自分らしさというもの

昔から自分とは何か考えてきた
自分を作り上げたこと、事件に近いあの出来事は決して忘れることはない

ある意味今の俺を作り上げた出来事で
人生を映画にするとすればメインの見せ場のようなシーンだろう

あれが無ければこんなにも自分とは何か、自分は何故身体を嫌悪するのか、男ではないのか
そんなことに悩むこともなかったのだろう


それでも身体と心が一致しない
それで悩みながらもまだそれでも自分を探しているという自分の個性を選んだ俺を

自分自身だと認められなかっただけなのだろう

女の子らしくしたいわけでもない
女の子として生まれたからには女の子に戻れたらと思った

親が望むだろうから
周りはそう思っているだろうから

でも何度考えが変わってもそう長くは続かず
結局、女の人として認識される自分に違和感、苦痛を感じて生きる時がやってくるのだ

そんなに考えなくてももっと気楽に
そう言われても
自分の人生においての一番の問題で一番の出来事である

自分が1番分かりたい
自分がどうしたいのかどう在りたいかを
知りたいだけなのだ

考えて考えて


変わらないのはあの日の出来事が今の自分を作ったのは事実で
全てもう決まっていたのだと思う

俺が俺を愛せているようで愛せないのは
まだどこかわかりきれていないから
迷いがあるからなのだろうか

誰も自分自身のことを全て理解する人などいないだろうが

俺はどうしたいのか
まだ分からずにいる

愛しているけどまだ全てを受け入れきれていないのだろうか

もしもその日が来たらきっと今よりも自分らしい自分で生きる自分がいると思う

未来の自分に会いに行きたいと思った日
見えた自分は髪が長い女の子だった

その自分に違和感を覚えたのは
あの日消した自分の理想だったかもしれない

俺はその理想になりたいわけではなかったんだろう

道が消えて見えなくなった
迷ってしまった先で見つけたのは

あの日必死に作り上げた自分自身
作り上げて安定した自分らしさという
個性を選んだ俺だった

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