岸田「新資本主義」2)
岸田「新資本主義」とは安倍のミックス
岸田の言ってることはアベノミクス継承政権としてはマトモ.でも,それには最終的にトリクルダウンして好循環を生み出すという約束があった.そしてそれが既に失敗というか存在しなかったわけだから,それを踏まえないと話にならない.
で,失敗とは関係者である以上言いたくない,しかも何の新しいビジョンもアイデアも無い,で,表紙だけ変えてコピーで答案提出の類い(とはいえ,総裁選の候補者の中ではマシだったのは寂しい).
無理な注文だが,マトモな人間なら,その路線で行くとしても天の岩戸を誇示開ける大力を登場させる覚悟が必要だろう.それをしない以上,始まらないし,始めたつもりでは,メタボ放置で緊急事態宣言が関の山だろう.
アベノミクス三本の矢
無視している,あるいは知らない人が多そうなので,安倍のミックス3本の矢,オサライする.
・財政政策(経済対策)
・金融緩和(デフレ脱却)
・規制緩和(成長戦略)
彼の言っている分配は,お約束のトリクルダウンが誰でも分かっていた通りの嘘百発だったので,財政政策による化粧で誤魔化すつもりだろうが,それも早々と怪しくなっている.
こうして見るとアベノミクスは,
・金融緩和
では「デフレ脱却」には役に立たず,並行したドル高円安政策によって,外資と一部の日本の有資産階層,そして大手観光業者とインバウンド旅行者に得になっただけ.
むしろ「デフレ脱却」ではなくインフレ可能域の準備になったのではなかろうか.そしてそれは意図せざる悪い結果を招く種類のマズイ方向ではなかろうか.
つまり円高ならば海外から安い商品を輸入できるが,ドル高円安政策が続いた今は,それが値上げ基調になるしかない.しかも10年前と比べてそれらの国は停滞日本とは異なり急成長した地域が多いだろうし,そこでは日本と異なり,それこそトリクルダウンとなり所得水準も物価も上昇した.日本にとって輸入物価水準は以前とは異なり上昇基調しか考えようがない.これは日本の成長にも役に立たないし,一般国民の困窮化にもろにつながる.
・規制緩和
これは今迄ででさえ成長戦略とはなっていなかった.
規制緩和された会社や業界が儲けただけでは国の「成長戦略」とは言わない.それは政治家と悪徳業者との癒着した国富泥棒儲け話でしかない.そして今や規制緩和→成長戦略のお伽噺の種すら見当たらない.
・財政政策(経済対策)
そして問題の財政政策と経済対策.合理的基準が無ければ,泥棒たちの山分け合戦になってしまう.