Help to self help
皆様、こんばんは、yasuchinです。師走というだけあって、忙しく、しかも時間の過ぎるのも早いですね。12月もそろそろ半ばですよ。
さて、今日のテーマは「Help to self help」です。昨日はケアマネージャーの研修会がありまして、その講義内容に出てきた言葉です。ケアマネの仕事は高齢者の方を対象とすることが一般的ですが、高齢者だからということではなく、ひとりの人間としてとても大切な内容だと思いましたので今回のテーマに取り上げたいと思いました。今日もよろしくお願いします。
◆「自立支援」の視点
「Help to self help」の意味ですが、直訳すると「自分を助けることを助ける」となります。つまり「自分で思うような生活をしていくことを援助する」、「自分でする、自分で成し遂げることを援助していく」ということになります。いわゆる、これが「自立支援」ということです。
「自立支援」という言葉は、今の介護・福祉業界では常日頃聞かれる言葉で、至極当然の考え方であり、スタンスだと思います。
高齢者の方は病気や体の不自由さなどから、これまで自分でできてきたことが難しくなり、誰かの手を借りなければならない状況が多くあります。そんな中で、私のようなケアマネをはじめ、介護士や看護師、相談員などあらゆる介護・福祉業務に医療従事に携わる側が関わり支援をしています。
その際、関わり方の重要な視点になるのが「自立支援」です。「自分でする、自分で成し遂げることを援助していく」。「支援」と聞くと「助ける」「手伝う」など思い浮かべますが、なんでもかんでも全てにおいて手を差し伸べることとは違います。
あくまでも「自分でする、自分で成し遂げる」ことに対しての援助です。簡単にできてしまう、あるいはすでに、または今まで自分でできてきていることはこれまで通り自分で行ってもらう。「自分で行いたい、成し遂げたい…でも少し難しい、援助があればできそう…」といったところを支援していくことが大切なことになります。
「自分でできる、自分で成し遂げる」ことは生活意欲の向上につながり、さらに「自信」にもなります。自分の生活、自分の人生にいつまでも主体的に参画できるようにしていくことがとても重要なことになります。
◆「自立」≠「自分でできる」
支援をすることで色々なことができるようになったとします。これを「自立」できるようになった!と考えるのは些か考え方が浅いと思われます。
確かに「自分でできる」ことを「自立」という言い方をします。「社会人として自立した」とかいう言い方をしますよね。しかし、本来の自立は違うと思います。
「自立」=「自分らしく生きる」ことです。
支援する側からすると、高齢者の方が支援によって、あることができるようになった、「自立」した!ではなく、
できるようになったことで「その人らしさ」が見られるようになった。
そのときが初めて「自立した」あるいは「自立支援」が行えたとみなさなければならないと思います。
例えば「歩けるようになった」=「自立した!」ではなく、「歩けるようになった」ことで、「散歩をすることが日課になった」とか、「前みたいに近所に出かけていってお茶のみができるようになった」とか…何かしら「個人ならではの生活らしさ」が見られるようになったときが「自立」と考えられるのではないかと思います。
◆「尊厳」と「自己決定」
「自立支援」を考える前提において重要な点が2つあります。
それは「尊厳」と「自己決定」です。
「尊厳」とは、別の言い方で表現するにはとても難しいですね。辞書で調べれば言葉は出てきますが、イマイチ、ピンとこない……どうにか私なりの解釈で述べるなら、「思いや考え、行動を理解してもらい、そして認めてもらい、その人らしく生きていけること」…でしょうか??…スミマセン…あまり上手く言えてない??(汗)
そして「自己決定」は「尊厳」が認められる中で「自分で選択し、決定し、納得して生きていく」ことです。
だから結局のところ、高齢者向けの「自立支援」とかいう話があったとしても、何か特別なことではなく、極々当たり前で高齢者のみならず、誰しもが必ず認められていなければならないところです。
「自己決定」は自分で考え選択し決定することから、要するに流されるまま生きるのではなく、「理由付けによる選択」、また、「自分のルール(規範)による決定」が存在します。これはつまり、「自立」と文字では書きますが、本来は「自律」の意味も大いに含んでいると私は思います。
◆皆さんは「自立(自律)」できていますか?
今日は「Help to self help」「自立支援」をテーマにしていますが、何も高齢者に限ったことではありません。どの世代であっても「自立(自律)」して生きることは人間として大変重要なことです。
皆さん、「自立(自律)」した生活できていますか?
病気とか体の不自由さとかが原因ではなく、例えば自分の置かれた生活環境、職場環境、対人関係などなど…
「自分で何もかもできる」ではなく、その先の、
「自分らしさ」が見出せているか?
それが「尊厳」や「自己決定」を基底とした本来の「自立(自律)」です。
あなたの周りに、「あれ?いつもと違う」「あの人らしくない…」といった友人や知人、職場の同僚、あるいは最も身近な家族はいませんか?
何かを成し遂げたい、自分で行いたい…でも、上手くいかない、できない…
高齢者だけでなく、どの世代でもあり得ることです。そして、そのための「自立支援」もどの世代でもあって良いものです。いや、なくてはならないことです。
「尊厳」を大事に、誰もが「その人らしさ」を大切に生きていくために、世代を問わず、介護福祉業界に限らず、
本当の全世代型の「自立支援」を目指すべきではないでしょうか…
それでは、また。