農家にとっては肥料になる。
かすかな栄養も集めれば立派で栄養のある
土を作り出すことだってできる。

それにうんちを主食にしている生物もいるし、
自然に土に変えれば立派に食物連鎖を
担うことだってあるのだ。

無茶な引き合いにだされることもある。
カレー味のうんちかカレーだけどうんち味
どっちが良い?
うんちにとっては訳がわからない。

うんちは嫌われることもあれば
利用されるだけ利用されることだってある。
それでも自然界において必要な存在だといえよう。
しかし敬われたり、大事に扱われることはないのだ。

うんちなのだから。

化石は別だ。
何百何千年むかしの地層から発掘されると
貴重な存在に変身を遂げるのだ。
もしも、生物が誕生しているのか
していないのかわからない地層から
出土されたら
それこそ "伝説のうんち" になる。
 
うんちが美術館で四角いアクリルケースに
厳重に飾られようものなら
うんちたちにとっては朗報であり、
目標になるのではないだろうか。

その "目標" に向かって "夢" にむかって
今日もどこかで排出されるのだ。
排出から伝説は始まる。

だいたい流されるし、ごみ袋にいれられたり
土に帰ったりする。

場所・タイミング・気温・湿度・運 が
そのすべてが揃わなければ
伝説にはなりえない。難しいことなのだ。

地球上に存在するほとんどとも言える
生物のバックボーンをもつ、その "うんち" は
リサイクル技術においてハイテク化した
現代社会において愚直にも
物量×トライ&エラー精神で
ただその物事において修正することはないのだが。

それでも今日もその "伝説" に
挑戦しつづけるのだ。

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