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芸能事務所の倒産が止まらない!サムデイ破産から見る業界の現状と課題
従来のビジネスモデルは崩壊しつつある?
テレビの影響力低下と視聴者の変化
インターネットの普及に伴い、人々のメディア消費行動は大きく変化した。若者世代を中心に、テレビを見る時間は減少し、YouTubeやTikTokなどの動画プラットフォームで情報や娯楽を得ることが当たり前になっている。
さらに、コロナ禍による巣ごもり需要も、この流れを加速させた。スマートテレビの普及により、NetflixやAmazon Prime Videoなどの動画配信サービスの利用者が急増し、高齢者層でもYouTubeを視聴する人が増えている。
テレビ離れは、もはや一部の世代に限った話ではないのだ。
テレビの影響力低下は、芸能事務所の収益構造にも大きな影響を与えている。従来、芸能事務所の主な収益源は、テレビ出演によるタレントのギャラやCM出演料、そしてグッズ販売などだった。しかし、テレビの視聴率が低下し、広告費がインターネットに流出する中で、これらの収益は減少傾向にある。
では、芸能事務所はどのようにして生き残りを図るべきなのか? 答えは、YouTubeやTikTokなど、多様なプラットフォームに対応することだろう。
従来のように、テレビ出演だけを目標とするのではなく、所属タレントをYouTuberやTikTokerとして育成し、新たなファンを獲得していく必要がある。また、SNSを活用したファンとの交流や、オンラインイベントの開催など、デジタル時代に対応した新たな収益モデルを構築することも重要となる。
実際に、従来のビジネスモデルからの転換に成功している芸能事務所も存在する。例えば、私が知っているある芸能事務所は、所属タレントのキャラクターやコンテンツを活用したIPライセンス事業を展開している。また、企業のマーケティング戦略やブランディングに関するコンサルティング事業にも力を入れている。
このように、芸能事務所は、タレントのマネジメントだけでなく、多様な事業を展開することで、収益基盤を強化し、変化の激しい時代を生き抜いていこうとしているのだ。
芸能事務所は、今まさに大きな転換期を迎えている。従来のビジネスモデルに固執していては、生き残ることはできないだろう。インターネットの普及や視聴者の変化に対応し、新たな収益源を確保することが、芸能事務所の未来を左右する。