いたましい事件を防ぐのは

社会的な不安が高まると、どんな人でも、少しの状況の違いで、心に傷を負ってしまうことがあるだろう。

多くの場合、心が健康、あるいは、まだ治癒するに耐えられるだけの傷で済んでいる。
その傷が、どうしようもなくなったとき、自分に向かうか、他者に向かうか。

社会的な不安というのは、今のような疫病の蔓延、経済の落ち込み、閉塞感などが原因となりそうだ。
通常、数字として見えやすいということもあり、失業率が指標になる。

誰しも手に職があって、職場も自身も健康で、必要最小限の文化的な生活が送れるならば、あまり心配はない。

ときに負というものは、連鎖することがある。
知らず知らずのうちに、負を選択したり、負が負を呼び込んだりする。
これを断ち切るのは、少しの勇気か、社会的な助けにかかっているだろう。

誰しも、「なんでこんなことするんだろう」と思うことはある。
その人が家を出る前に家族と喧嘩したかもしれないし、職場に行くのが憂鬱なのかもしれない。
その人が、たままた置かれた、その日限りの状況に、たまたま遭遇したかもしれない。
一概に、その人に由来する問題があるというよりも、偶然の積み重ねか、社会システムに課題があるか、その人に由来しない事柄も考えられる。

ひと呼吸を置こう。
ひと呼吸が必要な人がいるなら見守りや一押しが必要かもしれない。

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