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【ADVのすヽめ】漫画?アニメ?ラノベ?いいやギャルゲーだろう!【名作5選】


 さて、皆様はエロゲー(ギャルゲー)含むノベルゲームをプレイしたことがあるだろうか? 多くの方は触れたことのない媒体であると思う。
ゲームと呼ぶにはプレイヤーの介入要素が薄い事は否めないし、ユーザー体験が活字中心である事、ジャンルとしての立ち位置など含め色々ととっつきにくいことは間違いないだろう。

 だが、私は没入感において群を抜いているフォーマットだと思っている。
 映画やアニメ等の動画媒体は心理描写を描き辛く、小説は動きや画が浮かび辛い。そして漫画は音が想像し辛い。そうーこれら問題を須く解決しているのが、ノベルゲームだと私は思っている。(プレイヤーの想像の余地を欠いているとも言えるが、あくまで製作者の意図を正確に伝える意味でと捉えていただきたい)
 そんな、所謂エロゲーが今の日本のサブカルチャーに与えた影響が計り知れない事を知らない方も多いのでは無いだろうか。
 まずは多くの方が名作もしくは大衆作品へと昇華した作品やその関係者として以下の作品があるかと思う。

新世紀エヴァンゲリオン(庵野秀明)
君の名は。(新海誠)
魔法少女まどか☆マギカ(虚淵玄)
Fate/Stay Night(奈須きのこ)

▼その他アニメ化作品
無能なナナ(るーすぼーい)
冴えない彼女の育て方(丸戸史明)
Angel beats!(麻枝准)
アカメが斬る!(タカヒロ)
人類は衰退しました(田中ロミオ)
ようこそ実力史上主義の教室へ(衣笠彰梧)

灼眼のシャナ/涼宮ハルヒの憂鬱(キャラ原案:いとうのいぢ)

 さてこれらの方々は過去もしくは現在もエロゲーに関わっていることをご存知だろうか?
ここまで錚々たる面々が関わっていたのだから、日本のアニメ作品に多大なる貢献をしている事は最早疑う余地はないのである。

 さぁ少しでも興味が湧き出てきただろうか。私がつらつら語るよりもまずはゲームに触れて欲しいので、ここからは私がプレイしたゲームでおすすめ作品を5個選出したので、紹介したく思う。
日本のサブカルチャー好きに勧められる絶対に損はさせない作品を選んだつもりなので、是非見ていって欲しい。作品のネタバレは無しで紹介していこうと思う。
下記紹介フォーマットになるので、確認頂きたい。

※紹介FMT:作品名/メーカー/シナリオライター/オススメ度
▼おすすめ作品紹介

その①:White Album2(AQUAPLUS:丸戸史明)
オススメ度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 この作品は一言で言うと恋愛作品の頂点である。
一作品だけをお勧めするなら間違いなくこの作品だろう。
三角関係が嫌いではない方は是非一度プレイしてみて欲しい。ちなみにこの作品に於いては18禁版を強く推奨する。

▼ストーリー(公式サイトより引用)


その②:白昼夢の青写真(Laplacian:緒乃ワサビ)
オススメ度:☆☆☆☆☆☆☆☆

ギャルゲーにしておくには本当に勿体ない作品。
まずこの作品のキービジュアルだけでも芸術的に感じる方もいらっしゃるのでは無いだろうか。
4章構成で紡がれる物語はインモラル、SF、青春、演劇等幅広いジャンルの物語が楽しめる。私は小説に近い作品かと思う。
ストーリー構成、伏線回収は目を見張るものがあるので、是非プレイしてこの作品のレベルの高さを味わって頂きたい。

▼ストーリー(私が好きなCase1より抜粋)

有島芳は45才の非常勤講師。
かつては小説家を目指していた有島だったが、大学時代に出会った波多野秋房という先輩との筆力・人間力の差をまざまざと見せつけられ、その夢を捨てた。
今は編集者である妻の侮蔑の眼差しをうけながら、代わり映えのない毎日を送っている。
ある日、有島の大学時代のゼミの教授が他界。有島は告別式で、自分の勤め先の学園の生徒の姿を見つける。
その女学生・波多野凛は、大学時代の有島から筆を奪った波多野秋房の娘だった。
告別式で会ったことを機に、有島と凛は図書館で言葉を交わすようになる。
「あなたの書く文章を、私は読みたい」
凛が有島に投げかけた言葉は、かつては妻が言っていた言葉だった。
生徒への背徳的な恋心と、冷め切った夫婦関係への諦め。
その狭間で有島はもう一度筆をとり、書き始める。
https://laplacian.jp/yonagi/story/case-1より


その③:穢翼のユースティア(AUGUST: 榊原拓 、内田ヒロユキ、安西秀明)
オススメ度:☆☆☆☆☆☆☆

地に足つけたダークファンタジーとでも言うべき作品。
終盤に連れて面白くなるストーリーや決してご都合主義ではない展開は必見。
その圧倒的な世界観と最高のBGM・ストーリーを是非体感して欲しい。

▼ストーリー(公式サイトより引用)


マブラヴオルタネイティブ(age: 吉宗鋼紀)
オススメ度☆☆☆☆☆☆☆☆☆

あの進撃の巨人の作者も影響を受けていると公言している。感情の高低差を一挙に感じられる作品。
間違いなくおすすめの作品ではあるのだが、グロ、鬱に多少なりとも耐性がないと厳しいので、そこだけは注意が必要だ。
癖は多少なりとも有るもののその燃えるような展開は素晴らしい。
その重圧に耐え抜いた後にはかなりのカタルシスがあなたを待っている事間違い無しなので、是非プレイしてみて欲しい作品である。

▼ストーリー

ある朝「並行世界」の「あの日」で再び目覚める武。そこは意思疎通不可能な地球外起源種「BETA」との戦争で人類が滅亡に瀕した世界。純夏は存在せず、街は荒廃。ヒロイン達は軍人、学園は軍事基地に。人類敗北の断片記憶に突き動かされ、武は自ら行動を開始する。
未だ類例のない、戦後オタクエンタメが到達し得なかった唯一の「回答」。学生から政治家まで、人としての「立脚点」を求める全ての階層に愛され続けるオールタイムベストAVG
https://muvluv.com/products/より

車輪の国、向日葵の少女(あかべぇそふとつぅ:るーすぼーい)
オススメ度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

るーすぼーい氏の物語の仕掛けに驚く事間違い無しの不朽の名作。
このライターはとにかくシナリオが読み易く、ぐいぐい物語に引き込まれていく(まずは下のストーリーを読んでみて欲しい。意味がわかる筈だ。)
 そして魅力的な悪役がるーすぼーい氏の物語の特徴であり、女性以外のキャラクターにも是非注目して欲しい作品だ。
鬱屈とした展開は無いため、初心者にはまずこちらの作品のプレイをお勧めする。

無事、試験場にたどりついた。
 小高い丘に登ると、都会では見られなかった豊かな色彩が視界に飛び込んできた。一本の道によって左右に分かれた向日葵の黄色が、空の青が、町を囲むように連なる山々の緑がふるさとを実感させる。初夏の強い陽射しに目を細めながら、森田賢一はいつものように心を曇らせた。
「昔のことは、忘れるしかない」
 つぶやきは誰にも拾ってもらえなかった。けれど、ときどき思い出したように吐き捨てるのだ。賢一はひとりごとの多い青年だった。
「試験に合格して、とっとと特別高等人になるしかない」
 陽炎の立ちのぼる道の先に視線を注ぐ。最終試験が実施されるくたびれた田舎町。水田のきらめきのなかで、木造の校舎がたわんで見えた。学園には義務を負う人々が多く通っていると聞く。ただ、賢一は、彼らのことを罪人だとは思わない。犯罪者の烙印を押すのは、常に、強大な力を持つ社会そのものだった。
 賢一は、左手に提げているジェラルミンケースの中から一冊の本を取り出した。それは、日本という国が舞台のSF小説だった。手垢にまみれたページをめくりながら歩みを進める。
 賢一の国において、罪の解釈は広い。
 日本では、いくら働かずに自堕落な毎日を過ごそうとも、刑務所に送られるようなことはない。親の言いつけを守らなかったからといって、国がでしゃばって子供をしつけるような法もない。どんな極悪人にも人を愛する権利はある。
 それが、賢一にとっては幸福に思える。
 賢一の生きる社会では、怠惰は立派な犯罪であり、家長に従わない子供は矯正され、ときには自由な恋愛すら法によって禁止される。
 そして、それぞれの罪に応じた罰として、特別な義務を背負って生きるのだ。刑務所に入れられることはないが、日常生活に自由はない。囚人服を着る代わりに、服の目立つ場所に、罪人であることを示すバッジを貼り付けなければならない。異性との接触が禁止されたり、一日が十二時間に設定されたり、親権者に絶対服従しなければならなかったり……。
「クソな世の中だぜ」
 人が聞けば選挙権を失うような発言を足先に放り投げ、それを踏みしめていると、いつの間にか試験前の緊張もやわらいでいた。
 特別高等人の国家試験。それは年間に十人合格するかどうかの狭き門だ。賢一はそれまで自分が通過したテストの数々を思い浮かべるとき、その過酷さに、いつも青ざめる。

 特別高等人の役目は、罪人、つまり、義務を負った人々を更正指導することにある。世の中には、多種多様な義務があり、特別高等人はあらゆる状況に対処しなければならない。したがって、他人の行動を予測する心理学、暴れる罪人を取り押さえる体術など、人を管理するための能力全般が求められたのだ。
 最上級の国家公務員として、特別高等人には強大な権限が与えられている。必要とあれば罪人の基本的人権を剥奪し、プライバシーを侵害することはおろか、生殺与奪すら自由なのだ。それゆえに、彼らは人が人を裁く意義と危うさを理解している。人格面においても、常に公共の福祉を最優先に考えて行動するよう叩き込まれる。
 賢一が目指す特別高等人とは、いわば、刑務所という場を必要としなくても罪人を監督できる、極めて有能な看守だった。
 賢一は日本をうらやみながら本を閉じた。山風が吹き渡る。向日葵の少し日に焼けた花びらが、まるで波頭のように滑っていく。日向夏咲を発見できたのは、少女のリボンが、黄色い海のなかで、ひときわ鮮やかに波打っていたからだ。
 ――ケンちゃんがね、いいんだよ。
 淡い記憶がよみがえる。まぶしいくらいの笑顔と、手のひらのぬくもり。生意気な妖精のような声は、けれど、森田賢一の胸奥にひっかき傷をつけていた。
 直後、賢一は少女から逸らそうとしていた目を大きく見開いた。まぶたの裏がひきつってひりひりと痛む。肩と、胸と、背中の三箇所。そのバッジは、夏咲にはとうてい似合わない。薄汚い結婚詐欺師が負うようなみじめな罰則。
 ため息を放るようにあごをしゃくった。陽射しが賢一の顔に向かって一直線に降り注ぐ。田舎の広い空は七年前とまったく変わらない。賢一はうしろめたい過去を振り払うように、はっきりと幼馴染を見据えた。
 そうして、一歩、踏み出した。
 車輪の下に押し潰されるように、息苦しい社会。
 正義の象徴である、向日葵に向けて。
http://www.akabeesoft2.com/products/syarin/story.html

活字が苦手な方にこそ、漫画と小説の中間的な位置にあるノベルゲームはプレイして頂きたいと思う。
この中で、一つでも気になってもらい少しでもADVの魅力に気付いて頂けると幸いだ。
以上、ここまでお付き合い頂きありがとうございました。良いADVライフを!

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