合気道の合宿に行った時の話【だいにわ】
前回のお話↓
前回の続きから。
合宿所に到着したはいいのだが、入り口が見つからず、うろうろしていたらちょうど先生が
「koo何やってんだ」
と後ろから呼んできた。
「入り口がわからなくて迷ってました」
というと「こっち」
と言って案内してくれた。
自分が行こうとしていた真反対の方向だったので、筆者の特別スキル「無限迷宮」がしっかりと発動しているのを感じつつ、入り口に着いた。
部屋番号を確認したら、同じ道場で同い年の友達(△△)が一緒の部屋であることを知り、良かった〜と安堵しながら部屋に向かうと、荷物もなんもなかったので、まだ着いてないんかなと思いながら道着に着替えていたら、先生が急に部屋に入ってきて、
「△△体調崩したから合宿参加しない。この部屋じゃなくて隣に移動して」
と言った。
おいおい冗談だろ?せっかく数少ない高校生同士だってのによぉ。サボりかぁ〜?
と、自分が午前中に友達に言われたことをコンビニの昼ごはんと一緒に反芻しながら、(俺は牛か)隣の部屋に移動したが、そこはすでに大人3人がいる部屋だったので、狭いったらありゃしない。
唯一の救いはみんな知り合いだったこと。
別の道場の知らん人とだったら気まずくて仕方ないよ。
荷物の量がみんなかなりあるので、荷物だけで場所を取るため、布団なんてひけないんじゃないかと最悪の事態を想定しながら
これなら俺1人で隣の部屋で良かったんじゃないかと思いつつも道着に着替え、木刀と杖を持って道場に向かった。
時期が冬の頃だったので、道場は寒くて仕方ない。
というか合宿所全体が寒すぎる。
道場に入って一礼し、荷物を端に置きに行くと、各道場の先生達が、ストーブの前で固まっていた。
挨拶をした後、
「俺も混ぜてください」
とは口が裂けても言えないので、体を温めるために道場内を1人で走った。
畳も桁違いに冷たいので、真夏に海の熱々の砂に足をつけた時のように、足をぴょんぴょんさせながら走っていた。
周りからしたら「あの子の走り方どうなってんねん」とでも思われていただろう。
空気も何もかも冷たいので、たいして温まらなかった体に対し、
もっと熱くなれよ〜!!! と松岡修造ばりに気合をいれ、
先生の集合の合図に向かった。
筆者の先生が主催の合宿なので、他道場の先生の紹介を先生がしている間、畳の上に正座しているのだが、さっきも言ったように桁違いに冷たいので、正座の時間がこの合宿内で最も苦行なのではないかと感じていた。
先生方も同じことを考えていたのか、途中から少しずつ足をグニグニさせていた。
やっと先生の紹介が終わり(4人)準備体操の時間になったので、近い歳の人を探すと、いるにはいたが女子だったのと、おとなしめな感じの人だったので、俺がコミュ障を発動し結局喋れずじまいだった。
準備体操が終わり、技の講習になったのだが、先生らが
「“受け“の人は若い人がいいなぁ」(うちの道場では技をかける方を“取り“。かけられる方を“受け“という。)
などと言い始めたので、俺は体をできるだけ縮こませ、影を薄くしていたのに、隣の同じ道場の人が
「ここにいますよー笑笑」
と声高に先生に言ってしまったので、めちゃんこ目立ち、これからの技の受けをほぼ俺がやることになってしまった。
俺の他にも高校生くらいの若い人いたじゃん!!異議あり!!と心の中で逆転裁判を領域展開しながら、先生の技を受けていた。
講習が終わり、先生がしていた技を周りの人と練習する時間になったのだが、俺は前で投げられまくっていたため、グループを組むのに出遅れた。
仕方ないので、自分より段級位が3〜4も上の人とやることになってしまった。
体格差と実力差がかけ離れているが、そんなこと関係なく自分よりでかい人を投げられるのは気持ちがいい。
だいたいみんな俺よりでかいんだけどね。(筆者は166㌢ 小さい。)
合気道は上手くできれば段も年齢も体格も関係ないのがいいところだと思う。
小一時間ほど【投げて、投げられ、投げ、投げn…..】
を繰り返したところで、次の技に移行するため、また前でぶん投げられた。
次にやる技は、筆者が得意な技の一つである【小手返し|《こてがえし》】だったので、内心ウッキウキで練習していた。
※ちなみに筆者は神武錬成塾ではない。
この技は相手の手首をうまく利用して投げる技なのだが、関節を極められるとめちゃんこ痛い。
極めると相手の身体が必然的に下がり、身体を起こせなくなるので、そのまま極めながら歩くこともできる。犬の散歩のように。
まぁ筆者はわざわざ相手を激痛の地獄に突き落とす外道でもないので、(先生達は面白がってやってくる。)普通にそのまま投げるのだが。
初日は3教、小手返し、後両手取りの3つを1時間ずつ、残った1時間半くらいは自由技の練習だった。
練習後のお話はまた次で。